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ギタリストになるには|独学ロードマップとバンドで通用するレベルの見極め方

2026/07/09 · メンバー探しの旅

ギタリストになるには|独学ロードマップとバンドで通用するレベルの見極め方
「ギタリストになるには」と検索してみると、興味深いことに気づきます。バンドが「ギタリストを探す方法」を解説した記事は数多く見つかるのに、「自分自身がギタリストになりたい」という側の視点で書かれた記事は驚くほど少ないのです。私たちのブログでもこれまでギタリストが見つからない時の探し方完全ガイドを公開してきましたが、これは「バンド側がギタリストをどう探すか」という視点の記事です。今回のこの記事は、その裏側――「これからギターを始めてバンドで弾けるようになりたい」というあなた自身の視点に立って書いています。
目次

1. 「ギタリストになるには」と検索して気づくこと

「ギタリストになるには」と検索してみると、興味深いことに気づきます。バンドが「ギタリストを探す方法」を解説した記事は数多く見つかるのに、「自分自身がギタリストになりたい」という側の視点で書かれた記事は驚くほど少ないのです。私たちのブログでもこれまでギタリストが見つからない時の探し方完全ガイドを公開してきましたが、これは「バンド側がギタリストをどう探すか」という視点の記事です。今回のこの記事は、その裏側――「これからギターを始めてバンドで弾けるようになりたい」というあなた自身の視点に立って書いています。

この視点転換のパターンは、以前公開したキーボード奏者になるにはという記事ドラマーになるにはという記事ベーシストになるにはという記事でも扱ってきました。募集する側の記事と、なりたい側の記事。この二つが揃って初めて、楽器とバンドをめぐる情報は一周すると私は考えています。ギターはその中でも特に「始める人が最も多く、同時に挫折する人も最も多い」という独特のポジションにあるパートです。コードを鳴らすだけなら数日で形になりますが、「バンドで通用するギタリスト」として認められるまでの距離は、実は他の楽器と同じくらい長いものです。この記事では、まったくの初心者がギターを独学で始めるためのロードマップと、「どのレベルに達したらバンドで通用するのか」という見極め方を、できるだけ具体的に解説していきます。

私たちが運営するMemboは、複数の日本語バンドメンバー募集サイトの情報を横断的に検索できるサービスですが、そこに集まる募集条件を見ていると「ギター経験者歓迎」「初心者可、コードが弾ければOK」という表記が思いのほか多いことに気づきます。つまり、この記事のロードマップを一通り歩み終えたあなたには、想像以上にたくさんの入り口が用意されているということです。

そもそも「ギタリスト」とひとくちに言っても、バンドの中での役割は一つではありません。大きく分けると、リードギターリズムギターという二つの役割があります。リードギターは、Aメロやサビの合間に入る短いフレーズや、間奏のギターソロなど、メロディーラインを単音(1本の弦だけを弾く演奏)で紡いでいく役割です。一方リズムギターは、コードを鳴らしてリズムを刻み、ボーカルの歌声とドラム・ベースの間を埋める「和音の土台」を担当します。8ビートのストロークやカッティングでバッキングを支えるのが主な仕事で、単音のフレーズを弾く場面は多くありません。実際のバンドでは、ギターが2人いる編成であればこの役割がはっきり分かれますが、ギター1本のバンドでは、Aメロ・サビはリズムを刻み、間奏だけリードに回るというように、1人が両方の役割を場面ごとに切り替えることも珍しくありません。この記事で紹介するロードマップは、まずリズムギターとして通用する力を身につけ、そこからリードの要素を少しずつ加えていくという順序で組み立てています。

2. アコギとエレキ、どちらから始めるべきか

エレキギターは、ピックアップを内蔵し弦の振動を電気信号に変換して音を出すギターで、アンプを通して音を鳴らします。一方アコースティックギターは電気的な増幅を必要とせず、ボディの空洞と弦の振動だけで音を響かせる楽器です。日本では「アコギ」という略称でも親しまれ、1960年代のフォークブームや1990年代のMTVアンプラグドの流行を経て、バンド以外の場でも広く弾かれるようになりました。「バンドを組みたい」という目的だけで考えるなら、最終的にはどちらも通る道になりますが、最初の一本として何を選ぶかは、多くの初心者が最初につまずくポイントです。

楽器 特徴 最初の一本としての向き不向き
アコースティックギター 電源・アンプ不要、弦は太めでチューニングも安定しやすい 「とにかく手軽に始めたい」人向き。指先は痛みやすい
エレキギター アンプ必須だが弦が細く押さえやすい、音作りの幅が広い 「バンドサウンドを最初から意識したい」人向き。機材一式が必要

結論から言えば、「最終的にバンドで弾きたい」という目的が最初からはっきりしているなら、エレキギターから始めることを私はおすすめします。理由は単純で、弦が細く弦高も調整しやすいため、コードを押さえる左手の負担が少なく、挫折しにくいからです。一方で、「まずは気軽に弾き語りから始めたい」「アンプを置く場所がない」という事情があるなら、アコースティックギターから始めても問題ありません。どちらから始めても、コードの押さえ方や基本的な理論は共通しているため、後からもう一方に持ち替えることは十分可能です。大切なのは、「どちらが正解か」で悩み続けることではなく、早く手に取って弾き始めることです。

エレキギターを選ぶ場合、初心者が最初に検討することが多いモデルとして、フェンダー・ストラトキャスターギブソン・レスポールの2系統が挙げられます。ストラトキャスターは1954年発売、3つのシングルコイルピックアップを搭載し、ジミ・ヘンドリックスが弾いたことでロックの象徴的存在になりました。レスポールは1952年発売、ハムバッカーピックアップによる太く粘りのあるサウンドが特徴で、エリック・クラプトンやジミー・ペイジといったギタリストに愛用されてきました。どちらも70年以上のロングセラーモデルなので、価格帯や重さ、ネックの太さを楽器店で実際に確認しながら、自分の手に合うものを選ぶとよいでしょう。初心者向けの入門セット(本体・小型アンプ・シールド・チューナーが一式になったもの)であれば、2万円台〜4万円台で一通り揃えることができます。具体的なモデル名を挙げると、フェンダーの廉価版ブランドであるSquier by Fenderのシリーズ(本体のみでおおよそ2万円台後半から)や、ヤマハの定番入門機として知られるPACIFICAシリーズ(PAC112Vなど、本体でおおよそ4万円前後)は、楽器店の店頭でも「初心者の1本目」として名前が挙がることの多いモデルです。予算に迷ったら、まずこの2系統を実際に手に取って重さや弦高を比べてみるとよいでしょう。

緑の芝生の上に置かれた茶色のアコースティックギター
アコースティックギターは電源不要で、思い立ったその日から練習を始められるのが利点だ

3. 独学と音楽教室(スクール)、どちらを選ぶべきか

ギターを始めるにあたって、多くの人が最初に悩むのが「独学で進めるか、最初から音楽教室に通うか」という選択です。どちらにも明確なメリットとデメリットがあるため、自分の性格や生活リズムに合わせて選ぶことが大切です。

比較項目 独学 音楽教室(スクール・個人レッスン)
費用の目安 教材費・アプリ利用料のみ(月数百円〜数千円程度) 月謝制で月6,000円〜1万5,000円程度が一般的
ペース 自分の好きな時間・速度で進められる 決まった曜日・時間に通う必要がある
フォームの正確さ 癖に気づきにくく、自己流のまま固まりやすい 講師がその場で姿勢・指の角度を修正してくれる
継続のしやすさ モチベーション維持は自己責任、挫折率が高め 通う予定があること自体が継続の後押しになる
向いている人 マイペースに進めたい人、まず低コストで試したい人 最短距離で上達したい人、フォームの不安がある人

この記事で紹介する独学ロードマップは、多くの人が実際にたどるであろう「まずは独学で始めてみる」という前提で組み立てています。ただし、独学と音楽教室は必ずしも二者択一ではありません。「基礎は独学のアプリや教則本で進めて、フォームの不安を感じた時だけ単発レッスンを受ける」という組み合わせ方も、コストを抑えつつ効果を得られる現実的な選択肢です。次のセクション以降で紹介する3段階のロードマップは、この「まず独学で」という道を選んだ人に向けたものです。

4. コード習得ロードマップStep1|オープンコードとダウンストローク

独学でギターを始める際、最初の関門になるのが「オープンコード(開放弦を含む基本コード)を押さえて、リズムに合わせてストロークすること」です。C、G、D、Em、Amといった基本コードは、日本語で歌われるポップスの多くをカバーできる汎用性の高いコードです。最初のうちは、コードを押さえる左手の指がうまく開かず、弦がビビって綺麗な音が出ないという壁にぶつかりますが、これはほぼ全員が通る過程です。

具体的な進め方としては、次の順序がおすすめです。

  • まずCとGの2つのコードだけを、ゆっくり押さえ替える練習をする:他のコードには手を出さず、2つの押さえ替えがスムーズになるまで繰り返す
  • メトロノームを60〜70BPM程度に設定し、ダウンストローク(下方向へのかき鳴らし)だけでリズムを刻む:速さよりも、弦がビビらずに音が鳴ることを優先する
  • コードの種類を1つずつ増やしていく:C→G→D→Em→Amの順に、押さえられるコードを段階的に広げる
  • 簡単な曲のコード進行をコピーしてみる初めてのバンド練習で弾きやすい曲の選び方で紹介されているような、コード数の少ない曲を選んで実践する
  • ダウンストロークにアップストローク(上方向へのかき鳴らし)を混ぜる:8ビートの基本的なストロークパターンに挑戦する

メトロノームは、オランダの発明家ディートリヒ・ニコラウス・ヴィンケルが原型を考案し、1816年にドイツの発明家ヨハン・ネポムク・メルツェルが特許を取得して普及させた道具で、以来200年以上にわたって音楽家のテンポキープを支えてきました。ベートーヴェンもメルツェルの友人としていち早くこの道具を取り入れたと伝えられています。目安の練習期間は、1日20〜30分程度をコンスタントに続けた場合でおよそ1〜2ヶ月です。「コードを押さえてから音が鳴るまでにタイムラグがある」状態から、「リズムに合わせて押さえ替えられる」状態になれば、Step1は次の段階に進んでよい合図です。カポタストを使えば、同じコードフォームのまま曲のキーを変えられるため、コード数を増やさずに歌いやすいキーで練習できるという利点もあります。

5. コード習得ロードマップStep2|バレーコードとカッティング

オープンコードのストロークが安定してきたら、次の壁は「バレーコード(人差し指で複数の弦を同時に押さえるコード)」と「カッティング(歯切れのよいリズムカッティング奏法)」です。F、Bm、B♭といったバレーコードは、多くの初心者が最初につまずくポイントとして知られています。人差し指で6本の弦を均等に押さえる力加減がつかめず、音が詰まってしまう時期が誰にでもあります。

練習方法としては、まず1本の弦だけをバレーで押さえてきちんと音が鳴るか確認し、そこから2本、3本と押さえる弦を増やしていく段階的なアプローチが効果的です。焦って完成形のFコードを一気に押さえようとすると挫折しやすいため、指の力加減を体に覚えさせることを優先してください。同時に取り組みたいのが、ミュート奏法を使った「カッティング」です。左手で弦に軽く触れて音を止めながら、右手で歯切れのよいリズムを刻む奏法で、ファンクやポップスのバッキングで多用されます。ドラムのハイハットの刻みに合わせてカッティングのタイミングを合わせる感覚は、初めてのバンド練習ロードマップで紹介されているような実践的なバンド練習の中でこそ磨かれていきます。目安としては、Step1を終えた状態からさらに1〜2ヶ月ほど、バレーコードとカッティングのどちらも大きく崩れずにできるようになるまで練習を重ねるイメージです。両方を同時に極めようとせず、まずはバレーコードの安定を優先することをおすすめします。

バレーコードを押さえる際によくある誤解が、「握力で押しつぶすように押さえる」という感覚です。実際には、人差し指の腹ではなくやや側面に近い部分を使い、指をわずかに寝かせ気味にして6本の弦に均等に触れさせることがポイントです。さらに、親指をネックの裏側中央あたりに置き、指全体でネックを軽く挟み込むようにすると、握力そのものに頼らずに済みます。もう一つのコツはネックの角度です。ギターを立てすぎず、ネックをやや下向きに傾けると、人差し指の腹側にかかる力が均等になりやすくなります。フォームが崩れていないか不安なときは、1音ずつゆっくり鳴らして詰まっている弦がないか確認する癖をつけると、力任せの押さえ方から早く抜け出せます。

自然光の中でアコースティックギターを弾く人の手元をクローズアップした写真
バレーコードは指の力加減がつかめず苦戦する人が多いが、ほぼ全員が通る過程だ

6. コード習得ロードマップStep3|スケールとアドリブへの発展

バレーコードとカッティングが安定し、簡単なバッキングであれば1曲通して弾けるようになったら、いよいよ「バンドで通用するレベル」に近づくための最後の大きなステップ――スケールを使ったソロやアドリブへの発展です。ペンタトニックスケールをはじめとする基本的なスケールを、コード進行に合わせて指板上でなぞる練習を重ねることで、コードを鳴らすだけの演奏から一歩進んだフレーズが作れるようになります。

具体的なイメージをつかむために、指板上の位置関係を言葉で説明すると、マイナーペンタトニックスケールは6本の弦それぞれについて、隣り合う2つのフレット(1フレット分空けた2箇所)を行き来する形で構成されています。1つのポジション(指板上の同じエリア)だけを覚えれば、そのキーの曲であればほぼどこでも使い回せるという扱いやすさが特徴です。最初のアドリブは、コード進行に合った音を長く伸ばすだけでも十分にサマになります。慣れてきたら、伸ばしていた音から隣の音へ半音または全音下げて着地する、同じ音を短く連打してからひとつ上下の音に移る、といった単純な組み合わせを試してみてください。難しいフレーズを最初から目指す必要はなく、「今鳴っているコードに合う音を、リズムに乗せて長さを変えながら鳴らす」というだけで、十分にソロらしく聴こえます。

特にエレキギターを弾く場合、この段階でエフェクターとアンプの音作りにも興味が広がっていきます。歪み系(オーバードライブ・ディストーション)、空間系(リバーブ・ディレイ)、モジュレーション系(コーラス・フランジャー)といった代表的なエフェクターの種類を知っておくと、自分が目指すサウンドを言葉で説明しやすくなります。ただし、独学の初期段階からエフェクターを何台も揃える必要はまったくありません。まずはアンプ内蔵の歪みチャンネルだけで十分練習でき、機材はコードとスケールがある程度弾けるようになってから少しずつ増やしていけばよいという考え方で問題ありません。目安としては、Step2を終えた段階からさらに2〜4ヶ月ほど続けると、初めてのバンド練習でも大きく崩れずについていける手応えが出てくることが多いです。バンド練習を効率化するコツも参考にしながら、この段階を焦らず進めてください。

7. 練習環境の確保|自宅練習の音量問題とアンプ・エフェクター選び

ギターを独学で続けるうえで、他の楽器と同様に向き合うことになるのが「音量」の問題です。エレキギターのアンプをフルボリュームで鳴らせば、集合住宅は言うまでもなく、一戸建てでも近隣トラブルに発展しかねません。多くの独学者は、自宅ではヘッドホン端子付きの小型アンプやマルチエフェクターを使って基礎練習を積み、実際のバンドサウンドで弾く経験は練習スタジオを借りることで補うというスタイルを取っています。アコースティックギターの場合も、生音自体は響きますが、深夜や早朝の練習は弦を弾く強さを抑える、防音マットを敷くといった配慮で近隣トラブルを避けることができます。

自宅練習用の機材は、数千円台で買えるミニヘッドホンアンプから、1万円前後のマルチエフェクター内蔵タイプ(アンプシミュレーターやチューナー、リズムマシンまで一台にまとまったモデル)まで幅広く選べます。予算に余裕があれば後者を選んでおくと、音作りの練習も同時にできて一石二鳥です。機材以外の防音対策としては、床に防音マットや厚手のラグを敷いて振動を伝わりにくくする、練習する時間帯を朝早くや深夜は避けて近隣に配慮する、ヘッドホン練習の比率を上げるといった工夫が現実的です。

黒いエレキギターとアンプが並んで置かれた室内の写真
自宅ではヘッドホンアンプで静かに基礎を固め、実際の音量感覚はスタジオで身につけるという組み合わせが現実的だ

練習スタジオの借り方ガイドでは、初めてスタジオを利用する際の予約方法や機材の使い方について詳しく解説していますが、要点だけここでも触れておきます。個人練習用の小部屋は、都市部・地方を問わずおおむね1時間500〜1,500円程度が相場で、学生証を提示すると割引が使える店舗も少なくありません。ギターアンプは備え付けの場合がほとんどなので、ギター本体とシールドさえ持参すれば手ぶらで練習できるのもスタジオ利用の利点です。バンドが決まっている場合は、バンド練習を効率化するコツも参考にしながら、個人練習とバンド練習をバランスよく組み合わせていくとよいでしょう。まだバンドが決まっていない段階でも、Memboでギター経験者歓迎のバンドを眺めておくと、自分がどのくらいのレベルを目指せばよいのか具体的なイメージがつかみやすくなります。

8. 独学に使える練習アプリ・教材の選び方

近年は、スマートフォンやタブレット向けの練習アプリ、YouTubeの演奏解説チャンネル、書店に並ぶ教則本など、独学を補助してくれる教材が数多く存在します。ギターの練習アプリの多くは、コードダイアグラムの表示機能や、演奏の正誤をマイクで判定してくれるチューニング・コード判定機能を搭載しており、こうした機能を積極的に活用することで、「なんとなく弾けている気がする」という曖昧な感覚から抜け出し、客観的な指標をもとに練習を進めることができます。

教材の種類 特徴 向いている人
コード判定アプリ(例:Yousician) マイクで演奏を聴き取り、コードの押さえ方をリアルタイムで判定 正しいフォームを自分で確認したい人
タブ譜アプリ(例:Ultimate Guitar) 市販曲のコード・タブ譜を表示、キー変更やスロー再生に対応 好きな曲をコピーして練習したい人
動画解説チャンネル 基礎フォームからソロの組み立て方まで、無料で見られる解説動画が豊富 費用を抑えたい人、visualで学びたい人
教則本・スコア 基本パターンやジャンル別のコード進行が体系的にまとまっている じっくり腰を据えて基礎から積み上げたい人

これらの教材はいずれも「基礎フォームとコードを身につける」という点では優秀ですが、バンドの中で他パートの音を聴きながらリズムを合わせる感覚までは教えてくれません。教材はあくまで基礎練習の効率を上げる手段と割り切り、ある程度の手応えが出てきたら、早めにジャムセッションや実際のバンド練習に持ち込んでみることをおすすめします。最終的にバンドで通用する力は、生身の人間と音を合わせる経験の中でしか磨かれません。

9. 独学の限界とスクール・レッスンを検討すべきタイミング

独学には限界もあります。特にギターの場合、フォームの癖は自分では気づきにくく、間違った弾き方を続けると手首や指を痛める原因にもなります。次のようなサインが出てきたら、単発のレッスンやスクールへの通学を検討するタイミングと言えるでしょう。

  • 特定のコードチェンジだけ、いくら練習してもリズムが崩れてしまう
  • 弦を押さえる手や、ピッキングする手首に痛みや違和感を感じるようになった
  • 動画教材だけでは、自分の演奏の何が間違っているのか判断できなくなった
  • 次に何を練習すればいいのか、目標を見失ってしまった

音楽教室や個人レッスンは、フォームを客観的にチェックしてもらえる点が独学にはない大きな価値です。第3セクションの比較表でも触れたとおり、オンラインレッスンは月数千円〜1万円程度から始められるものが多く、自宅から気軽に受けられるうえ、地方在住でも都市部の講師のレッスンを受けられるのが利点ですが、画面越しではフォームの細部までは伝わりにくいという弱点もあります。対面レッスンは月謝1万円台〜が目安になることが多く、費用はオンラインより高くなりがちですが、姿勢や指の角度、力の入れ方といった細かいフォームをその場で直接見てもらい、その場で修正できる点が大きな強みです。すべてをスクールに頼る必要はなく、「基礎は独学、フォームチェックだけレッスンで」という組み合わせ方でも十分に効果があります。無理に一つの方法にこだわらず、自分の伸び悩みに合わせて手段を選んでいくことが、遠回りのようで実は一番の近道です。レッスンを続けながら、並行してMemboでセッション仲間やバンドを探しておくのも、モチベーションを保つひとつの方法です。

10. 世界と日本の著名ギタリストに学ぶ

独学を続ける中で道に迷ったときは、実際にバンドで活躍してきたギタリストたちの歩みが参考になります。ここでは、経歴が確認できる実在の演奏者を何人か紹介します。

日本では、布袋寅泰が代表例のひとつです。1980年にロックバンドBOØWYを結成し1982年にデビュー、幾何学模様のギターを弾く独特のスタイルで知られ、映画「キル・ビル」シリーズのテーマ曲を手がけたことでも有名です。もうひとりの例が、フュージョン・ロックギタリストの高中正義です。高校生だった1971年にプロとしてデビューし、サディスティック・ミカ・バンドのメンバーとしても活躍、1979年の代表曲「BLUE LAGOON」は今も色褪せない人気を誇ります。

壁に立てかけられた黄色いアコースティックギターの写真
著名なギタリストたちも、最初はコードを覚えるところから始まっている

海外に目を向けると、ジミ・ヘンドリックスは、フィードバックやエフェクトを駆使した革新的な奏法でロックギターの可能性を大きく広げ、史上最も影響力のあるギタリストの一人と評されています。1967年のモンタレー・ポップ・フェスティバルや1969年のウッドストックでの伝説的なパフォーマンスは、今も語り継がれています。もうひとり、エリック・クラプトンは、ヤードバーズ、クリーム、デレク・アンド・ザ・ドミノスといったバンドを経て、ブルースを基盤にしたギタープレイでロック史に名を刻んできました。彼らに共通するのは、既存の枠に留まらず、バンドという編成の中で自分の楽器の役割を独自に開拓していった姿勢です。

11. 「バンドで通用するレベル」を見極める7つのチェックリスト

独学を続けていると、「自分はもうバンドに参加できるレベルなのか」という不安を抱く人が少なくありません。完璧を目指す必要はまったくありませんが、ひとつの目安として、以下の7項目をチェックリストとして活用してみてください。

  • メトロノームを消した状態でも、1曲を通してストロークのリズムが大きく走ったり遅れたりしないか
  • コード進行を渡されたら、押さえ替えに大きく詰まらずついていけるか
  • ドラムやベースのリズムに、自分のカッティングやストロークを合わせにいく意識があるか
  • 1曲を最初から最後まで、止まらずに弾き切れるか
  • ボーカルや他パートが多少崩れても、慌てずにリズムを支え続けられるか
  • 音量バランスやエフェクトの要望を、簡潔な言葉で伝えられるか
  • 初対面のメンバーとでも、数回の合わせで曲の形にできるか

すべての項目を満たしている必要はありません。むしろ、これらは「バンドに入ってから伸ばしていく力」でもあります。練習スタジオの借り方ガイドを参考にしながら実際にスタジオでバンドと合わせる経験を重ねれば、多くの項目は自然に身についていきます。大切なのは、「完璧に弾けるようになってから」ではなく、「7項目のうち半分くらいできるようになったら」思い切って一歩を踏み出す勇気です。

私はこれまで多くのバンドマンから話を聞いてきましたが、ギター担当を待つバンドの多くは、最初から超絶技巧を求めているわけではありません。「基本コードとカッティングだけでもいいから、一緒にバンドサウンドを作っていける人がほしい」という声のほうがずっと多いのが実感です。7項目のチェックリストは、完璧さを測るためのものではなく、あなたが今どのあたりにいるかを知るための地図として使ってください。

12. 挫折しやすいポイントと乗り越え方

ギターは「始める人が多く、続かない人も多い」楽器として知られています。ギターメーカー大手のFenderが2018年に公表した調査によると、初めてギターを購入した人の90%以上が12ヶ月以内に、多くはその最初の90日以内に練習をやめてしまうという結果が出ています。ここまで紹介してきたStep1〜Step3のロードマップも、実際にはこの「最初の壁」でつまずく人がほとんどだという前提で組み立てたものです。裏を返せば、この壁を越えられれば、それだけで多くの独学者より一歩前に進めているということでもあります。ギターの独学には、いくつか典型的な挫折ポイントがあります。ここでは代表的なものと、その乗り越え方を紹介します。

①バレーコードの壁で心が折れる

Fコードなどのバレーコードで挫折してしまう人は非常に多く、実際にギターをやめてしまう理由の上位に挙げられるほどです。これは特別なことではなく、多くのギタリストが通る過程です。1本の弦だけを押さえる練習から段階的に増やす、指の角度を変えてみる、押さえる位置をわずかにずらしてみるなど、力任せに押さえようとせず、フォームを見直すことが突破口になります。

②指の皮が痛む、フォームが安定しない壁

弦を押さえ始めたばかりの頃は指先が痛みやすく、フォームも安定しません。焦らず、短い時間でも毎日続けることを優先し、痛みが強い場合は無理をせず休むことも大切です。初心者向けのバンド参加ガイドを参考に、早い段階で実際の練習の場に混ざってみることも、フォームを客観的に見直すきっかけになります。

③伸び悩みを感じる停滞期

どんな独学者にも、練習しても上達を感じられない停滞期が訪れます。こうしたときは、練習メニューを変えてみる、自分の演奏を録音して客観視する、思い切って一度レッスンを受けてみるなど、視点を変えることが突破口になります。停滞期は成長が止まっているのではなく、次の伸びのための準備期間であることも多いものです。

④どうしても指が思うように動かず、向いていないと感じる

ここまで紹介した練習を重ねても、指の分離やフォームがどうしても安定しない、練習そのものが苦痛にしかならないという人も、実際にいます。その場合、無理にギターだけにこだわる必要はありません。バンドで必要とされるパートはギターだけではなく、キーボードは指1本からでもコードを鳴らせる、ドラムは独学であってもリズム感を活かしやすい、ベースは同時に押さえる弦が少なく単音中心で始めやすい、というように、それぞれ挫折しやすいポイントも身体の使い方もまったく異なります。「ギターが弾けないからバンドに向いていない」ということはまったくなく、自分の手の使い方や感覚に合ったパートに乗り換えることは、遠回りではなく合理的な選択です。実際、ドラムからギターに、ベースからキーボードにというように、パートを変えながら長くバンド活動を続けている人は少なくありません。

13. 独学から一歩進む|スタジオ・セッション・バンドへの合流

ある程度のロードマップを歩み終えたら、次はいよいよ実際の現場に飛び込む段階です。初めてバンドに参加する際の不安や進め方については、初心者がバンドに参加するためのガイドで詳しく解説しています。既存のバンドに途中から加わる場合は、自己PR文の書き方ガイドを参考に、自分がどんな練習をしてきたか、どんな曲が弾けるかを具体的に伝えると、バンド側にも安心感を与えられます。ゼロからバンドを組みたい場合はコピーバンドの始め方ガイドから入り、少しずつオリジナル曲作りに挑戦していくという段階的なステップもおすすめです。

ギタリストとしての自己PR文に迷ったら、次のような書き方が参考になります。

  • 独学中の初心者の場合:「ギター歴〇ヶ月、独学でオープンコードとストロークの練習を続けています。簡単な曲のバッキングであれば通して弾けるようになってきました。まだ経験は浅いですが、練習を重ねて対応力を広げていきたいです。」
  • ある程度独学が進んでいる場合:「独学でギターを〇年ほど続けており、バレーコードを含むバッキングとカッティングをある程度こなせます。簡単なアドリブにも挑戦しており、初見のコピー曲にもある程度対応できます。月1〜2回の練習からでもぜひ参加させてください。」

完璧な演奏スキルを並べ立てるより、「今どのレベルにいて、どのくらいのペースで練習できるか」を正直に伝えるほうが、バンド側にとっては安心材料になります。バンドが軌道に乗ってきたら、SNSでの活動発信ライブ告知の方法にも目を向けてみるとよいでしょう。

ギターは、バンドの中でも最も応募が多いパートのひとつですが、だからこそ「コードを押さえられるだけ」から一歩抜け出した人が重宝されます。ドラマーの探し方ベーシストになるにはという記事を読むと、他パートでも同じように「探す側」「なる側」の悩みが存在していることがわかります。Memboのようなメンバー募集サービスを使えば、自分のレベルや希望の音楽性に合ったバンドを、全国規模で探すことができます。

14. 外国人ギタリストが日本のバンドシーンに入っていくために

ギターを弾ける外国人ミュージシャンが日本のバンドに参加するケースも、決して珍しくありません。とはいえ、日本語でのやり取りやスタジオ予約の仕組みに戸惑うことも多いはずです。外国人と日本人がバンドを組むということでは、言葉の壁を越えてメンバーを見つけるための実践的な工夫を紹介しています。日本で暮らしながらバンド活動を始めたい外国人ミュージシャン向けには、日本でバンドを組む完全ガイド(外国人ミュージシャン向け実践編)もあわせて参考にしてみてください。

Memboが8言語対応にこだわっているのも、こうした言語の壁を少しでも下げたいという思いからです。日本語のスタジオ予約やバンド用語に慣れていなくても、母語で募集情報を確認し、翻訳された文章でやり取りを始められれば、日本のバンドシーンに参加するハードルは大きく下がります。全国どこに住んでいても、全47都道府県対応Memboを使えば、ギタリストを探しているバンドと出会える可能性が広がります。日本の音楽シーンそのものについてもっと知りたい場合は、音楽シーンとは?日本のバンドシーン地図と入り方完全ガイドも参考になります。楽器選びそのものに迷っている段階の人は、性格・ライフスタイル別の楽器の選び方ガイドから読み始めるのもおすすめです。他のパートから「バンドに参加する」という道を模索している人には、バイオリン・ストリングス奏者向けのガイドベーシスト・ドラマーが見つからない時の探し方完全ガイドも、考え方の面で参考になるはずです。

15. まとめ|「弾ける」から「鳴らせる」へ

この記事では、「ギタリストになるには」という検索意図に正面から向き合い、アコギとエレキどちらから始めるか、独学と音楽教室のどちらを選ぶかという最初の分岐点、そして独学ロードマップ――オープンコードとダウンストローク、バレーコードとカッティング、スケールとアドリブへの発展――という3つのステップと、「バンドで通用するレベル」を見極めるための7項目のチェックリストを紹介してきました。あわせて、布袋寅泰・高中正義・ジミ・ヘンドリックス・エリック・クラプトンといった、実在するギタリストたちの歩みも見てきました。彼らもまた、最初は基本コードを覚えるという段階から出発し、バンドという場の中で自分の音を磨いていったのです。

「始める人が最も多く、挫折する人も最も多い」というギターの特徴は、裏を返せば、そこを乗り越えた人には多くの入り口が開かれているということでもあります。バレーコードを崩れずに押さえられるようになり、カッティングで他パートとリズムを合わせられるようになり、スケールを使ったフレーズで曲に表情をつけられるようになれば、あなたは多くのバンドから必要とされる存在になれます。「弾ける」というゴールから、「鳴らせる」というゴールへ。その一歩を踏み出す準備ができたら、Memboでギタリストを探しているバンドを探してみてください。困ったときはMemboのヘルプページMemboの使い方ガイドアプリの使い方ページMemboのお知らせページ執筆者についてのページもぜひチェックしてみてください。

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