バンドメンバー募集の手段は増えた — でも「どれを使えばいいか」がわからない
バンドメンバーを探す方法は、この10年で劇的に変わった。昔はリハーサルスタジオの掲示板にチラシを貼り、ライブハウスの打ち上げで声をかけ、楽器店の張り紙を頼りにするしかなかった。今はスマホひとつで全国のメンバー募集を検索し、気になる相手にメッセージを送れる。
便利になったのは間違いない。だが、サービスが増えすぎて「結局どれを使えばいいのかわからない」という声をよく聞く。かつて人気だったwith9は2023年にサービスを終了し、今は新旧のサービスが入り混じった状態だ。
この記事では、2026年現在で実際に使えるバンドメンバー募集サイト・アプリを6つ取り上げ、料金・多言語対応・検索機能・外国人対応など8項目で徹底比較する。私はMemboの運営者でもあるから完全に中立な比較とは言えないかもしれないが、嘘はつかない。各サービスの強みも弱みも正直に書く。
バンドメンバーが見つからない人の共通点でも書いたが、どのサービスを選ぶかより、「動き出すこと」の方がはるかに大事だ。この記事を読んで、あなたに合うサービスを見つけてほしい。
1. OURSOUNDS — 国内最大級の老舗募集サイト
特徴・強み
OURSOUNDSは、国内最大級のバンドメンバー募集サイトだ。月間約65万人が訪れるという圧倒的な母数が最大の武器で、「とにかく多くの候補者の中から探したい」という人には最有力の選択肢になる。
私自身もOURSOUNDSを使ったことがある。母数の多さは圧倒的で、都内であればジャンルやパートを絞っても十分な数の募集が見つかる。地方でも、大阪・名古屋・福岡クラスの都市なら選択肢がある。
料金・言語・検索
- 料金: 完全無料
- 対応言語: 日本語のみ
- 検索機能: ジャンル・パート・地域(都道府県)で検索可能。掲示板型で、新しい投稿が上に表示される
こんな人に向いている
日本語ネイティブで、国内最大級の母数から効率よく探したい人。特に東京・大阪・名古屋など大都市圏での検索に強い。
注意点
日本語のみの対応なので、外国人メンバーとの出会いには向かない。掲示板型のため、古い投稿が埋もれやすく、こまめなチェックが必要だ。エリア別の探し方と組み合わせると効率が上がる。
2. bandcrew — シンプルで使いやすい掲示板
特徴・強み
bandcrewは、シンプルな操作性が魅力のバンドメンバー募集掲示板だ。余計な機能がなく、「募集を出す → 見る → 連絡する」の流れが直感的でわかりやすい。バンド募集に特化しているので、初めてバンドメンバーを探す人でも迷わず使える。
料金・言語・検索
- 料金: 完全無料
- 対応言語: 日本語のみ
- 検索機能: 地域・パート・ジャンルで検索可能。シンプルな掲示板形式
こんな人に向いている
とにかく手軽に、サクッとメンバー募集を出したい・探したい人。複雑な機能は不要で、「まず試してみたい」という人にちょうどいい。
注意点
OURSOUNDSに比べると投稿数は少なめだ。地方ではヒットが少ない場合がある。日本語のみの対応。
3. BandMix.jp — 海外発のマッチング型サービス
特徴・強み
BandMix.jpは、アメリカ発のバンドメンバーマッチングサービスの日本版だ。世界各国にローカライズ版があり、UIは7言語に対応している。プロフィールを充実させて、マッチング形式でメンバーを探す仕組みで、外国人メンバーとバンドを組みたい人にも選択肢のひとつになる。
料金・言語・検索
- 料金: 閲覧は無料、メッセージ送信には月額課金が必要(有料会員制)
- 対応言語: UIは7言語対応
- 検索機能: ジャンル・パート・地域で検索可能。プロフィール型
こんな人に向いている
海外のバンドメンバーとも繋がりたい人。英語圏のミュージシャンが登録している場合がある。
注意点
メッセージ送信が有料という点が最大のネックだ。「気になる人を見つけたけど、連絡するのにお金がかかる」という心理的ハードルは高い。また、日本国内のユーザー数はOURSOUNDSやbandcrewに比べると少なめだ。
4. ジモティー — 地域密着の総合掲示板
特徴・強み
ジモティーは、不用品売買や地域の情報交換で知られる総合掲示板だ。バンドメンバー募集専用のサービスではないが、「メンバー募集」カテゴリがあり、地域密着型で近所のメンバーを探すのに向いている。地図検索もできる。
料金・言語・検索
- 料金: 完全無料
- 対応言語: 日本語のみ
- 検索機能: 地域(市区町村レベル)で絞り込み可能、地図検索あり
こんな人に向いている
「とにかく近所で一緒にやれる人が欲しい」という人。練習スタジオも近くにある方が続けやすいから、地理的な近さを最優先にするなら合理的な選択だ。
注意点
バンド専用サービスではないので、音楽以外の投稿に埋もれやすい。「メンバー募集」カテゴリの中でも、軽音サークル・合唱・カラオケ仲間など、バンドとは異なる募集も混在している。ジャンルやパートで細かく絞り込む機能はバンド専門サイトほど充実していない。
5. SNS(X、Instagram等)— 拡散力は最強
特徴・強み
X(旧Twitter)やInstagramでの「#バンドメンバー募集」「#メン募」ハッシュタグ検索は、今や定番の手段だ。拡散力は全サービス中最強で、フォロワーのリツイート・シェアから思わぬ出会いが生まれることがある。演奏動画を投稿すれば、自分の音楽性を直接伝えられるのも大きい。
料金・言語・検索
- 料金: 完全無料
- 対応言語: 多言語(プラットフォーム自体が国際的)
- 検索機能: ハッシュタグ検索のみ。バンド専用のフィルタ機能はない
こんな人に向いている
既にSNSで音楽活動を発信している人。フォロワーがいれば拡散力を活かせる。コピーバンドの演奏動画を投稿して、同じ趣味の人に見つけてもらうパターンも多い。
注意点
バンドメンバー募集専用の機能は一切ない。パートやジャンルで体系的に検索できないし、投稿は瞬時にタイムラインの下に流れていく。フォロワーが少ないと拡散効果はほぼゼロだ。また、DMでのやり取りに抵抗がある人も多い。
6. Membo — 8言語対応・翻訳チャット付きの多言語プラットフォーム
特徴・強み
Memboは、8言語対応・完全無料のバンドメンバー募集プラットフォームだ。日本語・英語・中国語・韓国語・ベトナム語・ネパール語・ヒンディー語に対応し、リアルタイム翻訳チャットで言語が違う相手ともスムーズにやり取りできる。
地図検索・駅指定検索に対応しており、「渋谷駅から30分以内」のような探し方ができる。7,000件以上の募集情報を掲載しており、ジャンル・パート・地域・年齢層など細かいフィルタで絞り込める。プッシュ通知で新着募集を逃さない。
料金・言語・検索
- 料金: 完全無料(全機能利用可能)
- 対応言語: 8言語(日/英/中/繁中/韓/越/ネパール/ヒンディー)
- 検索機能: ジャンル・パート・地域・地図検索・駅指定検索・年齢層フィルタ対応
こんな人に向いている
外国人メンバーとバンドを組みたい人、日本に住んでいてバンド仲間を探している外国人。翻訳チャットがあるので、「英語が苦手だけど外国人メンバーと組んでみたい」という日本人にも向いている。もちろん日本人同士のメンバー探しにも普通に使える。
正直に書く弱点
私はMemboの運営者だから、弱点も正直に書く。会員数はまだ少ない。OURSOUNDSの月間65万人には遠く及ばない。2026年1月に公開したばかりのサービスだ。「登録したけど近くに募集がない」ということは十分にあり得る。
でも、だからこそ今登録してくれる人は最初の仲間だ。サービスは使う人が増えるほど価値が上がる。「良さそうだけど人が少ないから使わない」と全員が思ったら、どんなサービスも育たない。ベーシスト募集で苦労した私の経験から言えば、「待つ」より「自分から動く」方がはるかに早い。
一覧比較表 — 8項目で一目瞭然
ここまで紹介した6サービスを、8つの項目で比較表にまとめた。
| Membo | OURSOUNDS | bandcrew | BandMix.jp | ジモティー | SNS | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 料金 | 完全無料 | 無料 | 無料 | 一部有料 | 無料 | 無料 |
| 多言語対応 | 8言語 | 日本語のみ | 日本語のみ | 7言語UI | 日本語のみ | 多言語 |
| 翻訳チャット | あり | なし | なし | なし | なし | なし |
| 地図検索 | あり | なし | なし | なし | あり | なし |
| 駅指定検索 | あり | なし | なし | なし | なし | なし |
| 募集数 | 7,000+ | 多数 | 中規模 | 少数 | 多数(雑多) | --- |
| プッシュ通知 | あり | なし | なし | なし | あり | あり |
| 外国人対応 | ◎ | △ | △ | ○ | △ | ○ |
目的別おすすめ — あなたに合うサービスはこれ
日本語ネイティブで国内最大級の母数が欲しい
→ OURSOUNDS。月間65万人の圧倒的なユーザー数は、他のどのサービスにもない武器だ。東京・大阪・名古屋なら、ジャンルやパートを絞っても十分な候補が見つかる。
外国人メンバーと組みたい / 外国人が日本でメンバーを探す
→ Membo。8言語対応とリアルタイム翻訳チャットは、他のどのサービスにもない。言葉の壁を超えてメッセージをやり取りできるのはMemboだけだ。
とにかく手軽にサクッと
→ bandcrew。シンプルな操作性で迷わない。「まず募集を出してみたい」というバンド初心者にもおすすめ。
近所で探したい
→ ジモティー。市区町村レベルで絞り込めるので、「自転車で通える距離の人」を探すなら強い。ただし音楽以外の投稿に埋もれやすい点は覚悟しよう。
海外のメンバーとも繋がりたい
→ BandMix.jp。世界各国にローカライズ版があるので、海外ミュージシャンとの接点がある。ただしメッセージ送信が有料なのがネックだ。
拡散力を活かしたい
→ SNS + Membo併用。SNSで演奏動画を拡散しつつ、Memboで体系的に募集を出す。両方の良いところを組み合わせるのがベストだ。
併用のすすめ — ひとつに絞らなくていい
実は、ひとつのサービスだけに限定する必要はまったくない。むしろ併用した方がメンバーが見つかる確率は上がる。
私のおすすめは、OURSOUNDSで国内の母数を押さえつつ、Memboで外国人を含む幅広い出会いを狙い、SNSで自分の音楽性を発信するという3本立てだ。
どのサービスも無料(BandMix.jpを除く)だから、登録だけしておいて損はない。ドラマーが見つからない、ベーシストが見つからないと悩んでいるなら、窓口は多い方がいい。「ここにしかいない人」が、どのサービスにもいる。
筆者の正直な話
私はMemboの運営者だから、「Memboが一番いい」と言いたい気持ちはもちろんある。でも、正直に言えば今の段階ではOURSOUNDSの方が国内での母数は圧倒的に多い。日本語ネイティブ同士でバンドメンバーを探すなら、OURSOUNDSを外す理由はない。
だが、私がMemboを作った理由は母数の勝負ではない。外国人メンバーとセッションした時の興奮は、言語の壁を超えた先にしかない。音楽は言葉がなくても通じる。でもバンドを組むには「いつ、どこで、何時に集合」くらいは伝え合わないといけない。その壁を壊すために翻訳チャットを作った。
Memboの会員はまだ少ない。でもだからこそ、今登録してくれる人は最初の仲間だ。一緒にこのプラットフォームを育ててほしい。あなたの募集がきっかけで、日本のどこかの外国人ミュージシャンが「これだ!」と感じるかもしれない。
どのサービスを使うにせよ、ライブハウスに出演する方法や練習スタジオの選び方も合わせて読んでおくと、メンバーが見つかった後の動きがスムーズになる。バンドは「見つける」がゴールじゃない。「一緒に音を出す」がスタートだ。
