Blog

コピーバンドの始め方 — 選曲・練習・ライブまで完全ガイド

2026/03/15

コピーバンドの始め方を完全ガイド。初心者向けの選曲ポイント5つ、MONGOL800「小さな恋のうた」など定番曲リスト、YAMAHA Extrack・Moisesなど最新耳コピツール、JASRACとの関係(ライブハウスでのコピー演奏は合法)、スタジオペンタ「こぴばんフェス」など初心者歓迎のコピバン限定イベント情報まで。
ライブハウスのステージでスポットライトを浴びるバンド
コピーバンドは、音楽の楽しさを最短距離で味わえる入り口だ

俺のバンド人生は、コピーバンドから始まった

20代、いやもしかしたら、まだ10代だったかもしれない。初めてスタジオに入った日のことは今でも覚えている。当時のメンバーで合わせたのはBEATlesだったろうか? 仲間の一人が好きな日本の「チューリップ」の曲だったかもしれない。イントロのギターリフが鳴った瞬間、ドラムとベースが重なって、自分のギターがバンドの音になった。あの「音が噛み合った」感覚は、何十年経った今でも俺のバンド人生の原点だ。

コピーバンドは「人の曲をやるだけ」と軽く見られることがある。だが、実際にやってみるとわかる。原曲の完全再現を目指す「完コピ」は、楽器の技術・アンサンブル・音作りの全てを鍛えてくれる最高の教材だ。

2021年の総務省「社会生活基本調査」によると、日本の楽器演奏人口は10歳以上の約10.2%、およそ1,140万人。その大半が最初に経験するのがコピーバンドだ。この記事では、選曲からスタジオ練習、著作権の知識、初ライブまで、コピーバンドの始め方を徹底的に解説する。

コピーバンドとは? — カバーバンド・トリビュートバンドとの違い

まず言葉の整理をしておこう。「コピーバンド」は実は和製英語で、海外では通じない。英語圏では「カバーバンド」が一般的だ。

種類 特徴 具体例
コピーバンド 原曲をアレンジせずに忠実に再現する。「完コピ」が究極の目標。和製英語 学園祭バンド、社会人軽音サークル
カバーバンド 原曲をベースに自分たちのアレンジを加える。英語圏で一般的な呼び方 ジャズアレンジ、アコースティックver.
トリビュートバンド 演奏だけでなく衣装・MC・ステージングまで含めた総合的な再現を目指す Queen、BEATles、X JAPANのトリビュート

日本では「コピーバンド」が最も広く使われる。ライブハウスのイベント名にも「コピバンフェス」「コピバン祭り」のように定着している。この記事でも「コピーバンド」で統一する。

選曲の5つのポイント — 曲選びが成功の8割を決める

楽譜とギターが置かれたテーブル
選曲はバンドの方向性を決める最も重要なステップだ

コピーバンドで一番揉めるのが選曲だ。ここを間違えると練習が苦痛になり、メンバーが辞めていく。俺が経験から学んだ5つのポイントを紹介する。

1. メンバー全員が知っている曲を選ぶ

誰か1人だけが好きなマニアックな曲を推すと、他のメンバーのモチベーションが下がる。まずは全員が口ずさめる曲から始めよう。Mrs. GREEN APPLEの「ケセラセラ」や「ライラック」は2025年レコード大賞3年連続受賞(ビデオリサーチのTVオンエアデータでも1位)で知名度が高く、全員が知っている可能性が高い。

2. 各パートの難易度バランスを見る

ギターソロが超絶技巧でも、ドラムとベースが8ビート基本なら全体としてはやりやすい。逆に、全パートが高難度だと挫折しやすい。「一番苦手な人が楽しく弾ける難易度」を基準にするのがコツだ。

3. ボーカルの音域に合わせる

原曲キーで歌えないなら、キーを変えればいい。ただし、キーを変えるとギターの押さえ方やベースラインが変わるので、最初の段階で決めておくこと。

4. ライブで盛り上がる曲を入れる

練習だけでなく、いずれライブハウスに出ることを想定した選曲も大事だ。観客が手拍子しやすい曲、サビで一緒に歌える曲を1〜2曲セットリストに入れておくと、ステージが格段に楽しくなる。

5. 定番曲の安心感を活かす

初バンドなら、あえて「定番」を選ぶのが正解だ。下の表は、初心者がバンドに入るための定番コピー曲リストだ。

アーティスト 曲名 おすすめポイント
MONGOL800 小さな恋のうた パワーコード中心、ベースはルート弾き、ドラムは8ビート。初心者バンドの定番中の定番
BUMP OF CHICKEN 天体観測 ギター・ドラムのパートが比較的単純。イントロが印象的で盛り上がる
スピッツ 空も飛べるはず 8ビート基本。テンポがゆっくりめで合わせやすい
ASIAN KUNG-FU GENERATION リライト 疾走感があり、ライブで盛り上がる。ギターリフがシンプルで覚えやすい
Official髭男dism Pretender 現代のバンド定番。ボーカル難度は高いがキーを下げれば対応可能

メンバーの集め方 — 一人で悩まない

バンドメンバーが見つからないと悩んでいるなら、探す場所を広げてみよう。コピーバンドのメンバーを見つける主なルートを紹介する。

音楽サークルに参加する

東京なら「つなげーと」にバンド系サークルの登録が2,329人、「とうばん(東京社会人軽音楽サークル)」は参加者の90%が1人参加だ。「スクランブルポイント東京」はJ-POPカバー・ジャムセッション・コピーの3タイプを運営していて、自分に合ったスタイルを選べる。

サークルの良いところは、1人で参加しても浮かないこと。全員が同じ目的で来ているから、「メンバー募集中です」と言いやすい空気がある。

募集サイト・アプリを使う

Memboのようなメンバー募集サイトなら、エリア・パート・ジャンルで検索できる。外国人メンバーとバンドを組みたい場合は、8言語対応のリアルタイム翻訳チャットが使えるMemboが便利だ。

職場・学校の掲示板

社会人バンドなら、会社のイントラネットや部活動・同好会の掲示板も意外と有効だ。練習場所やスケジュールが合わせやすいのが大きなメリットになる。

効率的なスタジオ練習法 — 3時間を無駄にしない

リハーサルスタジオで演奏するバンドメンバー
スタジオは1時間あたり1,800〜3,000円。限られた時間を最大限に活かそう

練習スタジオの選び方は別記事で詳しく解説しているが、ここではスタジオに入ってからの効率的な練習の流れを紹介する。バンド練習のスタジオ料金は1時間あたり1,800〜3,000円、個人練習なら400〜880円/人/時間が相場だ(バンド活動にかかるお金の詳細はこちら)。

3時間練習の理想的な流れ

時間 内容 ポイント
最初の30分 セッティング + 音出し + 軽いウォーミングアップ 音量バランスをここで決める。ドラムが基準
30分〜1時間 通し練習(セットリスト順に1回通す) 止まらずに最後まで通す。ミスしても先に進む
1時間〜2時間 部分練習(課題箇所を集中的に反復) イントロ、ブリッジ、アウトロなど崩れやすい部分を重点的に
2時間〜2時間半 再度通し練習(改善を確認) できればスマホで録音。客観的に聴き返すと発見がある
残り30分 新曲の合わせ・次回の課題確認・片付け 次回までの個人練習ポイントを全員で共有する

最大のコツは「個人練習をスタジオでやらない」こと。自分のパートは自宅で完璧に仕上げてからスタジオに入る。スタジオはアンサンブル(合わせ)の場だ。個人練習は個人練習枠(1人400〜880円)を使おう。

耳コピ・楽譜ツール — テクノロジーを味方につける

コピーバンドの練習に欠かせないのが、原曲の音を聴き取る「耳コピ」と楽譜(バンドスコア)だ。最近はAI技術の進化で、強力なツールが揃っている。

ツール名 主な機能 料金
YAMAHA Extrack AI音源分離 + コード解析 + コード押さえ方表示 + テンポ/キー変更(2025年3月リリース) 無料(月5曲まで)/ 月額900円
Moises AI音源分離(ボーカル/ギター/ベース/ドラム)。特にベース分離の精度が高い 無料(制限あり)/ 月額約600円
ぷりんと楽譜(ヤマハ) 公式バンドスコアのダウンロード購入 1曲108円〜
@ELISE 絶版楽譜もデジタル配信。レア曲に強い 1曲110円〜
Piascore 30万曲以上のデジタル楽譜ストア。IPAdでの閲覧に最適化 無料〜(曲による)

特におすすめなのがYAMAHA Extrackだ。2025年3月にリリースされたばかりのこのアプリは、AIが楽曲を各パートに分離し、さらにコード進行まで自動解析してくれる。コードの押さえ方(ダイアグラム)まで表示されるので、初心者でも耳コピのハードルが大幅に下がる。月5曲までは無料で使えるので、まずは試してみてほしい。

Moisesはベーシストに特に人気がある。ベースラインは原曲の中で聴き取りにくいパートだが、Moisesの音源分離を使えばベースだけを抜き出して聴ける。耳コピの効率が劇的に上がる。

著作権の話 — コピーバンドは合法なのか?

コピーバンドを始めようとすると、必ず出てくるのが「著作権大丈夫?」という疑問だ。結論から言えば、大多数のケースで問題ない。ただし、仕組みを正しく理解しておくことが大切だ。

ライブハウスでの演奏 — JASRACが味方

日本のライブハウスの大多数は、JASRACと「包括契約」を結んでいる。この契約により、JASRAC管理楽曲であれば、演奏者は著作権料を気にせずコピー曲を演奏できる。著作権料はライブハウス側が支払い、演奏者の負担はゼロだ。

ライブ後、ライブハウスはセットリスト(演奏した曲のリスト)をJASRACに報告する。これにより、原曲のアーティストに正当な対価が支払われる仕組みだ。

学園祭・文化祭での演奏

著作権法第38条により、非営利・無報酬・入場無料の3条件を満たせば、許可なく楽曲を演奏できる。学園祭や文化祭はこの条件に当てはまるケースがほとんどだ。

注意が必要なケース

「コピー曲禁止」を掲げるライブハウスがごくまれにある。これはJASRACと包括契約を結んでいない可能性がある。そういった会場は避けた方が無難だ。また、演奏の録音・録画をYouTubeなどにアップロードする場合は別途ライセンスが必要になるので注意しよう。

ライブに出よう — コピーバンド限定イベントという選択肢

観客で埋まったライブハウスの風景
コピーバンド限定イベントなら、初心者でも気負わずステージに立てる

練習を重ねたら、いよいよライブハウスに出演してみよう。いきなりワンマンライブは敷居が高いが、コピーバンド限定のイベントなら初心者でも参加しやすい。

イベント名 特徴 開催情報
スタジオペンタ「こぴばんフェス」 初心者歓迎・オヤジバンド歓迎を明言。アットホームな雰囲気 毎月最終日曜日開催
季節のコピバンフェス 10代〜60代まで幅広い年齢層が参加。規模は大小さまざま 春・夏・秋・冬に定期開催
コピバン祭り 渋谷La.mama、下北沢Shelterなど有名ライブハウスで開催 不定期(各会場のスケジュールを確認)

コピーバンド限定イベントの良いところは、出演者全員が「人の曲をやっている」という共通点があること。オリジナル曲のイベントだと「曲の完成度」で比較されがちだが、コピバンフェスでは「あのバンド、選曲のセンスいいね」「完コピの精度すごいね」という評価軸になる。

初ライブのコツは3つ。曲数は3〜4曲に絞ること(長すぎると集中力が切れる)、MCは短く(バンド名と次の曲名だけでいい)、とにかく楽しんでいる姿を見せること(技術のミスは観客の半分以上が気づかない)。

コピーバンドから始まる音楽人生

夕暮れのステージで演奏するバンドのシルエット
コピーバンドで培った経験は、オリジナル曲の創作にも必ず活きてくる

俺は20代のコピーバンドから始まり、BluesやSoulのルーツミュージックに目覚め、カバーすることにも面白さを憶え、自主LPを創った。今は、コピーというよりは、カバーする感覚が好きだけど、コピーはすべての始まりだった。コピーバンドで培った耳、リズム感、メンバーとの呼吸の合わせ方。その全てが、俺の音楽人生の土台になっている。

コピーバンドは「入り口」であると同時に、一生楽しめる音楽の形でもある。好きな曲を仲間と一緒に演奏する。それ以上にシンプルで、それ以上に楽しいことはそうそうない。

まだメンバーが見つからないなら、Memboでバンドメンバーを探してみよう。エリア・パート・ジャンルで検索できるから、あなたにぴったりの仲間がきっと見つかる。さあ、スタジオの予約を取ろう。

ページトップへ戻る
メンボ
Membo
What's MEMBO!?
Membo App
ホーム画面に追加
最新のお知らせ
利用規約
プライバシーポリシー
運営会社
ヘルプ・サポート
データ削除
プッシュ通知の使い方
メンバー募集一覧
ブログ
探す!