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ジャムセッションの始め方 — 初心者でも飛び込めるセッションバー入門

2026/04/05

セッションバーの基本から、初心者の準備・定番曲・東京や全国の人気セッション開催店・マナーまでを完全解説。60代の現役バンドマンが吉祥寺・曼荼羅での実体験をもとに語る、ジャムセッション入門の決定版ガイド。

音一つで通じた夜 — セッションが私の原点

薄暗いジャズバーのステージとスポットライト
小さなステージに立つ。名前も知らない誰かと、音だけで会話する

20代の頃、吉祥寺・曼荼羅に入り浸っていた。あのビルの地下に降りると、煙草の煙とビールの匂いが混ざった空気に包まれる。ステージには知らない顔のギタリストがいて、ドラマーがブラシでスネアを撫でている。私はギターケースを開け、チューニングを確認して、ホストに「入っていい?」と目で合図する。頷き一つ。キーはA。12小節のブルース。

イントロが始まった瞬間、言葉は要らなくなった。相手の名前も年齢も職業も知らない。でも、あのAのコードを鳴らした瞬間に、私たちは「一つ」になった。

福生のUZUでもそうだった。米軍基地の街で、アメリカ人のベーシストとブルースを弾いた夜がある。言葉はほとんど通じない。でも12小節のターンアラウンドでは息がぴったり合った。「国籍も性別も年代も関係なく、音一つで通じるsessionやバンドをずーっとやって一生終えたい」 — これは私の座右の銘だが、この言葉はあの夜に生まれた。

60代になった今も、その気持ちは変わらない。セッションは音楽の原点だ。バンドを組む前に、まずセッションに行ってほしい。そこにはあなたの音楽人生を変える出会いが待っている。

初心者がバンドに入るための完全ガイド」でバンド活動の全体像を掴んだあなたに、次のステップとしてジャムセッションの世界をお伝えしたい。

ジャムセッションとは? — バンドとの違いを理解する

複数のミュージシャンがステージでジャムセッションしている様子
セッションには台本がない。その場で生まれる音楽こそが醍醐味

ジャムセッションとは、その場に集まったミュージシャンが即興で一緒に演奏することだ。バンドのように固定メンバーで決まった曲を練習するのとは根本的に違う。

バンドとセッションの違い

項目 バンド ジャムセッション
メンバー 固定 毎回変わる
事前に決めて練習 その場で決める
アレンジ 練り込む 即興が中心
練習頻度 週1〜月2回のスタジオ 行きたい時にふらっと
目的 ライブ・作品制作 演奏を楽しむ・腕を磨く・出会い
ハードル メンバー集めが必要 1人で参加できる

セッション最大のメリットは、1人で行って、その場で音楽仲間ができること。「バンドで最初に合わせる曲」を探す前に、セッションで色々な人と音を合わせてみるのも一つの手だ。

セッションの種類

一口にジャムセッションと言っても、実はいくつかの種類がある。

種類 特徴 定番曲の例 初心者おすすめ度
ブルースセッション 12小節のブルース進行が基本。キーを決めれば誰でも参加できる Key of A / Stormy Monday ★★★★★
ロックセッション 有名ロックナンバーを皆で演奏。曲を知っていれば参加可能 Johnny B. Goode / Route 66 ★★★★☆
ジャズセッション スタンダード曲のコード進行をベースに即興。理論知識があると楽 Autumn Leaves / Fly Me to the Moon ★★★☆☆
ファンク/ソウルセッション グルーヴ重視。リズム隊の安定感が求められる Cissy Strut / Superstition ★★★☆☆
オープンマイク 弾き語りやソロ演奏も可。セッションより個人演奏寄り 自由(持ち曲OK) ★★★★★

初心者にはブルースセッションが断然おすすめ。理由は簡単で、12小節のブルース進行さえ覚えれば、キーを合わせるだけで全員が一緒に演奏できるからだ。コード3つ(A7, D7, E7など)で成立する。理論を深く知らなくても、身体で覚えられる。

セッションバーとは? — ライブハウスとの違い

東京のライブハウス」の記事でライブハウスの世界を紹介したが、セッションバーはそれとはまったく異なる空間だ。

セッションバーの基本

セッションバーとは、常設のステージとPA機材があり、定期的にジャムセッションを開催しているバーのこと。お客さんとして飲みに来ている人も、楽器を持ってきた人も、同じ空間で音楽を楽しむ。

項目 ライブハウス セッションバー
出演方法 ブッキング(事前予約) 当日飛び込みOK
出演料 チケットノルマあり(3〜5万円) 参加費1,500〜3,000円 + 1ドリンク
演奏形態 バンド単位 個人参加・即興
客層 出演バンドの知人が中心 ミュージシャン+音楽好きの常連
雰囲気 フォーマル(ステージ vs 客席) カジュアル(境界があいまい)
予約 出演は数週間〜数ヶ月前 不要(当日参加OK)

セッションバーの魅力は圧倒的に敷居が低いこと。「ライブハウスに出演する方法」で紹介したようなブッキングやチケットノルマの壁がない。参加費とドリンク代だけで、プロもアマも関係なくステージに立てる。

参加費の相場

形態 参加費 ドリンク 合計目安
セッションバー(通常) 1,500〜2,500円 1ドリンク(500〜800円) 2,000〜3,300円
セッションバー(プロホスト) 2,500〜3,500円 1ドリンク 3,000〜4,300円
ライブハウスのセッションイベント 1,500〜2,000円 別途 2,000〜3,000円
オープンマイク 無料〜1,000円 1ドリンク 500〜1,800円

練習スタジオの選び方」で紹介したスタジオ個人練習(1時間500〜1,000円)と比べると少し高いが、生のミュージシャンと即興で合わせる経験はスタジオの個人練習では絶対に得られない。この2,000〜3,000円は「授業料」ではなく「ライブ体験」だと思ってほしい。

初心者がセッションに参加するための準備

ギターを練習するミュージシャンの手元
完璧じゃなくていい。最低限のコードとリズムがあれば、セッションは始められる

最低限のスキル — 完璧を求めない

「もっとうまくなってから行こう」 — これがセッション未経験者の最大の誤解だ。セッションに「完璧」は要らない。必要なのは以下の3つだけ。

  • 自分の楽器でコード(またはリズム)を安定して出せる — ギターならバレーコードが弾けなくてもいい。オープンコードで十分
  • 12小節ブルースの進行を知っている — I-I-I-I / IV-IV-I-I / V-IV-I-V(キーAなら A-A-A-A / D-D-A-A / E-D-A-E)
  • 周りの音を聴きながら演奏できる — 自分の音だけに集中しない。これが一番大事

ボーカルなら、ブルースのスタンダード曲を2〜3曲知っていれば十分だ。ドラマーなら8ビートとシャッフルが叩ければ即戦力になる。ベーシストなら、ルート音をしっかり弾くだけで全体を支えられる。

セッションに持っていくもの

持ち物 必須/あると便利 備考
自分の楽器 必須 ドラマーはスティックのみ(ドラムセットは店舗備品)
シールド(ケーブル) 必須 2本あると安心。「バンド練習の進め方」でも触れた予備ケーブルの重要性
チューナー 必須 クリップ式が便利。スマホアプリでも可
エフェクター あると便利 最初はアンプ直でOK。持ち込みすぎると邪魔になる
譜面・コード表 あると便利 定番曲のコード進行をメモしたノートやスマホ
名刺・連絡先 あると便利 気が合った人とすぐに連絡先交換できる
現金 必須 セッションバーはカード不可の店も多い

行く前にやっておくこと

  1. お店のSNSやWEBサイトを確認 — セッションの開催曜日・時間・ジャンル・参加費を確認。「ブルースセッション」「ロックセッション」などジャンルが明記されている店を選ぶ
  2. 定番曲を3〜5曲練習 — 次のセクションで紹介する定番曲リストから選んで練習しておく
  3. 可能なら一度「見学」に行く — 演奏せずにお客さんとして飲みに行き、雰囲気を掴む。常連客やホストに「次回参加したい」と声をかけておくと、当日スムーズ

セッション定番曲リスト — これだけ知っていれば飛び込める

セッションで「何やる?」と聞かれた時に、この中から答えられれば大丈夫。ジャンルごとに定番曲をまとめた。

ブルースセッション定番曲

ブルースはセッションの王道。12小節のブルース進行が基本なので、キーさえ合わせれば誰でも参加できる。

曲名 アーティスト キー 特徴
Key of A(スローブルース) A キーだけ決めて自由に弾く基本形。初心者はまずここから
Key of E(シャッフルブルース) E シャッフルのリズムに乗せた定番ブルース
Stormy Monday T-Bone Walker G ジャズ色の強いブルース。コードがやや複雑だがセッション頻出
Sweet Home Chicago Robert Johnson E / A ブルース・ブラザーズでも有名。ボーカルが入りやすい
The Thrill Is Gone B.B. King Bm マイナーブルース。泣きのギターソロが映える
Hoochie Coochie Man Muddy Waters A ストップタイムのリフが印象的。バンド全体で「キメ」を合わせる練習に
Pride and Joy Stevie Ray Vaughan E テキサスシャッフル。SRVファンなら必須

ロックセッション定番曲

曲名 アーティスト キー 特徴
Johnny B. Goode Chuck Berry Bb ロックンロールの原点。リフを知っていれば即参加可能
Route 66 Bobby Troup A / Bb ロカビリー〜R&Bまで幅広い解釈で演奏される
Stand By Me Ben E. King A コード4つ。ベースラインが有名で合わせやすい
Rock And Roll Led Zeppelin A ドラムのイントロから一気にテンションが上がる
CrOSSroads Cream / Robert Johnson A クラプトン版がセッション定番。ギタリストの腕の見せどころ
Mustang Sally Wilson Pickett C / G ファンキーなリズム。ボーカルが盛り上がる

ジャズセッション定番曲(初心者向け)

曲名 作曲者 キー 特徴
Autumn Leaves(枯葉) Joseph Kosma Gm / Bbm ジャズセッション最頻出。コード進行がII-V-Iの教科書
Blue BOSSa Kenny Dorham Cm ボサノバのリズムで比較的簡単。初心者向きのジャズ曲
Fly Me to the Moon Bart Howard C / Am 誰でも知っているメロディ。ボーカルも入りやすい
All of Me Gerald Marks C シンプルなコード進行。ソロの練習にも最適
Now's the Time Charlie Parker F 実質ブルース進行。ジャズ入門に最適
Billie's Bounce Charlie Parker F こちらもブルース進行ベース。ビバップ入門

初心者への提案: まずは「Key of A(ブルース)」「Johnny B. Goode」「Stand By Me」の3曲を完璧にしてからセッションに行こう。この3曲があれば、ブルースセッションでもロックセッションでも1〜2ステージは確実に参加できる。

東京のセッションバー・セッション開催店ガイド

東京のネオン街の夜景
東京には毎晩どこかでセッションが開催されている

東京は日本で最もセッションが盛んな街だ。「日本の音楽シーン入門」でも触れたように、東京には多様なジャンルの音楽文化が共存している。以下に、初心者でも入りやすいセッションバー・セッション開催店を紹介する。

注意: 開催曜日・時間・参加費は変更される場合があります。来店前に必ず各店のWEBサイトやSNSで最新情報を確認してください。

1. 次郎吉(Jirokichi)(高円寺)

項目 内容
ジャンル ブルース / ロック / ファンク
セッション ブルースセッション開催(スケジュールは公式サイト確認)
参加費 2,000〜3,000円 + 1ドリンク
雰囲気 1975年創業の老舗ライブハウス。ブルース・ロックの聖地
住所 東京都杉並区高円寺北3-2-13(高円寺駅北口徒歩3分)
公式 公式サイト

高円寺駅北口から徒歩3分。1975年創業の老舗ライブハウスで、ブルースを中心にロック・ファンクまで幅広いセッションを開催している。半世紀の歴史が証明する、初心者が最初の一歩を踏み出すのに最適な店の一つ。

2. 新宿PIT INN(新宿)

項目 内容
ジャンル ジャズ
セッション ジャムセッション開催(スケジュールは公式確認)
参加費 1,500〜3,000円 + 1ドリンク
雰囲気 日本を代表するジャズの名門。プロもアマも集うセッションの聖地
住所 東京都新宿区新宿2-12-4 アコード新宿B1F(新宿三丁目駅徒歩3分)
公式 公式サイト

新宿でセッションといえば新宿PIT INN。日本ジャズシーンの最重要拠点の一つで、ジャムセッションも開催している。名だたるプロミュージシャンが出演するステージに、セッションなら自分も立てる。

3. OrGAn Jazz倶楽部(沼袋)

項目 内容
ジャンル ジャズ / オルガンジャズ
セッション ジャムセッションデーあり
参加費 2,000円〜 + ドリンクオーダー
雰囲気 ハモンドオルガンの音色が店内に響く。ジャズ好きの溜まり場
住所 東京都中野区沼袋1-34-4 B1F(沼袋駅徒歩2分)

沼袋駅から徒歩2分のジャズ専門セッションバー。ハモンドオルガンが常設されており、オルガンジャズの独特なグルーヴを体験できる。ジャズセッション初心者にも開かれた雰囲気。

4. Naru(お茶の水)

項目 内容
ジャンル ジャズ
セッション ジャムセッション開催あり(スケジュール要確認)
参加費 2,500円〜
雰囲気 1969年創業の老舗ジャズクラブ。歴史と格式がある
公式 公式サイト

お茶の水の老舗ジャズクラブ。半世紀以上の歴史を持ち、数えきれないジャズミュージシャンがこのステージに立ってきた。セッションデーには初心者も参加可能。楽器街の御茶ノ水にあるので、楽器を買いに来たついでに寄ることもできる。

5. 曼荼羅(吉祥寺)

項目 内容
ジャンル ロック / フォーク / ブルース / 多ジャンル
セッション オープンマイク・セッションイベント不定期開催
参加費 イベントにより異なる
雰囲気 1974年創業。吉祥寺の音楽文化を50年支えてきた聖地
公式 公式サイト

私が20代の頃に入り浸っていた場所。1974年の創業以来、数えきれないミュージシャンがこの地下のステージに立ってきた。常設のセッションバーではないが、オープンマイクやセッションイベントが不定期で開催される。吉祥寺に来たら、まずここの空気を吸ってほしい。

6. Sometime(吉祥寺)

項目 内容
ジャンル ジャズ
セッション ジャムセッション定期開催
参加費 2,000円〜 + ドリンクオーダー
雰囲気 1975年創業。吉祥寺を代表するジャズの名店
公式 公式サイト

曼荼羅と並ぶ吉祥寺の音楽の名所。ジャズを中心としたライブハウスで、定期的にジャムセッションを開催している。温かみのある空間で、初心者ジャズプレイヤーにも居心地が良い。

7. 荻窪Rooster(荻窪)

項目 内容
ジャンル ブルース / ロック
セッション ブルースセッション定期開催
参加費 2,000円 + 1ドリンク
雰囲気 ブルースセッションで有名な荻窪の名店。初心者も歓迎
住所 東京都杉並区荻窪5-16-15(荻窪駅南口徒歩3分)
公式 公式サイト

荻窪駅南口から徒歩3分。ブルースセッションの定期開催で知られるライブバー。こぢんまりとした空間で、演奏者との距離が近く、音の一体感を味わえる。ブルースセッションの入門に最適な一軒。

8. Blues Alley Japan(目黒)

項目 内容
ジャンル ジャズ / ブルース
セッション ジャムセッションナイト開催
参加費 2,500円〜 + 飲食オーダー
雰囲気 ワシントンD.C.の名門クラブの東京版。格式高いが敷居は低い
公式 公式サイト

目黒川沿いにあるジャズ・ブルースの名門クラブ。ワシントンD.C.にある本家Blues Alleyの名を冠する。プロのライブが中心だが、ジャムセッションナイトも開催しており、一流の音響設備で演奏できる貴重な機会がある。

大阪・名古屋・その他のセッション開催店

東京以外でもセッション文化は根付いている。地方都市のセッションは東京より規模は小さいが、その分アットホームで常連同士の距離が近い。

大阪

店名 エリア ジャンル 特徴
Rock Bar SEVENTH 梅田 ロック / ブルース 梅田のセッションバー(大阪市北区曽根崎2-14-10 梅田ロイヤルビル3F、東梅田駅近く)。ロック・ブルースのセッションを定期開催
Jazz on Top 梅田 ジャズ 梅田のジャズクラブ。セッションデーあり。アクセス良好
ライブスポット テンション 堺筋本町 ブルース / ロック 堺筋本町のブルースバー(大阪市中央区瓦町1-4-6 市岡宏産ビルB1F、堺筋本町駅近く)。初心者歓迎のセッションを開催

名古屋

店名 エリア ジャンル 特徴
Jazz Bar STAR EYES 千種区(覚王山) ジャズ 覚王山のジャズバー(名古屋市千種区菊坂町3-4-1、覚王山駅近く)。ジャムセッションを定期的に開催
SlowBlues 名東区 ブルース / ロック 毎週火曜ブルースセッション開催(名古屋市名東区名東本通3-3、公式サイト

その他の地域

店名 エリア ジャンル 特徴
GAte's 7 福岡・中洲 ジャズ / ブルース 中洲のジャズバー。ジャムセッションあり
STORMY MONDAY 札幌 ブルース 札幌のブルースバー。ブルースセッション開催
D-Bop Jazz Club 札幌 ジャズ 札幌のジャズシーンの拠点。定期セッション開催

地方都市のセッション事情は各都市の記事でも詳しく紹介している。大阪のセッション事情は「大阪でバンドメンバーを探す方法」記事も合わせてチェックしてほしい。

セッションのマナーと暗黙のルール

バンドメンバーがアイコンタクトを取りながら演奏している様子
セッションの言語は「目配せ」。ホストの指示を見逃すな

セッションには明文化されたルールブックは存在しない。だが、長年セッションに通い続けてきた私の経験から、暗黙のルールを伝えておきたい。これを知っているだけで、初心者でも浮かずにセッションを楽しめる。

1. ホストの指示に従う

セッションには「ホスト」と呼ばれる進行役がいる。曲の選定、参加者の順番、キーの指定、ソロの回し方 — すべてホストが仕切る。ホストの指示には絶対に従う。自分がやりたい曲があっても、ホストが「次はAのブルースで」と言ったらそれに合わせる。

2. ソロは1〜2コーラスで回す

最も嫌われるのは、ソロを延々と弾き続けること。ブルースなら1コーラス(12小節)、長くても2コーラスでソロを次の人に回すのがマナー。ホストや隣のプレイヤーが「あなたの番だよ」という目配せを送ってくるので、それを見逃さないこと。

3. 音量は控えめに — 最初は特に

セッションで大音量を出すのは迷惑行為に近い。特にギタリストはアンプの音量を控えめに。周りの音が聴こえないほどの音量は、セッションの一体感を壊す。ドラマーも同様で、スネアを叩く力を6〜7割に抑えるくらいがちょうどいい。

4. 知らない曲は正直に言う

知らない曲をリクエストされた時は、「すみません、その曲は知りません」と正直に言っていい。背伸びして参加するより、「見学します」と言って横で聴いている方がずっとかっこいい。セッションの常連は、正直な初心者に優しい。嘘をついて場を混乱させる人には冷たい。

5. 演奏が終わったら拍手する

当たり前のように聞こえるが、意外とできていない人がいる。自分が演奏していない時も、他のプレイヤーのソロが終わったら拍手する。うまい下手は関係ない。「一緒に音を出してくれてありがとう」という気持ちの表現だ。

6. セッション中のスマホはNG

自分の出番でない時にスマホをいじるのは避ける。演奏を聴いていないと、次の自分の出番でスムーズに入れない。

7. 機材は丁寧に扱う

店のアンプやドラムセットを使う場合は、元の状態に戻す。つまみの位置を変えたら戻す。スティックでリムを叩きすぎない。借り物を大事にする姿勢が、常連からの信頼につながる。

セッションで出会った仲間とバンドを組む方法

バーカウンターで音楽について語り合うミュージシャンたち
演奏が終わった後のカウンターでの会話から、バンドが生まれる

セッションの真の価値は、演奏そのものだけではない。演奏が終わった後のカウンターでの会話にこそ、音楽人生を変える出会いがある。

私が福生・UZUで出会ったアメリカ人のベーシストとは、あのセッションの後にカウンターで2時間飲んだ。言葉は片言だったが、「好きなアーティストは誰だ」「どのアルバムが最高だ」という話で盛り上がった。結局バンドは組まなかったが、あの夜の出会いは今でも私の宝物だ。

外国人とバンドを組むメリットと注意点」でも書いたが、セッションはまさに国籍を超えた出会いの場だ。言葉が通じなくても、音が通じればそれでいい。

セッションからバンドへ発展させる3つのステップ

  1. 同じセッションに定期的に通う — 月2〜3回、同じ店の同じ曜日に通えば顔見知りができる。常連になることが最初の一歩
  2. 気の合うプレイヤーに声をかける — 「一緒に弾いていて楽しかったです」「今度スタジオで合わせませんか?」この一言が言えれば、半分バンドは組めたようなもの
  3. Memboでメンバー募集を出す — セッションで出会った相手に加えて、もう1人足りないパートがある場合はMemboで募集をかけよう。「セッションバーで一緒に弾ける人募集」と書けば、セッション好きの仲間が見つかりやすい

セッションで出会ったからといって、すぐにバンドを組む必要はない。何度も一緒に弾いて、音楽の好みやテンポ感が合うかどうかを確かめてからでいい。焦ると長続きしない。

よくある質問(FAQ)

Q. 楽器を始めたばかりでもセッションに行っていい?

A. 最低限の準備があれば大丈夫。ギターならコード3つ(A, D, E)をリズムに合わせて弾けること。ドラムなら8ビートが叩けること。ベースならルート音を追えること。完璧である必要はまったくない。ただし、チューニングと音量調整はしっかり。この2つができていないと、周りに迷惑がかかる。

Q. ボーカルだけでも参加できる?

A. もちろん。ブルースやロックのスタンダード曲を2〜3曲知っていれば、ボーカルとして参加できる。楽器なしで身体一つで行けるのがボーカルの強み。歌詞を忘れないようにメモを持参するのも恥ずかしいことではない。

Q. 1人で行っても大丈夫?

A. 1人で行くのが普通。セッションは「1人で参加して、その場で仲間になる」もの。最初は緊張するが、ホストが段取りを仕切ってくれるので心配ない。むしろ、友達を連れて「身内で固まる」方が周りに壁を作ってしまう。

Q. セッションで使う楽器を店で借りられる?

A. ドラムセットとベースアンプ・ギターアンプは基本的に店の備品。ギター・ベース・管楽器は持参が基本。一部の店ではギターやベースの貸し出しをしている場合もあるので、事前に確認しよう。

まとめ — セッションは音楽の原点に立ち返る場所

私は20代の頃から40年以上、セッションに通い続けてきた。吉祥寺の曼荼羅で、福生のUZUで、東京のあちこちのバーで、数えきれない夜を過ごした。その中で一つだけ変わらないことがある。

セッションには「失敗」がない

バンドなら間違えれば「練習が足りない」と言われるかもしれない。ライブなら「もっと完成度を上げろ」と言われるかもしれない。でもセッションでは、たとえコードを間違えても、リズムがずれても、誰も責めない。みんなが「今この瞬間の音」を楽しんでいるからだ。

もちろん、うまく弾けた方が気持ちいい。でも、うまく弾けなくても楽しい。それがセッションの本質だ。

もしあなたが「バンドを組みたいけど、メンバーが見つからない」「楽器を弾いているけど、一緒に合わせる相手がいない」と思っているなら、まずセッションバーの扉を開けてほしい。そこにはあなたの音楽人生を変える出会いが待っている。

そして、セッションで気の合う仲間が見つかったら、Memboで「セッション仲間と一緒にバンドを組みたい」と募集をかけてみよう。国籍も性別も年代も関係ない。音一つで通じる仲間は、必ず見つかる。

私は60代の今も、それを信じてセッションに通い続けている。

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