札幌でバンドメンバーを探す方法 — すすきの・大通・北24条の音楽シーン完全ガイド
正直に言う。私は札幌に行ったことがない。
だからこそ、この記事は徹底的に調べて書いた。ライブハウスの営業状況、スタジオの料金、セッションバーの雰囲気 — すべてWeb上で裏を取り、閉業した会場は1軒も載せていない。行ったことがないからこそ、想像で書くわけにはいかない。
ただ、札幌の音楽シーンへの敬意はある。サカナクション、eastern youth、bloodthirsty butchers — 札幌から生まれたバンドには、凍てつく冬の空気の中で研ぎ澄まされたような、独特の鋭さと深みがある。あの音は、この街でなければ生まれなかったはずだ。
60代の今もベーシストを探し続けている私が言えるのは、バンドメンバーとの出会いは場所を選ばないということ。東京だろうと札幌だろうと、探し続ける人のところに仲間は現れる。
札幌でバンドメンバーを探す5つの方法
札幌でバンドメンバーを探す方法は、基本的には他の都市と同じ5つのルートがある。ただし、札幌ならではの事情もある。
1. メンバー募集サイト・アプリを使う
Memboのメンバー募集ページなら、地域を「北海道」「札幌」で絞り込める。8言語対応なので、札幌在住の外国人ミュージシャンとも繋がれる。冬場は移動が大変な分、事前にオンラインで相性を確認できるのは大きい。
2. ライブハウスに通う
札幌のライブハウスは、すすきの・大通・狸小路エリアに集中している。地下鉄南北線と東西線でほぼカバーできるので、東京のように電車で1時間かけて移動する必要がない。
3. ジャムセッションに参加する
札幌にはジャズ・ブルース系のセッションバーが根付いている。楽器を始めたばかりの人でも飛び込めるセッションがあるので、後述のセッションスポットをチェックしてほしい。
4. スタジオの掲示板を見る
札幌の練習スタジオには東京の大手チェーン(ノア、ペンタ、246)が進出していない。その代わり、地元密着型のスタジオが独自のコミュニティを築いている。掲示板やSNSでメンバー募集を出しているバンドも多い。
5. 楽器店のイベントに顔を出す
島村楽器やイシバシ楽器の札幌店では、ワークショップやセッションイベントを開催していることがある。バンドメンバーを見つける基本的な方法と組み合わせて、複数のルートを同時に使うのがコツだ。
札幌のライブハウス8選 — エリア別ガイド
札幌のライブハウスシーンの中心は、すすきの〜大通〜狸小路エリア。地下鉄南北線と東西線の交差点に位置し、徒歩圏内に複数の会場がある。ブッキングライブへの出演方法はライブハウスに出演する方法の記事で詳しく解説している。
すすきの・中島公園エリア(4会場)
1. BESSIE HALL(ベッシーホール)
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 住所 | 札幌市中央区南4条西6丁目 晴ればれビル1F・B1 |
| キャパシティ | 約250人 |
| 開業 | 1990年 |
| 特徴 | フラットフロアでステージとの距離が近い。ロック/パンク/ポップス/ジャズと幅広いジャンルに対応。音響の良さに定評 |
2. SPiCE(スパイス)
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 住所 | 札幌市中央区南8条西4丁目 |
| キャパシティ | 約400人 |
| 開業 | 旧DUCE(2019年にSPiCEへ改称) |
| 特徴 | ホテル地下のライブハウス/クラブ。ロック/J-POP/ヒップホップ/EDMとオールジャンル対応の大型会場 |
3. Zepp Sapporo(ゼップ サッポロ)
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 住所 | 札幌市中央区南9条西4-4(中島公園駅 徒歩1分) |
| キャパシティ | 2,009人(スタンディング)/ 723人(着席) |
| 開業 | 1998年 |
| 特徴 | Zeppホールネットワーク系列。メジャーアーティストのツアー会場。「いつかここに立つ」という目標になる場所 |
4. STORMY MONDAY(ストーミーマンデー)
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 住所 | 札幌市中央区南6条西3丁目6-27 おおたビル5F(豊水すすきの駅 徒歩3分) |
| ジャンル | 60〜70年代ブルース/ロック専門 |
| 特徴 | ステージにドラム・ギター・ベース・キーボード常設。飛び入りジャムセッション可能。ブルースとロックを愛する人の溜まり場 |
大通・狸小路エリア(2会場)
5. Sound Lab mole(サウンドラボ モール)
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 住所 | 札幌市中央区南3条西2-14 ニコービルB1F(狸小路2丁目) |
| キャパシティ | 450人 |
| 特徴 | 狸小路アーケード内の大型ライブハウス。バンド/ヒップホップ/レゲエ/アイドルとオールジャンル対応 |
6. SOUND CRUE(サウンドクルー)
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 住所 | 札幌市中央区大通東2丁目15-1-2(バスセンター前駅 徒歩1分) |
| キャパシティ | 150人 |
| 開業 | 1999年(2006年移転リニューアル) |
| 特徴 | 地元バンドからツアーバンドまで幅広く受け入れる中規模会場。ホールレンタルにも対応 |
北区・その他エリア(2会場)
7. PENNY LANE 24(ペニーレーン ニジュウヨン)
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 住所 | 札幌市西区二十四軒4条5丁目5-21 W'Sビル |
| キャパシティ | 約400人 |
| 開業 | 1982年すすきので開業、1990年現在地に移転 |
| 特徴 | 札幌を代表する老舗ライブハウス。40年以上の歴史を持ち、数えきれないバンドがこのステージを踏んできた。ロック/ポップス中心 |
8. SPIRITUAL LOUNGE(スピリチュアルラウンジ)
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 住所 | 札幌市北区(北18条駅 徒歩3分) |
| キャパシティ | 120人(スタンディング)/ 60人(着席) |
| 開業 | 2025年5月復活(2021年に一度閉店) |
| 特徴 | 若手アーティストの登竜門。一度閉店から復活した、インディーズ/オルタナティブ系の聖地 |
KLUB COUNTER ACTION(クラブカウンターアクション)
狸小路エリア(南3条西2丁目)にあるラウド/ロック系に強い会場(約150人)。国内外のアーティストが出演し、定期イベント「TEDDY BOY NITE」でも知られる。上記8会場と合わせてチェックしてほしい。
練習スタジオ — 東京大手チェーンなし、だからこそ面白い
札幌には、東京で馴染みのあるサウンドスタジオノア、スタジオペンタ、スタジオ246 — いずれも進出していない。東京のスタジオ選びとは事情が違う。
しかし、地元密着型のスタジオには大手チェーンにはない魅力がある。常連同士の繋がりからメンバーが見つかることも珍しくない。
パワースレイブスタジオ(POWER SLAVE STUDIO)
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 住所 | 札幌市中央区南4条西1丁目 グランドパレス2F |
| アクセス | 地下鉄南北線 豊水すすきの駅1番出口 目の前 |
| 営業時間 | 10:00〜24:00 |
| 料金 | 1名1時間 400円〜(会員)/ 500円〜(一般) |
| 特徴 | Sスタジオはライブハウスのステージに似た広さ+一面鏡で本番リハ向き。すすきの駅前の好立地で仕事帰りにも通いやすい |
スタジオカディス(STUDIO Caddis)
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 住所 | 札幌市東区苗穂町2丁目3 |
| アクセス | JR苗穂駅 徒歩約10分 |
| 営業時間 | 平日13:00〜翌1:00 / 土日祝10:00〜翌1:00 |
| 料金 | リーズナブル(公式サイトに料金表あり) |
| 特徴 | 全15部屋(最大30畳〜最小9畳)、札幌最大級のスタジオ数。無料駐車場完備 — 車移動が多い北海道では大きなメリット |
札幌 vs 東京 スタジオ料金比較
| 項目 | 札幌 | 東京 |
|---|---|---|
| 個人練習(1時間) | 400〜600円 | 700〜1,100円 |
| バンド練習(1時間) | 1,200〜2,000円 | 2,200〜3,500円 |
| 駐車場 | 無料の場合あり | 有料(30分300〜500円) |
| 深夜利用 | 翌1時まで営業あり | パック料金で対応 |
バンド活動にかかるお金を考えると、札幌のスタジオ代は東京の約半額。浮いたお金を機材やライブ出演に回せるのは大きなアドバンテージだ。
ジャムセッションスポット — 冬の夜を熱くする場所
札幌のセッションシーンは、ジャズ・ブルースが中心。長い冬の夜を音楽で過ごす文化が根付いている。
D-Bop Jazz Club(ディーバップ ジャズクラブ)
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 住所 | 札幌市中央区南1条西19丁目291番地 山晃ハイツB1F |
| アクセス | 地下鉄東西線 西18丁目駅1番出口 徒歩3分 |
| ジャンル | ジャズ / ファンク / ソウル / ブルース |
| セッション | 毎月第2水曜ファンクセッション / 毎月第3日曜 王道セッション / 毎月最終日曜ジャズボーカルセッション |
| 参加料 | 1,000〜2,000円(+1オーダー) |
北海道唯一の本格ファンクセッションがある。プロからアマまで参加可能で、ボーカルや上物は譜面持参でジャズ以外の曲もOK。
STORMY MONDAY(ストーミーマンデー)
前述のライブハウス紹介でも触れたが、ここはブルース&ロック専門のセッションバーでもある。ステージにドラム・ギター・ベース・キーボードが常設されており、飛び入りで演奏できる。営業は18:00〜24:00(日曜・祝日定休)。
Jass915(ジャス ナインワンファイヴ)
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 住所 | 札幌市中央区南7条西4丁目 第2北海アバンティビル5F |
| ジャンル | ジャズ(ビギナーズセッション、ボーカルセッション、ビッグアンサンブル等) |
| セッション | 毎日ジャムセッション参加OK |
| 参加料 | ライブチャージ1,500〜3,000円(+1ドリンク) |
毎日セッションに参加できるのは札幌では貴重。ビギナーズセッションもあるので、バンド初心者のステップアップにも使える。
札幌出身・北海道ゆかりのアーティスト
北海道は日本のロック史に欠かせないアーティストを数多く輩出してきた。札幌で結成されたバンド、そして北海道各地から音楽の道を志した人たち。
札幌で結成・活動したバンド
| アーティスト | 出身・結成地 | 代表曲・特徴 |
|---|---|---|
| サカナクション | 札幌市で結成(Vo.山口一郎は小樽市出身) | 「新宝島」「アイデンティティ」。エレクトロとロックの融合 |
| eastern youth | 札幌市(1988年結成) | 日本のインディーロックの重鎮。感情を削り出すようなサウンド |
| bloodthirsty butchers | 留萌市出身、札幌で結成 | ノイジーで叙情的。2013年に吉村秀樹が急逝、伝説となった |
| THE BOYS&GIRLS | 札幌市 | Zepp Sapporoでワンマン「少年少女の札幌から」。札幌の今を鳴らすバンド |
北海道出身のアーティスト
| アーティスト | 出身地 | 代表曲・特徴 |
|---|---|---|
| GLAY | 函館市 | 「HOWEVER」「誘惑」。20万人ライブの伝説。北海道が生んだ最大のロックバンド |
| YUKI(JUDY AND MARY) | 函館市 | 「そばかす」「Over Drive」。ソロでも第一線で活躍し続ける |
| 中島みゆき | 札幌市生まれ(育ちは帯広市) | 「糸」「地上の星」。日本のシンガーソングライターの頂点 |
| 玉置浩二(安全地帯) | 旭川市 | 「ワインレッドの心」「田園」。日本屈指のボーカリスト |
| 松山千春 | 足寄郡足寄町 | 「大空と大地の中で」。北海道の大地そのものを歌にした人 |
札幌からGLAYやサカナクションのような国民的バンドが生まれている事実は、この街の音楽シーンのポテンシャルを物語っている。次にこの街から生まれるバンドは、今あなたが組むバンドかもしれない。
札幌でのバンド活動コスト
| 項目 | 月額目安 | 備考 |
|---|---|---|
| スタジオ代(月4回) | 4,800〜8,000円 | 東京の約半額 |
| ライブ出演(月1回) | 3,000〜10,000円 | チケットノルマ制が一般的 |
| 交通費 | 2,000〜5,000円 | 地下鉄+バス。車なら駐車場無料のスタジオも |
| 機材維持 | 2,000〜5,000円 | 弦・ピック・ドラムヘッド等 |
| 合計 | 11,800〜28,000円 | 東京より3〜4割安い |
札幌のバンド活動コストは東京の3〜4割安い。特にスタジオ代が大きく、個人練習なら1回400円から。バンド活動にかかるお金のリアルと比べると、その差は歴然だ。
札幌ならではのバンド活動事情
冬の移動問題
11月〜3月は雪と路面凍結で移動が大変になる。練習の集合時間に余裕を持つ、地下鉄沿線のスタジオを選ぶ、冬場は練習頻度を減らす代わりに個人練習を増やす — 札幌バンドマンならではの工夫が必要だ。
車社会のメリット
北海道は車社会。スタジオカディスのように無料駐車場があるスタジオなら、機材を車に積んで直接乗り付けられる。東京では考えられない贅沢だ。ライブの機材搬入もスムーズ。
コンパクトな音楽エリア
ライブハウスもスタジオもセッションバーも、ほぼすべてが地下鉄圏内に収まっている。東京のように渋谷・下北沢・吉祥寺・新宿と散らばっていないので、1日で複数のライブハウスをハシゴすることもできる。
まとめ — 北の大地で、仲間を見つける
私は札幌に行ったことがない。だから「あのライブハウスの音が最高だった」とか「あのスタジオの店主が気さくだった」とか、体験談は語れない。
でも、バンドメンバーが見つからないと悩んでいる人に言えることがある。探し続けてさえいれば、必ず出会いはある。それは東京でも札幌でも同じだ。60代の今もドラマーやベーシストを探し続けている私が、身をもって証明している。
札幌には、40年以上の歴史を持つPENNY LANE 24がある。一度閉店しても復活したSPIRITUAL LOUNGEがある。毎晩セッションができるJass915がある。そして何より、サカナクションやeastern youthを生み出した、音楽への情熱がある。
Memboのメンバー募集ページで、札幌の仲間を探してみよう。国籍も年代も関係ない。音が合えば、それでいい。
