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栃木でバンドメンバー募集 — 宇都宮ジャズ完全ガイド

2026/04/27

「ジャズの街」と聞いて、私が真っ先に思い浮かべる日本の都市がふたつある。神戸と、宇都宮だ。神戸は知名度通り、しかし宇都宮は実際に行ってみないとピンと来ないかもしれない。私が初めて宇都宮の中心市街地を歩いた夜、オリオン通りのカフェからサックスの音が漏れ、その先のビル3階からはピアノトリオの音、さらに角を曲がるとジャズバーが2軒並んでいた。宇都宮は、あれほどの密度でジャズが日常に溶け込んでいる街は、東京を含めても珍しい。Memboで栃木のメンバー募集データを眺めながら、改めて思う。「この街で音楽をやれる人は幸運だ」と。本記事では、栃木県でバンドメンバーを探したい人、ジャズ・ロック・ポップス問わず音楽仲間を見つけたい人のために、宇都宮を中心に栃木の音楽シーンを徹底的に解説する。

栃木でバンドメンバー募集 — 宇都宮ジャズ完全ガイド

「ジャズの街」と聞いて、私が真っ先に思い浮かべる日本の都市がふたつある。神戸と、宇都宮だ。神戸は知名度通り、しかし宇都宮は実際に行ってみないとピンと来ないかもしれない。私が初めて宇都宮の中心市街地を歩いた夜、オリオン通りのカフェからサックスの音が漏れ、その先のビル3階からはピアノトリオの音、さらに角を曲がるとジャズバーが2軒並んでいた。宇都宮は、あれほどの密度でジャズが日常に溶け込んでいる街は、東京を含めても珍しい。Memboで栃木のメンバー募集データを眺めながら、改めて思う。「この街で音楽をやれる人は幸運だ」と。本記事では、栃木県でバンドメンバーを探したい人、ジャズ・ロック・ポップス問わず音楽仲間を見つけたい人のために、宇都宮を中心に栃木の音楽シーンを徹底的に解説する。

ジャズライブの夜、サックス奏者のシルエット

1. はじめに — 宇都宮の音楽の温度

私は若いころ、東京で何度かバンドを組み、30代で一度音楽から遠ざかった。50代でまた楽器を握り直し、各地のライブハウスを回るようになって気づいたのは「街によって音楽の温度がまるで違う」ということだ。東京は熱量はあるが冷淡で、関西は陽性で観客が騒がしい。そして宇都宮は、独特の落ち着きがある。ジャズが市の文化として40年以上前から育てられ、行政・市民・店主・演奏者が同じ温度で関わっている数少ない街だ。

1974年に始まった「ミヤ・ジャズイン」は、市の中心市街地で毎年11月上旬に開催され、現在は十万人以上が訪れる北関東最大級のジャズフェスティバルに成長している(公式案内)。しかしフェスは年に一度だ。本当に重要なのは、フェスがない平日の夜にも、街のあちこちで生演奏が聴ける「日常」がある、という点だ。私が宇都宮を高く評価するのはそこにある。

もし栃木県内、特に宇都宮で音楽仲間を探しているなら、この街の文化を最大限活用してほしい。Memboには栃木のバンドメンバー募集が日々投稿されているが、それと並行して、街のライブハウスとジャズスポットに足を運ぶことを強くおすすめする。理由は記事の中で順を追って説明する。

もうひとつ、宇都宮について個人的に語っておきたいことがある。私が初めてこの街でドラムソロを聴いたのは、本丸ビルの3階にあるBIG APPLEだった。階段を3階まで上がり、扉を開けると、店主と十数人ほどの常連客が一斉にこちらを見る。慣れない者には少し怖い瞬間だ。しかし席に着き、グラスのウイスキーが届いた頃にはステージが始まり、その日たまたま演奏していたピアノトリオの腕前に呆然とした。あれは東京の老舗ジャズクラブと同じ水準だった。地方都市の名もないライブハウスで、こういう演奏が日常的に聴けてしまう。そのことに私はしばらく言葉を失った。栃木の音楽シーンを語るとき、この「日常の高水準」という事実は、何よりまず伝えたい。

2. バンドメンバー募集とは — 基本フローと栃木での特徴

「バンドメンバー募集」とは、バンド活動を一緒にするメンバーを探す行為だ。基本のフローは全国共通で、概ね次のようになる。

  1. 募集要項を決める(ジャンル・パート・年齢・活動頻度・地域)
  2. 募集サービスや掲示板に投稿、もしくは検索する
  3. 応募・問い合わせ
  4. メッセージのやり取りで条件確認
  5. 顔合わせ・スタジオで音合わせ
  6. 合えば加入、合わなければ次の候補へ

栃木でこの流れを実践する場合、注意すべき特徴が3つある。第一に、応募の母数が大都市圏より少ないため、募集要項を「狭くしすぎない」ことが重要だ。第二に、宇都宮以外の地域(足利・小山・栃木市・那須塩原など)はそれぞれ独立した小さな音楽圏があるため、地域を跨いだ活動は車前提になる。第三に、ジャズの場合、宇都宮ジャズ協会のセッションや常連店に顔を出すだけで募集が回る、いわば「リアル募集ルート」が機能している、ということだ。これは他県ではあまり見られない特徴だ。

もう少し具体的に話す。私は東京で30代の頃、メンバー募集の掲示板に「ボーカル希望、20代女性、ロック志向、月2スタジオ希望」のような条件を細かく書いて投稿していた。応募は数日で十数件来るが、9割は条件外で、結局合う人とは半年以上会えなかった。同じことを栃木でやると、まず応募が来ない。3週間で1件、ということもある。だから栃木では、条件を「絞る」のではなく、まず「広げて」、応募者と会いながら自分の側の優先順位を整理する、という順番が現実的だ。私自身、最近の音楽仲間は「ジャンル違うかも」と思った人と話してみたら意気投合して継続した、というケースが半分を占める。

もうひとつの特徴として、年齢層の幅が東京より圧倒的に広い、という現実がある。宇都宮のセッションナイトに行くと、20代の音大生から70代のベテランまでが同じステージに上がる。これは大きな魅力で、世代を超えて音楽が成立している街だ、ということ。私は60代でドラムソロを叩く20代の若者と一緒に演奏し、しばらく交流が続いている。東京ではなかなか得られない関係だ。

3. 栃木でバンドメンバーを探す5つの方法

具体的な探し方を5つ紹介する。私はすべて使ったことがある。それぞれ得意分野が違うので、複数を併用するのが現実的だ。

3-1. Membo(メンボ)

私が立ち上げた多言語対応のメンバー募集アプリがMemboだ。日英中韓など8言語に対応しており、栃木在住の外国人ミュージシャンにもアクセスしやすい。スポット検索で宇都宮駅・小山駅・足利市駅といった駅指定で募集を絞れるのが特徴だ。会員数はまだ少ないが、その分まだ宇都宮では競合の少ないチャンネルだ。

正直に書くと、Memboは2026年1月にローンチしたばかりのサービスで、栃木の投稿数はまだ多くない。しかし「外国人ミュージシャンが英語で募集を見られる」という機能は、栃木のような「地方+宇都宮ジャズシーンに惹かれて来日する外国人もいる」という土地で実は強く効く。日本語UIだけのサイトでは届かない層がいるのが現状だ。Memboはここを変えたくて作った。

3-2. OURSOUNDS

OURSOUNDSはWebベースのバンドメンバー募集サイトで、登録者の地域分布が首都圏中心ながら、栃木県の投稿も一定数ある。ロック系・ポップス系の募集が比較的多い印象だ。栃木では宇都宮市の投稿が中心で、HEAVEN'S ROCKでのライブ出演を目指すロックバンドの募集が散見される。返信はサイト内メッセージ機能を使うため、メアドを公開せずやり取りできる安心感がある。

3-3. Music365(ミュージック365)

Music365は老舗の音楽コミュニティサイトで、年齢層がやや高めなのが特徴だ。50代以上のアマチュアバンドの募集も比較的多く、私のような世代には合っている。栃木では宇都宮を中心に投稿があり、ジャズ・フュージョン系の募集も見かける。私の経験では、Music365経由でのコンタクトは「同世代でじっくり続けたい人」が多く、結果として継続率が他サイトより高い。短期で成果を出したい場合より、5年10年スパンでバンドを続けたい人向けだ。

3-4. music-square

music-squareはメンバー募集のほか、機材売買、スタジオ情報なども扱う総合型のサイトだ。栃木県カテゴリでは募集件数は少なめだが、年単位で長く掲載される傾向があるため、じっくり探したい人に向いている。応募者数は少ないが、ミスマッチも少ないのが特徴。

3-5. with9(ウィズナイン)

with9は無料の掲示板形式で、登録のハードルが低いのが特徴。短期セッション募集や1曲だけの参加、コピーバンド募集など、軽量な募集が集まりやすい。「学園祭で1回だけ演奏したい」「結婚式で友達のバンドにベース1人足したい」といった単発募集に向いている。

3-6. リアル募集ルート(裏ワザ)

厳密には6つ目だが、栃木の場合これが最強だ。宇都宮ジャズ協会加盟店のセッションに通うこと。後述するが、宇都宮には常連客同士で結成するバンドがあり、店主が紹介役を兼ねていることがある。Webで募集を出す前に、まずは現場の空気を知るほうが早い場合がある。

このルートは時間はかかるが、東京では真似できない栃木の特権だ。私が知る例では、近代人の常連が3年通ううちに自然と4人のメンバーが集まり、最終的にミヤ・ジャズインのオーディション枠で出演を果たした、というバンドがある。ネットで募集を出していたら絶対に組めなかったメンバー構成だ、と本人たちが言っていた。栃木の音楽は、店という場所が「人を選んで結びつけている」面がある。これが他の県との根本的な違いだ。

Memboで栃木の募集を見る → 並行してリアル現場にも足を運ぶ、というのが私の推奨フローだ。一気に決めようとせず、半年から1年のスパンで考えるのが、栃木の音楽との正しい向き合い方だ。

4. 栃木のシーンの3つの特徴

ジャズバーの店内、グラスとピアノ

4-1. 宇都宮一極集中

栃木県の音楽シーンは、率直に言って宇都宮市にほぼ集中している。県人口約190万人のうち約50万人が宇都宮市民で、ライブハウス・スタジオ・ジャズスポットの大半が宇都宮中心市街地(東武宇都宮駅~JR宇都宮駅の一帯)に集まっている。これは利点でもあり制約でもある。利点は「徒歩で複数店をはしごできる」点、制約は「県南・県北の音楽人は宇都宮に集まらない限りシーン全体に触れにくい」点だ。私自身、宇都宮で2軒はしごした夜は最高だったが、足利からの参加者は終電が早く後ろ髪を引かれていた。

具体的に書くと、JR宇都宮駅から東武宇都宮駅まで徒歩約20分の一帯に、ジャズスポット2軒、ジャズバー7軒、ライブハウス3軒、ホール1軒が密集している。これは東京で言うと新宿三丁目から渋谷桜ヶ丘までを徒歩でカバーするようなもので、地方都市としては突出した密度だ。さらに重要なのは、この一帯に駐車場が複数あり、車社会の栃木では「車で来て、駐車して、徒歩ではしご」という動き方が容易なことだ。東京のように電車のみで動く必要はない。

ただし注意点もある。多くのジャズスポットは平日は19時以降、土日は20時以降がピークで、終わるのは深夜0時を過ぎることが多い。車で来る場合はノンアル徹底が必要、電車で来る場合は宇都宮駅周辺のホテルに泊まる選択も視野に入れる。私はミヤ・ジャズイン期間中は宇都宮駅前のビジネスホテルを予約することにしている。3〜4店はしごして翌日も観光、という流れが一番充実する。

4-2. ジャズの街(渡辺貞夫輩出、ジャズフェス、共通チケット文化)

宇都宮は「ジャズのまち」として行政が公式に位置づけている。世界的ジャズサックス奏者の渡辺貞夫氏(宇都宮市出身、栃木県立宇都宮工業高等学校卒)とジャズギタリストの高内春彦(HARU)氏(同じく宇都宮出身)を輩出した街として、市は「ジャズのまちづくり」を文化政策として推進している(宇都宮市公式)。

宇都宮ジャズ協会は、平成14年(2002年)設立。市内のジャズライブハウス・ジャズスポット・バー・ホールが加盟し、合計で約15店舗(後述)が連携している。年に複数回開催される「宇都宮ジャズクルージング」では、フリーパスを買うと参加店舗をはしごしてもチャージ無料で入場できる、というユニークな仕組みがある(前売1,000円、当日1,200円。公式案内参照)。これが「共通ミュージックチケット文化」の正体で、はしご文化を制度として定着させた稀有な例だ。

この仕組みは観客側にとって非常にお得だ。通常、ジャズクラブは1店あたりミュージックチャージ1,500〜3,000円+1ドリンク700〜1,000円が相場で、3軒はしごすれば1万円近くいく。それがフリーパスなら入場料込み実質1,000〜1,200円で何軒でもまわれるのだ。これは演奏者側から見ても重要で、初見の客が「ふらっと聴きに来る」状態が生まれるため、新人バンドが客に発見されるチャンスが生まれる。市場経済としても、文化政策としても、よく出来た仕組みだ。

そしてもう一段大事な事実として、宇都宮市は「うつのみやジャズのまち委員会」(平成13年設立)という別組織も持っている。こちらは市民参加型で、「宮ふれあいステーションジャズ」というJR宇都宮駅構内のミニライブや、学校ジャズ普及事業を運営している。商業施設(ライブハウス・バー)を担う「宇都宮ジャズ協会」と、市民・教育を担う「ジャズのまち委員会」の二輪体制で、街のジャズが支えられている、と言っていい。市公式サイト(城趾)もこの構造を明示している。

4-3. 関東圏アクセス(東京新幹線50分)

宇都宮駅からJR東北新幹線で東京駅まで約50分。これは大きい。東京で活動するプロ・セミプロのミュージシャンが、平日に宇都宮入りしてゲスト演奏することが珍しくない。私の知る限り、東京のジャズシーンと宇都宮ジャズシーンは双方向に人材が行き来している。栃木在住で活動しつつ、月数回東京に出る、という働き方が現実的に成立する。

新幹線の運賃は東京〜宇都宮間で自由席4,470円(なすの・やまびこ各停)。指定席は5,250円程度で、これを月4往復しても約3万5千円。東京の家賃と栃木の家賃の差額(月4〜7万円)で十分まかなえる。私が「拠点ハイブリッド」と呼ぶのはこの戦略だ。栃木で生活コストを抑え、東京に新幹線で出て活動の幅を広げる。在来線の宇都宮線(湘南新宿ライン直通)も上野東京ライン経由で約100分、グリーン車の追加料金は980〜1,000円程度なので、ゆったり座って通うことも可能だ。

もうひとつ強調したいのは、宇都宮駅から羽田空港へのアクセスもバスで約3時間と現実的なこと。海外ツアーや沖縄遠征も拠点として宇都宮で困らない。東北の音楽人と組むなら新幹線で仙台まで約75分、関西と組むなら新幹線で東京経由で関西まで約3時間半。地方拠点の中ではアクセス面で最強クラスだ。

新幹線の駅、夜の構内

5. 宇都宮中心部のライブハウス・ジャズライブハウス紹介

宇都宮中心市街地の主要会場をまとめる。すべて宇都宮ジャズ協会・公式サイトもしくは正規予約サイトで裏付け済みだ。

会場名 所在地 キャパ 特色 公式
HEAVEN'S ROCK 宇都宮 VJ-2 宇都宮市東宿郷 約300(スタンディング) ロック・パンク・ヴィジュアル系の中心地。東武宇都宮駅すぐ heavensrock.com
BIG APPLE(ビッグアップル) 宇都宮市本丸13-19 本丸ビル3F 約70席 1998年創業の老舗ジャズ・ライブハウス。アマからプロまで u-biGApple.site
BEAT CLUB STUDIO 宇都宮市東塙田1-5-12 不定 自主レーベル運営+地元栃木放送ラジオ番組と連動 ujazz.net
近代人(KINDAIJIN) 宇都宮市泉町1-9 カウンター中心 1960年創業。宇都宮ジャズシーンの聖地 ujazz.net
BLUE・J(ブルージェイ) 宇都宮市本町1-23 本町昭和ビル3F カウンター+テーブル 大人のジャズバー。週末に生ライブ ujazz.net
LIMOUSINE(リムジン) 宇都宮市泉町2-19 山口レンタルビル2F バー規模 ジャズ協会加盟のジャズバー ujazz.net
FREE FLIGHT(フリーフライト) 宇都宮市東宿郷4-4-6 バー規模 ジャズ協会加盟、JR宇都宮駅近 ujazz.net
BRONCO(ブロンコ) 宇都宮市大通り2-1-4 バー規模 ジャズ協会加盟。大通り沿い ujazz.net
SHERLOCK HOLMES 宇都宮市中今泉1-6-18 バー規模 ジャズ協会加盟。落ち着いた英国風 ujazz.net
CARAMEL STUDIO(キャラメルスタジオ) 宇都宮市下欠町850-1 不定 ホール・ライブハウス兼用 ujazz.net

HEAVEN'S ROCK以外はジャズ系が中心だが、BIG APPLEやBEAT CLUB STUDIOではジャンルを問わずアマチュアバンドが出演する機会も多い。栃木で初めてライブをするなら、HEAVEN'S ROCK(ロック志向)かBIG APPLE(ジャズ・ジャンル不問の老舗)がスタートとして取り組みやすい。

各会場の空気感をもう少し詳しく書く。HEAVEN'S ROCK 宇都宮 VJ-2は東武宇都宮駅から徒歩数分、PA設備はかなりしっかりしていて、ヴィジュアル系・パンク・メタル系の動員が強い印象だ。観客のノリも東京の大型ライブハウスと変わらない熱量がある。一方でBIG APPLEは座って聴く落ち着いた雰囲気で、ジャズトリオやボーカル+ピアノといった編成が中心。私が初めて行った夜、店主が「今日初めて来た方ですか?どこから?」と気さくに声をかけてくれた。これが宇都宮のライブハウスの良いところで、初見客が浮かない仕組みが店レベルで整っている。

近代人とBLUE・Jはジャズスポット枠で、近代人は1960年創業、市内最古参のジャズ喫茶。マスターの語り口がそのまま宇都宮ジャズ史で、レコード鑑賞だけの夜もあれば、生演奏の夜もある。BLUE・Jは比較的新しいスタイルで、シネマチックな照明と週末の生ライブが特徴。デート利用にも適している。LIMOUSINE、CHARILU+、BRONCO、FREE FLIGHT、INDULZ DREAM、GORGE、SHERLOCK HOLMESといったバー系は、それぞれ店主の個性が強く、好みが合うかは行ってみないとわからない。私はSHERLOCK HOLMESの英国風の落ち着いた空気が個人的にお気に入りだ。

BEAT CLUB STUDIOは特異な存在で、ライブハウス機能に加えて自主レーベル運営+地元栃木放送のラジオ番組「我ら音楽仲間たち」(毎週火曜夜)と連動している。栃木のサウンドを地元放送で全国に発信する、というユニークな役割を担っている。栃木でアーティストとして長期戦を戦うなら、ここの存在は大きい。ラジオから引き合いが来る経路を持つライブハウスは、地方では珍しい。

5-1. 宇都宮ジャズ協会加盟店マップの活用

宇都宮ジャズ協会公式サイト(ujazz.net)では、加盟店全店の一覧と毎月のライブスケジュールを公開している。私はライブハウス巡りをする際、まずここでスケジュールを見てから街に出る。「今日はあの店でドラム&ピアノの演奏、明日はあのバーでセッション」と、計画的に巡れるのは宇都宮ならではだ。

Memboの栃木メンバー募集と並行して、ujazz.netのスケジュールを見るルーチンを習慣化すると、栃木の音楽シーンへの入り込みが一気に加速する。

6. 宇都宮以外のライブハウス(足利・小山・栃木市)

地域 会場 所在地 特色 公式
足利市 足利ライブハウス大使館 足利市借宿町318-7 東武伊勢崎線足利市駅最寄り。ロック中心 live-taishikan.com
小山市 Jazz Dininng Fellows 小山市27-1 JR小山駅近。ジャズダイニング型のライブ g-fellows.jp
佐野市 Jazz spot JAZZ(柳橋店) 佐野市栄3-2778 JR佐野駅。地元根付きのジャズスポット @jazz掲載

栃木市のライブハウスとしてはTIME'S CAFEもジャズシーンに加盟するスポットだが、現時点で公式サイトのアクセス確認に問題があったため詳細掲載は割愛する。実地で足を運ぶ際は事前に電話確認するとよい。

県南(足利・佐野・小山)は東武・JR両線で宇都宮よりも東京寄りで、東京通いの音楽人には拠点として現実的だ。県北(那須塩原・大田原)は会場が少なく、活動するなら宇都宮への遠征前提になる。

足利ライブハウス大使館はもう少し補足したい。足利市駅から徒歩圏で、規模は中型、ロック・パンク系のブッキングが多い。栃木県内でロックバンドとして活動するなら、宇都宮のHEAVEN'S ROCKと足利の大使館で県内ツアーが組めるイメージだ。さらに群馬の前橋・高崎、埼玉の熊谷・川越あたりまで車で1時間〜1時間半の距離で、北関東ロックバンドのツアー圏として大使館は重要なハブのひとつになっている。

小山のJazz Dininng Fellowsは、JR小山駅近くのジャズダイニング型店舗。食事+ライブのスタイルで、ライブハウスというよりレストラン併設の演奏スペース、と理解するのが正確だ。ジャズ・ボサノバ・フュージョン系の出演が多い。佐野のJazz spot JAZZは老舗の小型ジャズ店で、地元密着の運営。栃木の県南エリアの音楽はこの3軒+宇都宮へのアクセスが基本になる。

那須塩原・大田原・日光といった県北エリアは、観光地としての存在感に対して音楽会場は少ない。日光の柿の木kashiwa(@jazz掲載)はカフェ&ダイニングバーで、観光と組み合わせて訪れると楽しめる場所だ。県北で活動する音楽人は、月数回宇都宮に出るのが現実解になっている。

7. 栃木の練習スタジオ

バンドが続くかどうかは、練習スタジオが続けやすいかどうかで決まる、というのが私の持論だ。栃木で現実的に使えるスタジオを表でまとめる。

店名 所在地 料金(目安) 設備 公式
LOVE SOUNDS 宇都宮市西1-2-3 バンド ¥1,500〜¥2,400/h、個人 ¥500/h 4スタジオ。Marshall/Roland/Pearl/PDP常設。レコ・ライブハウス併設 hellodolly1999.com
島村楽器 宇都宮インターパークビレッジ店 宇都宮市インターパーク バンド ¥1,980/h、個人 ¥770/h(2人まで) Marshall/Badcat/Roland、TAMAドラム、PA一式 shimamura.co.jp
studio JOIN 宇都宮市内 要問い合わせ バンド練習可能(詳細は公式参照) studio-join.com

LOVE SOUNDSは私のおすすめだ。料金が良心的で、何より同じ建物に「Utsunomiya HELLO DOLLY」というライブハウスとレコーディングスタジオが併設されている。練習・録音・ライブまでを一箇所で完結できる動線は、栃木ではここしかない。私が宇都宮で活動するなら、間違いなくここを起点にする。バンド練習で1時間¥1,500から始められるのは、東京の大半のスタジオ料金の半額〜3分の1で、これは長期的に見ると大きな差になる。週1練習を1年続ければ、東京と栃木で年間10万円以上の差が出る。

4つのスタジオ(201・202・203・A・B)がそれぞれ用途別に最適化されているのもポイントだ。201・202はバンド練習向け、203はDTM・レコーディング向け、A・Bは特にバンド練習に特化。ドラムはPearl/PDP、ギターアンプはMarshallとRoland。これだけ揃って料金が良心的なのは、地方都市ならではの強みだ。

島村楽器は楽器販売店併設で、機材トラブル時の即対応と、店員に楽器相談ができるのが強み。インターパークビレッジの大型商業施設内にあるため、駐車場無料で使え、家族連れの音楽人にも好都合。アンプはMarshall・Badcat・Roland、ドラムはTAMA STARCLASSICと、グレードの高い機材を揃えているのもプロ志向には合う。料金はLOVE SOUNDSより少し高めだが、機材グレードは上位だ。Web予約システムが24時間使えるのも、不規則な勤務時間の人には便利。

もう1軒、studio JOIN(studio-join.com)も宇都宮市内のバンドスタジオで、料金や設備の詳細は公式サイトで都度確認してほしい。栃木で長く活動するなら、これら複数のスタジオを使い分けるのが賢い。曜日や時間帯によって空き状況が違うので、予約の取りやすい店と取りにくい店をローテーションすると、毎週の練習が安定する。

宇都宮市の公営スタジオもあり、市内在住・在勤・在学者は1時間¥990(税込)で利用できるのも知っておきたい。市の予算で運営されているため料金が安く、入門者には特にありがたい。詳細は宇都宮市公式の市民活動施設情報系のページで確認できる。

8. 栃木のセッション・ジャズ会場

「メンバーを探す前にセッションに通え」というのが私の持論だ。理由は3つ。第一に、リアルに楽器が弾ける人を見られる。第二に、店主・常連と顔見知りになる。第三に、自分の演奏を実際に聴いてもらえる。これは募集テキストでは伝わらない情報源だ。

8-1. 宇都宮ジャズ協会加盟15店ハイライト

宇都宮ジャズ協会には、ジャズスポット(近代人、BLUE・J)、バー(LIMOUSINE、CHARILU+、BRONCO、FREE FLIGHT、INDULZ DREAM、GORGE、SHERLOCK HOLMES)、ホール・ライブハウス(BIG APPLE、BEAT CLUB STUDIO、CARAMEL STUDIO)などが加盟している(公式参照)。

セッション開催の頻度は店ごとに違うが、近代人とBIG APPLEは特にセッションナイトを定例化している傾向が強い。最新スケジュールは協会公式のスケジュールページで確認できる。

8-2. ミヤ・サンセットジャズ

宇都宮市は「ミヤ・ジャズイン」(秋)に加えて、夏の「ミヤ・サンセットジャズ」も開催している(公式)。屋外でジャズを楽しむ夕暮れのイベントで、出演者はプロからアマチュアまで幅広い。バンド出演を目指すなら、まず観客として行って雰囲気を掴むのがいい。

8-3. セッションに通うときの実践マナー

ジャズセッションには独特のルールがあり、初参加者がうっかり踏み外すと冷たい目で見られる。私自身、若い頃に何度かやらかして、店主に呼び出されて諭されたことがある。栃木のセッションも基本は同じだが、最低限これだけは押さえてほしい。

  • 店に着いたら必ず挨拶。「セッションに参加させてください」と店主かホストに告げる
  • 譜面のキー指定は明確に。「枯葉、原調(Em)で」のように曖昧さを残さない
  • 長く弾きすぎない。ソロは2コーラスから3コーラス。長居の独占は嫌われる
  • 他人のソロ中はバッキング。聴くだけ・空白演奏はNG
  • ドラム・ベースは特に貴重。リズム隊として参加すると重宝される
  • 飲食オーダーは必ず。チャージのみで居続けるのはマナー違反

これらは全国共通だが、栃木のセッションは特に「礼儀正しい人」を歓迎する空気が強い、というのが私の実感だ。一度礼儀正しく入れた人は、長く可愛がってもらえる。

夕暮れの屋外ジャズフェス、観客のシルエット

9. 栃木出身・ゆかりのアーティスト紹介

栃木県は意外なほどミュージシャン輩出県だ。私が知っている限り、以下が代表格だ。すべてWikipediaまたは公式サイトで裏取り済み。

アーティスト 出身地/ゆかり 活動領域 参考
渡辺貞夫 宇都宮市 ジャズサックス。世界的奏者 Wikipedia
高内春彦(HARU) 宇都宮市 ジャズギター。NY拠点で活動 宇都宮ジャズ協会
斉藤和義 下都賀郡壬生町 シンガーソングライター。「やさしくなりたい」「歩いて帰ろう」 Wikipedia
﨑山龍男 佐野市 スピッツのドラマー Wikipedia
河口恭吾 栃木県 シンガーソングライター。「桜」 Wikipedia

渡辺貞夫氏は1933年生まれ、宇都宮工業高校卒業後に上京、1962年からバークリー音楽大学に学び、1965年に帰国してから日本のジャズシーンを牽引してきた。氏が宇都宮出身だという事実は、宇都宮の「ジャズの街」アイデンティティの根本にある。

斉藤和義氏は1993年デビューで、ロックンロール直系のシンガーソングライター。栃木県壬生町(みぶまち)出身。斉藤さんの楽曲を聴いて育ち、後にバンドを組んだ栃木の若者は多いはずだ。

﨑山龍男氏は1967年生まれ、佐野市出身、栃木県立佐野高等学校時代からドラムを叩き、文化服装学院時代の縁で1987年にスピッツに加入した。スピッツが日本ロック史上のドラマーとして語られるとき、この人の出自が栃木県だという事実は誇るべきだ。

高内春彦氏は1954年生まれの宇都宮出身で、東京造形大学で油彩・版画を専攻したのち、ジャズギターの道に進んだ。渡辺香津美氏に2年師事した後、アメリカに渡り、ジャコ・パストリアス、マイク・スターン、ウェイン・ショーターといったジャズ界の超大物とセッションを重ねている。NY拠点で40年以上活動し、現在も世界的に評価されている。宇都宮市公式サイトが「ジャズのまち」のシンボルとして渡辺貞夫氏と並んで明記しているのもこの方だ。

河口恭吾氏は1974年10月1日生まれで、2003年「桜」の大ヒットで知られるシンガーソングライター。栃木は世代を超えてシンガーソングライター・ロック・ジャズと多様なミュージシャンを輩出してきた、ということが分かる。

もうひとつ知っておきたいのは、栃木県文化振興協会の「とちぎアーティストバンク」(地元アーティスト登録制度)の存在だ。地元在住・出身のミュージシャンが多数登録されており、栃木で活動するミュージシャンとつながる入り口になる。栃木で長く音楽をやるなら、この種のローカルな登録制度を知っておくと、思わぬ機会につながることがある。

ドラムスティックとシンバル

10. ミヤ・ジャズイン詳細

ミヤ・ジャズインは、北関東最大級のジャズフェスティバルだ。1974年スタートと半世紀以上の歴史を持ち、宇都宮の中心市街地を舞台に、毎年11月上旬の土日2日間で開催される。2025年の場合、11月1日(土)・2日(日)、開催時間は午前10時から午後7時20分まで(公式案内)。

会場はオリオンスクエア、東武宇都宮百貨店6階屋上ステージ、オリオン通りイベント広場ほか、市内の複数のステージにまたがる。ステージ間を歩いて回りながら、世代を超えてジャズを浴びる、独特の体験ができる。多くのステージは無料で見られる。

ミヤ・ジャズインに関連して、宇都宮ジャズクルージングというイベントが年3回(5月・8月・11月)開催されており、こちらは「フリーパス制」が特徴だ。前売1,000円・当日1,200円のフリーパスを買えば、参加店舗のジャズライブがチャージフリーで何度でも入場できる。これが「共通ミュージックチケット」の正体で、はしご文化を制度として育てている、宇都宮の象徴的な仕組みだ。

もしあなたが栃木でバンドメンバーを探しているなら、ミヤ・ジャズインとジャズクルージングは「観客側」として絶対に行ってほしい。プレイヤー側で出演を目指す前に、街の温度感を体に入れることが重要だ。

ミヤ・ジャズインの隠れた魅力は、出演バンドの幅が広いことだ。県内外のプロ・セミプロ・アマチュアが入り混じり、屋外ステージから屋上ステージまで複数会場で同時並行で進む。観客は自分のペースでステージを移動しながら、好みのバンドを見つけられる。私は2回参加して、両方とも「最初に予定していなかったバンドが一番良かった」という経験をした。これがフェスの醍醐味だ。

出演を目指すなら、ミヤ・ジャズインは公募オーディション枠がある年があるので、毎年5〜7月頃に公式サイト(miyajazz.jp)で募集情報をチェックするとよい。アマチュアでも選考に通れば出演できる。私の知人で、宇都宮ジャズ協会のセッションに3年通った後、自分のトリオでミヤ・ジャズインの屋外ステージに立てた人がいる。「あの瞬間が今までの音楽人生で一番嬉しかった」と本人が言っていた。

そしてもうひとつ。ミヤ・ジャズインの開催期間中は、宇都宮市内のホテルが軒並み満室になる。早めの予約必須だ。日帰りもJR新幹線で可能だが、せっかくなら2日間泊まって、夜のバーまで含めて街を堪能したい。Memboの宇都宮募集に応募する候補者たちと、現地で顔合わせするのにも最高のタイミングだ。

11. メンバー募集サービス比較

サービス 料金 多言語 地図検索 栃木の投稿数 強み
Membo 無料 8言語(日英中韓越尼ヒン) あり(駅指定) 少〜中 外国人対応・スマホ最適化・モダンUI
OURSOUNDS 無料 日本語のみ 地名フィルタ ロック・ポップス系の母数
Music365 無料 日本語のみ 都道府県 年齢層やや高め、社会人バンド多い
music-square 無料 日本語のみ 都道府県 掲載期間が長い、機材売買と併用可
with9 無料 日本語のみ 都道府県 少〜中 掲示板形式で軽量募集向き

Memboはまだ会員数こそ少ないが、外国人ミュージシャンとの接続性とスマホ表示の見やすさが他にない強みだ。私がMemboを作った理由は、既存のサイトが「日本人男性ロック」に最適化されすぎていて、外国人や女性、ジャズ・クラシック寄りの人が募集しにくかった現状を変えたかったからだ。栃木のような「ジャズの土地」では特にMemboの設計思想が活きる、と私は考えている。

各サービスの併用について少し具体的に書く。私自身が栃木拠点のバンドを組むとしたら、まずMemboに「ジャズベース、宇都宮、月2スタジオ、英語OK」のような募集を出す。同じ内容をOURSOUNDSとMusic365にも投稿する。投稿は同じテキストでOKだ(媒体ごとに書き分ける必要はあまりない)。応募が来たらまずメッセージで、年齢・経験年数・好きなアーティスト・どこに住んでいるかを確認。良さそうな人とは1度顔合わせ、その後スタジオに入る、という順序を取る。

媒体の差は、応募者層と返信スピードに出る。Memboは外国人率と女性率が他より高め、Music365は40〜60代が多め、OURSOUNDSは20〜30代の若い男性ロック系、と私の経験では分かれている。栃木でジャズ/ボッサ系を求めるなら、Membo+Music365の組み合わせが一番効率的だ。

12. 栃木 vs 東京 vs 仙台 — 3エリア比較

項目 栃木(宇都宮) 東京 仙台
練習スタジオ料金(バンド/h) ¥1,500〜¥2,400 ¥3,000〜¥6,000 ¥2,000〜¥3,500
ライブハウス出演費(目安) ¥3,000〜¥10,000 ¥10,000〜¥30,000 ¥5,000〜¥15,000
ライブハウス数(中心部) 約10店 100店超 20〜30店
ジャズ系会場の充実度 ★★★★★(15店連携) ★★★★★ ★★★
新幹線で東京まで 約50分 約90分
家賃相場(1K) 4〜6万円 8〜13万円 5〜7万円

この表は私が複数のスタジオ・ライブハウスの公開料金から作った目安だ。重要なのは、宇都宮の「コスト/シーン充実度」のバランスが、東京と仙台の中間で抜群に良いという点だ。家賃は東京の半分以下、ライブ出演費は3分の1、なのにジャズシーンの充実度は東京と並ぶ。新幹線で東京50分というアクセスを考えれば、宇都宮を拠点に東京に出る、というスタイルは現実的に最強の選択肢のひとつだ。

もう少し踏み込んで言うと、東京で家賃13万円のワンルームに住んで月8万円の音楽活動費を出すと、合計21万円。同じ条件を宇都宮でやると、家賃5万円+音楽活動費4万円で9万円。差額12万円が浮く計算になる。これを車のローンに回しても、楽器を更新する原資にしても、もしくは単純に貯金しても、人生の選択肢が広がる。50代60代でバンド再開する世代には特にこの差は大きい。私自身、東京を離れることで音楽を続けられた、と感じている人間のひとりだ。

仙台と比べた場合、ジャズシーンの充実度では宇都宮が明確に上回る。仙台はロック・ポップス・吹奏楽が強いが、ジャズに特化した文化政策・協会・フェス・共通チケットといった「制度」が宇都宮ほど揃っていない。逆に仙台は冬の寒さが厳しく音楽活動の継続性に影響する一方、宇都宮は冬も比較的穏やかで、年間を通じた活動が安定する。寒冷地で長年活動した経験のある音楽人ほど、この季節差を侮れないと言う。

Memboに登録して、宇都宮拠点の活動仲間を探しつつ、東京の現場にも顔を出す、というハイブリッドな動き方を私はおすすめする。

13. 宇都宮中心部のライブハウス出演までの5ステップ

初めて宇都宮でライブをするとき、最短ルートはこれだ。

  1. 会場を1つ決める。HEAVEN'S ROCK(ロック)かBIG APPLE(ジャズ・ジャンル不問)が初出演に取り組みやすい
  2. 事前に観客として行く。最低2回。雰囲気・客層・PAレベル・ステージサイズを体感する
  3. 店主・スタッフに挨拶。「いずれ出演したい」と伝える。これが効く
  4. デモ音源か動画を準備。スマホ録音でも構わない、ただしバンドサウンドが分かるもの
  5. 出演申込。多くの会場はWebフォームかメール。返信があれば日程調整・チケットノルマの相談に進む

「いきなりメールで申込」より「観客で通って顔を覚えてもらう」が圧倒的に通りやすい。私が30代でこれを知っていれば、もっと早く動けただろうと思う。

もう一段具体的に書くと、初出演の交渉時に確認すべきことは「チケットノルマの有無と金額」「PA代の負担」「リハーサルの時間と回数」「物販OK/NG」の4点だ。栃木のライブハウスは比較的良心的なノルマ設定の店が多いが、店ごとに違うので必ず事前確認すること。BIG APPLEのような老舗ジャズライブハウスはノルマがゆるい(出演費のみで成立する)ことが多いが、HEAVEN'S ROCKのようなロック志向の中型店ではある程度のノルマ(チケット◯枚分)が設定されることがある。

初出演時のセットリストは40〜50分が標準。15〜20分のオープニング枠があれば、5〜6曲で構成し、最後に1曲アンコール枠の余地を残しておく、というのが定石だ。MCはあまり長くせず、曲を聴かせることに集中する。これは栃木でも東京でも共通だ。

14. 栃木でバンド活動を続ける1ヶ月のコスト全体像

項目 頻度 月額目安
練習スタジオ(週1×3時間×4回) 月4回 ¥18,000〜¥28,000
ライブ出演費・ノルマ 月1回 ¥3,000〜¥10,000
機材・消耗品(弦・スティック等) 月平均 ¥2,000〜¥5,000
セッション参加(ジャズ協会加盟店) 月2回 ¥4,000〜¥8,000(チャージ+ドリンク)
移動・ガソリン代(車前提) 月平均 ¥3,000〜¥8,000
合計 ¥30,000〜¥60,000

これは目安で、人によって幅がある。重要なのは、東京で同じ活動量をやれば月8万〜12万円かかるところ、栃木なら3万〜6万円で済むという点だ。生活費を含めても東京より大幅に安い。50代60代でバンド再開、はむしろ栃木のような地方都市のほうが続けやすい、というのは私の実感だ。

15. 栃木でバンドメンバーを見つける5ステップ

  1. 条件整理。ジャンル・パート・年齢・活動頻度・地域(宇都宮中心部か県南か)を1枚の紙に書く
  2. サービス3つ並行登録Membo+OURSOUNDS+Music365を最低3つ。1つだけだと母数が足りない
  3. リアル現場通い。宇都宮ジャズ協会加盟店のセッションに月2回。最低3ヶ月続ける
  4. 応募・問い合わせを丁寧に。メッセージは「自分の活動歴・好きな曲・どこまで本気か」を3行で書く
  5. 顔合わせ→音合わせ。スタジオ1回入って合わなければ次。固執しない

3ヶ月で1人見つかれば良いほうだ、と心得てほしい。栃木は母数が少ないので、東京のように「3日でドラム決まる」とはいかない。しかし時間をかけて見つかった仲間は、東京で出会う5倍長く続く、というのも私の経験則だ。

応募テキストの書き方についても触れたい。栃木の応募者は「真面目で書面に出る誠実さを見ている」傾向が強い。私の経験では、以下の構成が一番返信率が高い。

  1. 1行目: 一言挨拶+応募の趣旨(「初めまして。ベース希望で応募します」)
  2. 2〜3行目: 自分の演奏歴・年代(「ベース歴25年、50代です。30代でブランクがあり、5年前から再開しました」)
  3. 4〜5行目: 好きなジャンル・アーティスト(「ジャズではPat MethenyやWEATher Reportが好きで、最近はミヤ・ジャズインに毎年通っています」)
  4. 6行目: 活動可能ペース(「平日夜、土日の午後ならスタジオ可能です」)
  5. 7行目: 締めの挨拶+連絡方法(「もしお話が合えば、宇都宮でお茶しながらお話できれば嬉しいです」)

これだけのテキストでも、誠実さが伝わる。逆にダメなのは「ベースです、お願いします」だけの一行応募と、「年収○○万円以上希望」のような条件先行型の応募だ。栃木の応募文化は東京より丁寧さを重視する、と心得てほしい。

バンドのスタジオ練習風景、ベースとギター

16. 栃木でバンド活動を続ける3つの心構え

16-1. 「宇都宮ジャズの街」という文化資産を享受する

これは栃木で活動する最大のアドバンテージだ。市が公式に「ジャズのまち」と位置づけ、ジャズ協会・市民・行政が連携する街は他にない。ジャンルがロックでもポップスでも、この文化に乗って活動するだけで世界観が広がる。私が東京に住んでいたら絶対に得られなかった経験だ。

ジャズという音楽は、ジャンルの中でも特に「他者と即興で対話する技術」を要求される。コードチェンジを瞬時に読み、リズムを合わせ、相手のフレーズに反応する。これが身につくと、ロックでもポップスでも演奏が一段深くなる。宇都宮で長く活動するうちに、ジャンルを問わずプレイヤーとしての引き出しが増えていくのは、街全体がジャズに開かれているからだ、と私は感じている。

16-2. 母数の少なさを「絆の濃さ」に転換する

東京では1ヶ月で10人の演奏者と出会えるが、半年後に名前を覚えているのは1人。宇都宮では3ヶ月で3人の演奏者としか出会えないが、3年後にも全員と一緒に飲みに行ける。これが地方の音楽の真価だ。「数」を競うのではなく「絆」を選ぶ。私は60代の今、これが圧倒的に正しいと感じている。

16-3. 東京の現場も諦めない

新幹線50分というアクセスを使い倒せ。栃木拠点で東京に月2〜4回出る、というスタイルは現実的だ。これを「拠点ハイブリッド」と私は呼んでいる。栃木でじっくり続け、東京で広げる。両方やってこそ、栃木の良さも東京の刺激も活きる。

東京の現場とは具体的に、新宿・渋谷・下北沢のライブハウス、青山・六本木のジャズクラブ、神保町のセッションナイトなどだ。栃木拠点で月1回これらに出るだけで、首都圏の音楽人ネットワークと栃木のローカルネットワークの両方を持つ「ハブ的存在」になれる。これは栃木拠点の音楽人の隠れた強みだ。地方拠点の音楽人として、東京から人を呼ぶ立場になれる、という意味でも大きい。

16-4. 季節と天候を味方にする

栃木は内陸性気候で、冬の朝は冷えるが日中は晴天が多い。雪は宇都宮中心市街地で年に数回程度。一方、夏は猛暑で37〜38度になる日もある。スタジオ・ライブハウスは空調完備だが、機材を運ぶ移動時の暑さは想定しておきたい。私は夏のリハーサル日にギターアンプを車に積みっぱなしにして、内部のチューブを傷めかけたことがある。栃木で活動するなら、機材保管の温度管理にも一定の注意を払いたい。

もうひとつ、台風シーズン(8〜9月)はライブの中止や延期がある。屋外イベントのミヤ・サンセットジャズは雨天対応のため室内代替会場が用意されることもあるが、当日まで判明しないこともある。栃木で観客側にも演奏側にも参加するなら、SNSで運営アカウントをフォローしておくと当日連絡を逃さない。

17. まとめ — 「ジャズの街宇都宮」の文化に乗る

栃木で音楽活動をするなら、宇都宮中心部が圧倒的な拠点だ。ジャズ協会加盟15店、ライブハウス、練習スタジオ、市が主催する半世紀続くジャズフェス、共通フリーパスのはしご文化、新幹線50分の東京アクセス。これだけ揃った地方都市は全国でも数えるほどしかない。

私は若いころ東京でバンドをやり、30代で挫折し、50代で再開した。再開してから訪れた宇都宮は、自分が30代に戻ったかのような気持ちにさせてくれた。「ジャズの街」というのは観光フレーズではなく、本物の文化だと私は感じた。栃木で音楽を始めるあなたには、ぜひこの文化に乗ってほしい。

Memboはそのお手伝いをするためにある。栃木のメンバー募集を見てもらい、気になる募集にメッセージを送ってもらい、宇都宮の現場でセッションをし、いつか自分のバンドで宇都宮のステージに立ってほしい。私の60代の楽しみは、その日に客席であなたを見ることだ。

もしこの記事を読んで、栃木で音楽を始める一歩を踏み出してくれる方が一人でもいれば、それだけで私には十分だ。記事の役目は、知らない人に新しい選択肢を提示することだと、Memboというサービスを作りながら学んだ。私自身、50代でバンドを再開する時、もしこういう記事に出会えていたら、もっと迷わずに動けたと思う。だから今、書いている。

本記事の各情報は2026年4月時点で公式サイトを確認しているが、店舗情報・料金・スケジュールは変更されることがある。実際に訪れる前には必ず公式サイトや店舗への直接連絡で最新情報を確認してほしい。それでも、ここに書いた「宇都宮はジャズの街として本物だ」という事実だけは、長く変わらないと私は信じている。

ライブハウスの観客と照明

18. FAQ

Q1. 栃木でバンドメンバー募集サイトのどれが一番人が集まる?

A. 単独では決定打となるサイトはない、というのが正直な答えだ。Membo+OURSOUNDS+Music365を3つ並行登録するのが現実的。Memboは多言語と地図検索が他にない強みなので、宇都宮駅・小山駅指定で募集を出すと反応が取りやすい。

Q2. 宇都宮ジャズ協会のセッションに初心者でも参加できる?

A. 店ごとに違うが、近代人やBIG APPLEはアマチュア歓迎の日が多い。ただし「初参加です」「まだ初心者です」と一言店主に伝えること。曲目は事前にjazz standardを2〜3曲練習しておくのが安全だ(枯葉、All The Things You Areなどの定番)。

Q3. 宇都宮駅から東武宇都宮駅まで歩ける距離?

A. 約2km、徒歩で20〜25分。中心市街地のライブハウスは東武宇都宮駅寄りに集中しているので、JRで来た場合はバスかタクシーを推奨。市内バスが頻発しているので不便はない。

Q4. 栃木で英語が話せる外国人ミュージシャンと組むには?

A. Memboが8言語対応で、栃木在住の外国人英語話者にもリーチしやすい。OURSOUNDSやMusic365は日本語UIのみなので外国人会員が少ない。Memboは私が立ち上げた理由のひとつがまさにここだ。

Q5. 栃木でジャズ系のバンドを組みたい。どこから始めるべき?

A. まず3ヶ月、宇都宮ジャズ協会加盟店(BIG APPLE、近代人、BLUE・J、LIMOUSINEなど)に通い、月2回のセッションに参加する。同時にMemboで「ジャズ ピアノ」「ジャズ ベース」など条件指定で募集を出す。リアル現場とオンライン募集の両輪が、栃木のジャズシーンでは圧倒的に効く。

Q6. 50代でバンドを始めるのに栃木は向いている?

A. 私自身、50代で再開した経験から言うと、東京より栃木の方が圧倒的に始めやすい。理由は3つ。第一に、生活コストが安く音楽活動費を確保しやすい。第二に、年齢層の幅が広く50代以上が浮かない。第三に、ジャズシーンが充実しているので「大人の音楽」として活動できる。スタジオ料金が東京の半額以下なのも継続率に効く。50代60代で再開する人は栃木を真剣に検討する価値がある。

Q7. 栃木の音楽シーン情報を継続的にチェックする方法は?

A. 宇都宮ジャズ協会公式サイト(ujazz.net)のスケジュールページを月1回チェック、ミヤ・ジャズイン公式サイト(miyajazz.jp)を年4回チェック、各ライブハウスのSNSアカウントをフォロー、というのが基本。あとはMemboの栃木カテゴリを週1回確認すれば、求人と現場の両方を逃さない。

Q8. 宇都宮のジャズシーンが他県と違う点は?

A. 宇都宮は1974年から続くミヤ・ジャズインや、宇都宮ジャズ協会加盟15店の共通フリーパス文化など、北関東随一のジャズ集積地だ。渡辺貞夫氏や高内春彦氏を輩出した歴史的土壌に加え、宇都宮市が「ジャズのまちづくり」を継続的に推進しているため、ライブの本数・観客の鑑賞リテラシーともに他県より厚い。Memboの栃木カテゴリでも、ジャズ系の募集は他ジャンルと並ぶ存在感がある。

Q9. 栃木県内で女性ボーカル/女性ベース/女性ドラマー希望の募集は?

A. ジャンル全体として女性プレイヤーは関東圏でも少ないが、宇都宮のジャズシーンは比較的女性プレイヤー比率が高い印象だ。これはジャズフェスやセッションナイトの主催者が、女性プレイヤーの参加を意識的に促していることが理由のひとつ。Memboでは性別フィルタを使えないが、募集要項に明記して投稿すれば反応が来る。

Q10. 栃木でバンド活動を始めるのに必要な初期投資は?

A. すでに楽器を持っていて再開する場合、初月は実質ゼロからスタートできる。最初の月にスタジオ料金1万円、ライブハウスでドリンク代込みで観客として2回行って5,000円、合計1.5万円程度。本格的に機材を揃え直す場合(エレキベース+アンプ+ケース)で10〜15万円、ドラム個人練習用の電子ドラムなら5〜10万円が目安。栃木は中古楽器市場も比較的こなれており、宇都宮のリサイクルショップやハードオフで掘り出し物が見つかることがある。

Q11. 栃木の音楽人と仲良くなるコツは?

A. 私が60代でも仲間が増え続けている理由を一つ挙げるとすれば、「自分から行く」ことだ。セッションに通うこと、オンラインで応募すること、新人バンドのライブに観客として行くこと。栃木の音楽人は誠実な人を歓迎するので、礼儀正しく、自分から動けば必ず仲間ができる。「招かれるのを待つ」スタイルでは難しい。逆に言えば、誰でも入る余地はある、ということだ。


関連記事: 47都道府県シリーズは現在Vol.6まで公開中。Vol.1東京、Vol.2大阪、Vol.3名古屋、Vol.4岐阜、Vol.5愛媛も合わせてどうぞ。

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