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四国でバンドメンバーを探す方法 — 松山・高松・徳島・高知の音楽シーン完全ガイド

2026/04/17

愛媛・香川・徳島・高知の4県16会場を徹底ガイド。松山出身で大街道のカフェ・ブリュにも縁のある筆者が、瀬戸内の風の中に根付く四国の音楽シーンを、ライブハウス・スタジオ・セッション・出身アーティストまで裏取りした情報だけで紹介する。米津玄師を生んだ徳島、四国最大級festhalleを擁する高松、老舗ジャズの松山、はりまや橋に凝縮した高知 — それぞれの個性を活かしたメンバー探しのコツも解説。

四国 — 瀬戸内の風と、ふるさと松山

瀬戸内海に浮かぶ島々と穏やかな海の風景
瀬戸内海を囲む四国の4県。それぞれに異なる音楽の土壌が根付いている

私のふるさとは、愛媛県松山市だ。

20代の頃から、松山のライブハウス・音楽喫茶・スタジオでアルバイトをして過ごしていた。おかげで、本当に多くのミュージシャンや仲間に出会えた。振り返ってみると、音楽的に相当恵まれた街で育ったのだと思う。道後温泉の湯けむりと松山城の石垣、そして大街道のアーケードを吹き抜ける瀬戸内の風 — その風景の中に、いつも音楽があった。夜遅くまでスタジオで音を出し、アーケードのシャッターが降りた静かな街を歩いて帰った記憶は、40年以上経った今も鮮明に残っている。

松山の大街道に、カフェ・ブリュという店がある。2007年の開業以来、今も松山の音楽好きが集う大人の隠れ家だ。オーナーの池川正人さんは、私のかつてのバイト先のBOSSにあたる人。店名は The Style Council のアルバム『Cafe Bleu』から取られていて、店にはレコードが1,000枚、CDが3,000枚並ぶ。60s・70sのジャズ、ボッサ、ロックが静かに流れる空間に、来松するアーティストも数多く顔を出す。池川さんの耳を信じて足を運ぶミュージシャンは、今も絶えない。

ただ、松山の話を始めると長くなる。バイトでお世話になった店のこと、仲間たちとの夜のこと、スタジオで教わったこと — 書き切れないものが多すぎる。松山の話は、また別記事でじっくり書きたい。今回は四国4県全体のガイドとして、松山も他の3県と同じ目線でコンパクトに紹介することにする。

四国には、愛媛・香川・徳島・高知という4つの個性がある。瀬戸内に面した穏やかな松山と高松、太平洋に開けた高知、阿波踊りと米津玄師を生んだ徳島。それぞれの街に、それぞれの音楽がある。この記事では、四国でバンドメンバーを探したい人に向けて、各県のライブハウス・練習スタジオ・セッション・出身アーティストを裏取りした情報だけで紹介していく。

「四国でバンドメンバーを探すのは難しい」という声を聞くことが時々ある。確かに東京や大阪と比べれば候補の絶対数は少ない。でも、それは「見つからない」のではなく「探し方を変えればいい」という話だ。都会のやり方(ネット掲載だけで待つ)ではなく、四国のやり方(掲載+地元コミュニティ+複数サービス同時活用)に切り替えれば、候補は必ず現れる。この記事はそのための具体的な手順書になることを目指している。

瀬戸内の風の中に、きっとあなたの仲間がいる。

目次

  1. 四国のバンド事情 — 4県の見取り図
  2. 愛媛・松山でバンドメンバーを探す
  3. 香川・高松でバンドメンバーを探す
  4. 徳島でバンドメンバーを探す
  5. 高知でバンドメンバーを探す
  6. 4県の比較 — どこで活動するべきか
  7. メンバー募集サービス5社比較
  8. 四国向け募集文の書き方
  9. コスト全体像
  10. よくある質問
  11. まとめ

四国のバンド事情 — 4県の見取り図

四国4県の人口は合わせて約370万人。東京都の3割にも満たない規模だが、音楽文化の密度は決して薄くない。むしろ、顔の見える距離感のおかげで、コミュニティの結束は強い。バンドシーンという文脈で見た時、東京や大阪と違う四国の本質的な良さは「街のサイズと音楽シーンのサイズが釣り合っている」ことだと、私は思っている。駅前から徒歩圏にライブハウス・スタジオ・セッションバーが揃い、店長もオーナーも地元のバンドマンの顔と名前を知っている。そんな距離感で音楽が動いている街が、四国には4つ並んでいる。

東京で50人のバンド仲間を知っているより、高松で5人の信頼できる仲間を持っている方が、結果的にバンドを長く続けられるケースは珍しくない。四国のバンドシーンは「薄く広く」ではなく、「濃く深く」の世界だ。

4県の基本データ

人口(2025年目安) 中心都市 音楽シーンの特色
愛媛 約128万人 松山市(約50万人) 大街道・銀天街を中心にジャズ・ロックの老舗が集中。カフェ・ブリュを筆頭にレコード文化が深い
香川 約93万人 高松市(約41万人) 四国最大級のfesthalleあり。MONSTER baSHの地元
徳島 約70万人 徳島市(約24万人) 米津玄師を生んだ街。JITTERBUG改めGRINDHOUSEが老舗
高知 約66万人 高知市(約32万人) はりまや橋周辺にX-pt.を中心とする濃いシーン

四国最大のフェス — MONSTER baSH

四国の音楽カレンダーに毎年刻まれる大きな印が、香川県まんのう町で開催されるMONSTER baSH(モンバス)だ。2000年に始まり、国営讃岐まんのう公園で2日間にわたって開催される中国・四国地方最大級のロックフェスで、2025年も8月に開催され62組のアーティストが出演した。四国のバンドマンにとって、モンバスの出演は一つの到達点でもある。

フェスの存在は、地元のバンドシーンにも大きな影響を与える。「いつかモンバスに出たい」という共通の目標が、バンド活動の継続を支えている面がある。ライブハウスに出演する方法で紹介した通り、まずは地元のライブハウスで経験を積み、徐々に大きな舞台を目指す流れが自然だ。

モンバス以外にも、四国には地元密着のフェスや音楽イベントが点在する。徳島の阿波踊りは世界的に有名だが、その前後の期間には小さなライブイベントが街中で同時多発的に行われる。愛媛の松山では大街道と銀天街を舞台に野外のアコースティックイベントが季節ごとに企画され、高知では「よさこい祭り」前後にロックフェスが組まれることもある。フェスを目指すだけでなく、地元のイベント出演を積み重ねていくのも、四国ならではの道筋だ。

コミュニティの顔の見える距離感

東京や大阪のように音楽シーンが匿名化していない。四国4県では、ライブハウスの店長もスタジオのオーナーも、地元のバンドマンも、お互いに名前を知っている。「あのハコの店長に紹介してもらえば」「あの楽器店に貼り紙させてもらえば」 — そんな人づての動きが、メンバー探しで一番効く。

その代わり、候補者の絶対数は少ない。大阪のように「駅ごとにバンド仲間が見つかる」世界ではない。だからこそ、複数のサービスへの同時掲載と、地元コミュニティへの顔出しの両輪が必要になる。バンドメンバーが見つからない人の共通点5つと解決策も合わせて読んでほしい。

移動手段の特殊性 — 橋・フェリー・車社会

四国のバンド活動で東京と大きく違うのが、移動手段だ。電車の本数は少なく、特に県境を越える鉄道は限られている。そのため、スタジオに通うのも、ライブハウスに機材を運ぶのも、車が前提になるケースが圧倒的に多い。募集文に「駐車場あり」と書かれているかどうかで、候補者が一歩踏み出すかどうかが変わる世界だ。

また、四国と本州は3本のルート(瀬戸大橋=高松-岡山、明石海峡大橋/大鳴門橋=神戸-淡路島-徳島、しまなみ海道=今治-尾道)で繋がっていて、さらに松山-広島や高松-神戸にはフェリー航路がある。こうした「海を越えるバンド活動」は四国ならではの特色だ。岡山のバンドと定期的に対バンする高松のバンドも珍しくない。広島の広島でバンドメンバーを探す方法で紹介したHiroshima CLUB QUATTROやCave-Beに松山のバンドが出演することもある。

四国4県の本州アクセスまとめ

出発地 本州の主要都市へのアクセス 所要時間(目安)
松山 広島(フェリー→呉) クルーズフェリーで約2時間40分、スーパージェットで約1時間10分
松山 尾道(しまなみ海道=今治経由) 今治から車約1時間で尾道
高松 岡山(JR快速マリンライナー) 約55分(特急は約40分)
高松 神戸・大阪(高速バス) 神戸約2時間30分、大阪約3時間30分
徳島 神戸・大阪(高速バス) 神戸約1時間45分、大阪約2時間30分
徳島 関空(高速バス直行) 約2時間45分。海外遠征の起点として便利
高知 岡山(JR特急南風) 約2時間30分
高知 大阪(高速バス) 約5時間〜5時間30分

この表を見ると、徳島と高松が本州アクセスの二大拠点であることがわかる。神戸・大阪方面へは徳島が有利、岡山・広島方面へは高松が有利。松山は広島方面、高知は岡山方面が近い。バンドが「どの方角の本州と組みやすいか」は、出発地点の県で決まる傾向がある。

愛媛・松山でバンドメンバーを探す

ライブハウスのステージ照明とバンド演奏
松山のライブシーンは大街道・銀天街エリアに集中する

私のふるさと松山について、ここでは4県ガイドの一県としてコンパクトに紹介する。大街道と銀天街のアーケードを中心に、ライブハウスとジャズスポットが徒歩圏内に点在している。全国チェーンの大型ハコはないが、その分、個性のある老舗が長く営業を続けているのが松山の音楽シーンの特徴だ。

松山は人口約50万人で、四国の県庁所在地の中では最大の都市。道後温泉・松山城・萬翠荘・坂の上の雲ミュージアムといった観光資源が豊富で、観光客の流れが街に活気をもたらしている。その活気が夜のライブハウスや音楽喫茶にも波及していて、平日でもアコースティックライブが行われているような層の厚さがある。

松山の街を歩いていると、大街道と銀天街の2つのアーケードが中心軸になっていることがわかる。大街道は坂の上の雲ミュージアムや伊予鉄松山市駅から繋がるメインストリートで、ここに面した脇道に入るとライブハウス・ジャズバー・老舗の音楽喫茶が点在している。銀天街はより地元密着な空気感で、WstudioREDを筆頭にやや若い世代向けのライブハウスが並ぶ。どちらのアーケードも徒歩圏内で繋がっているため、ライブ終わりに別のハコに流れる動きが自然に発生する。

松山の音楽シーンのもう一つの特徴は、大学生の存在感だ。愛媛大学、松山大学、松山東雲女子大学、聖カタリナ大学など、市内・近郊に複数の大学があり、軽音サークルの活動が盛ん。Superflyが松山大学の軽音サークルから生まれたのは決して偶然ではない。学生バンドの定期演奏会や合同ライブに足を運ぶと、若いミュージシャンと繋がる機会が増える。30代以上のバンドマンが20代前半のメンバーを見つけるケースも珍しくない。

松山のライブハウス

会場 住所 キャパ 特徴
松山SALONKITTY(サロンキティ) 松山市河原町138 キティビル1F 300(スタンディング)/100(着席) 大街道駅徒歩圏。松山ロックシーンの老舗。公式HP
松山キティホール 同ビル5F 300/120 サロンキティの姉妹ホール。着席メインで使いやすい。公式HP
松山WstudioRED 松山市湊町4-10-8 BE-FLAT B1F 450/200 2015年7月オープン。銀天街アーケード内、松山最大級。公式HP
松山Monk(モンク) 松山市三番町 相原ビル2F 約100 1985年オープンのジャズ老舗。BEGIN・マリーン・辛島文雄ら出演。公式HP

松山Monkは1985年から続くジャズの聖地で、BEGIN・マリーン・辛島文雄といった大物が過去にステージに立ってきた。私自身、松山にいた頃は何度も通った店だ。キャパ100の親密な空間で、プレイヤーと客の距離が驚くほど近い。ジャズの本物を、こんな小さな距離感で体験できる場所は全国でも希少だ。40年近く続いているという事実そのものが、松山という街がジャズという音楽を大切にしてきた証でもある。

Monkでの公演は、出演するプレイヤーの顔ぶれを見るだけでも勉強になる。地元松山のベテランジャズミュージシャンが常連として出演し、そこに全国区のゲストが加わる形でプログラムが組まれる。ジャズを本気でやりたい人は、まずMonkに客として通い、そこで演奏されているスタンダードナンバーのレパートリーを自分のものにしていくのが近道だ。

WstudioREDは2015年に銀天街アーケード内にオープンした松山最大級のハコ。450人キャパはモンバス帰りのツアーバンドが立ち寄る規模で、松山のライブ文化に大きな風を入れた。オープン以来、全国区のアーティストがツアーの四国会場として選ぶことが増え、地元バンドにとっても「前座を務められるハコ」として大きな目標になっている。

SALONKITTYは河原町の老舗で、松山のロックシーンの地元対バン文化を支え続けてきた店。同じビルの5Fにはキティホールという姉妹ホールがあり、小さなワンマンから中規模対バンまで、規模に応じて使い分けができる仕組みになっている。キティ系列のブッキング担当者は地元バンドの顔と名前を把握していて、「こういうイベントがあるから出てみない?」という声のかけ方をしてくれることでも知られる。

松山の練習スタジオ

スタジオ 住所 料金 特徴
オオガスタジオ(OHGA STUDIO) 松山市紅葉町8-18 共通600円/時間 松山のバンドマンの定番。airrsv.netで予約可能。公式HP
島村楽器 エミフルMASAKI店 伊予郡松前町筒井850 756円(個人)/1,620円(バンド会員) 郊外ショッピングモール内。駐車場豊富。公式HP

オオガスタジオの共通600円/時間は、東京の1/4以下の料金だ。バンド4人で割れば1人150円という衝撃価格で、これなら「週2回でもスタジオに入ろう」という話になる。料金の安さは練習頻度に直結し、練習頻度はバンドの成長速度に直結する。松山で活動するランニングコスト面のメリットは圧倒的に大きい。スタジオ選びの詳しい視点はバンド練習スタジオの選び方を参考にしてほしい。

島村楽器エミフルMASAKI店は、松山市の隣の松前町にある大型ショッピングモール「エミフルMASAKI」内のスタジオ。松山中心部から車で20分ほどだが、駐車場が無料で豊富なため、「練習のついでに買い物」「買い物のついでに試奏」という組み合わせがしやすい。新品の楽器を試してから予約を入れて、そのまま自分の楽器で練習に入るという流れも可能だ。料金体系はバンド会員になると割安で、長く通う予定のバンドは登録しておくと得になる。

松山のセッション

店名 住所 内容
JAZZ IN GRETSCH(グレッチ) 松山市内 週末ジャムセッション(不定期)+ボーカル限定オープンマイク。公式HP
KEYSTONE BAR 松山市三番町1-10-13 トキビル3F プロミュージシャンの生演奏が中心。大人の空間。公式HP
カフェ・ブリュ 松山市大街道2-2-8 オーナー池川正人さんによる選曲。来松アーティストも立ち寄る。食べログ

冒頭で触れたカフェ・ブリュは、厳密にはセッション会場ではないが、音楽好きのたまり場として欠かせない存在だ。レコード1,000枚とCD3,000枚が並ぶ空間で、60s・70sのジャズやボッサに耳を預けるだけで、何かが始まる予感がする店だ。松山で「音楽の話ができる人」を探しているなら、まずは池川さんの店に顔を出してみることをおすすめする。

JAZZ IN GRETSCHはジャズとグレッチのギターを愛するマスターが営む店で、週末には地元のジャズミュージシャンが集まってジャムセッションやオープンマイクが開かれる。ボーカル限定のオープンマイクの日もあり、歌い手だけでも気軽に参加できる。KEYSTONE BARは三番町のビル3階にある落ち着いた空間で、プロのミュージシャンによる生演奏を中心に、ハイクオリティな音楽を静かに楽しめる大人の店だ。

松山のセッションシーンは「ジャズ」の濃度が特に高い。これは街のサイズに対してジャズ系の店が多いという、松山ならではの特徴だ。ジャズのスタンダードを何曲か弾けるようになれば、週末ごとに居場所が見つかる街でもある。ジャムセッションの始め方も参考にしてほしい。

松山・愛媛出身のアーティスト

アーティスト 出身地 代表曲・特徴
水樹奈々 新居浜市 「深愛」「ETERNAL BLAZE」。1997年声優デビュー、2000年歌手デビュー。2010年に新居浜ふるさと観光大使就任
Superfly(越智志帆) 今治市 「愛をこめて花束を」。松山東雲短大+松山大学の軽音サークルで結成、2007年メジャーデビュー
秋川雅史 西条市 「千の風になって」。2007年オリコン1位。クラシック系テノール歌手としては異例のヒット
LUNKHEAD 新居浜市 愛媛県立新居浜西高校の同級生4人で1999年結成、2004年メジャーデビュー。オルタナティブロック
高橋久美子 四国中央市 元チャットモンチーのドラマー。現在は作詞家・作家としても活動

愛媛からは、声優ソングの水樹奈々、ソウルフルなヴォーカルで知られるSuperflyの越智志帆さん、クラシカルな歌唱の秋川雅史さんと、ジャンルもバラバラだが共通して「歌」の強いアーティストが多い。Superflyは松山の大学サークルから巣立っていった。松山大学の軽音サークルは今も活発で、ここから新しい才能が出てくる可能性は高い。

水樹奈々さんは新居浜市の出身で、地元に強い愛着を持ち続けていることで知られる。2010年には新居浜ふるさと観光大使に就任し、コンサートツアーの中で地元新居浜を大切な場所として語っている。声優として1997年にデビューしたあと、2000年に歌手としてもデビュー。アニメ主題歌を中心にオリコン上位の常連として、愛媛出身のアーティストの代表格になった。

Superflyの越智志帆さんは今治市出身で、松山東雲短期大学と松山大学の合同軽音サークルで、現在はプロデューサーを務める多保孝一さんとバンドSuperflyを結成した。2007年のメジャーデビュー以後、2008年のアルバム「Superfly」がオリコン1位を記録。ソウルフルで圧倒的なヴォーカルは、今治・松山という瀬戸内の街で育まれた。松山大学の軽音楽部は今も活発に活動していて、ここから新しい才能が生まれる可能性は十分にある。学生バンド出身者と組むと、練習の時間帯が柔軟で、バンド活動の継続に融通がきく面もある。

秋川雅史さんの「千の風になって」(2007年)はオリコン1位を記録し、クラシック系の声楽家としては異例の国民的ヒットとなった。西条市出身の秋川さんは、愛媛の豊かな自然の中で育ち、イタリア留学を経て日本のテノール界を代表する存在に。ロックとは畑違いに見えるが、「愛媛は歌が強い」という共通点がここにも現れている。愛媛でバンドを組むなら、ボーカリストの発掘に恵まれた土地柄であることは意識しておいて損はない。

LUNKHEADは新居浜西高校の同級生4人で1999年に結成された4ピースバンドで、愛媛で腕を磨いたあと東京で本格的にキャリアをスタートさせた。オルタナティブロックの本格派として評価が高く、「高校時代から続く仲間でバンドを続ける」という愛媛的な絆の強さを象徴している。高橋久美子さんは四国中央市出身で、チャットモンチーのドラマーとして活躍したあと、現在は作詞家・作家・詩人としての活動にシフト。音楽を起点に言葉の世界へ活動を広げている。

松山のミュージシャンとつながる入口

松山で音楽仲間と出会いたい場合の、具体的な「入口」を整理しておく。

入口 頻度 こんな人に向く
オオガスタジオに通う 週1〜2回 同じ曜日・時間帯に通うと常連同士が顔見知りになる
カフェ・ブリュに顔を出す 月1〜2回 音楽リスナーとして深い会話がしたい人、来松アーティストとの偶然の遭遇を狙う人
松山Monkのジャズライブに行く 週末 ジャズのスタンダードを本気で身につけたい人、プロの演奏を間近で見たい人
SALONKITTY/WstudioREDの対バンに行く 週末 ロック系でバンドメンバーを探したい人、地元バンドと対バンする関係を作りたい人
JAZZ IN GRETSCHのセッション 不定期週末 ジャズセッションで腕を磨きたい人、ボーカル限定オープンマイクに参加したい人
松山大学軽音サークルの演奏会 年数回(春秋) 若い世代と繋がりたい社会人ミュージシャン、学生バンドに刺激を受けたい人

大切なのは、この「入口」を複数同時に開けておくこと。1つだけに絞らず、月に2〜3回は違う場所に顔を出すことで、自分の音楽仲間ネットワークが自然に広がっていく。松山は狭い街なので、3か月も通えば「あの人いつもいるね」と店側から声がかかるようになる。これが松山で音楽仲間を作る最短ルートだ。

香川・高松でバンドメンバーを探す

バンド練習のドラムセットとギター
高松・瓦町エリアには四国最大級のライブハウスが集まる

高松は四国の中で最も都市機能が集積する街の一つだ。JR高松駅と瓦町駅を軸に、ライブハウス・スタジオ・セッションスポットが徒歩圏にまとまっている。MONSTER baSHの地元でもあり、四国のロックシーンの中心地とも言える。

高松の音楽シーンを語るうえで重要なのが、瀬戸大橋という地理的優位だ。高松駅から瀬戸大橋を渡って岡山駅までは約40分。新幹線に乗り換えれば関西・中国地方も日帰り圏だ。このアクセスの良さのおかげで、高松には本州からのツアーアーティストが頻繁に立ち寄る。地元バンドにとっては「メジャーアーティストの対バンに呼ばれる」チャンスが四国の他県より多いということでもある。

また、瓦町駅周辺は「夜の街」の機能が充実していて、ライブ終わりに打ち上げで使える居酒屋やバーが徒歩圏に集まっている。関西のバンドが遠征してきたときに「高松はライブ後の街歩きが楽しい」と言ってくれることも多く、これが対バンの輪を広げる一因にもなっている。

高松のライブハウス

会場 住所 キャパ 特徴
高松festhalle(フェストハーレ) 高松市常磐町1-3-2 スタンディング950 瓦町駅徒歩1分。2016年3月開業、四国最大級。こけら落とし=ゲスの極み乙女。公式HP
高松DIME(ダイム) 高松市南新町1-4 5F 350(可変200)/150 瓦町駅徒歩7分。2022年3月南新町へ移転リニューアル。公式HP
高松MONSTER(モンスター) 高松市瓦町2-6-14 B1F 約500 瓦町駅徒歩1分。ロック・V系中心。公式HP
高松オリーブホール 高松市南新町5-6 サンプレイスビル3F 着席200 瓦町駅徒歩4分。音楽・舞台兼用。公式HP
高松TOONICE(トゥーナイス) 高松市亀井町8-8 B1F 約120 瓦町駅西口徒歩6分。2013年オープン。レコードショップImpulse Records併設。公式HP

高松festhalleは2016年3月にオープンした四国最大級(スタンディング950人)のライブハウス。こけら落とし公演がゲスの極み乙女だったことからもわかる通り、大型のツアーアーティストが四国に来る時の主戦場になっている。地元バンドにとっては「いつかfesthalleの看板に名前を載せたい」という目標になるハコだ。瓦町駅徒歩1分という立地も圧倒的で、遠方からの遠征にも不都合がない。音響設備も最新で、大型公演を想定した設計になっている。

festhalleができる前の高松のライブシーンは、MONSTERやDIMEといった300〜500人規模のハコが中心で、1,000人規模のアーティストを呼ぶときは高松市民会館やサンポート高松(多目的ホール)を使うしかなかった。festhalle誕生によって、初めて「本格的な大型ライブハウス」が四国に登場したことになる。地元バンドにとっても、小箱→中箱→大箱という成長ルートが地元完結で描けるようになった意義は大きい。

TOONICEはキャパ120の小箱ながら、併設のImpulse Recordsと一体化したインディー文化の発信拠点。ここで対バンに出ていた若手が、数年後にfesthalleのステージに立つ — そんなサクセスストーリーの起点になる場所でもある。

高松DIMEは南新町に移転リニューアルした中規模ハコで、350人(可変200)キャパという使い勝手のいいサイズ感が特徴。インディーズバンドのワンマンから中規模対バンまで柔軟に対応でき、近年は高松のバンドシーンの新しい重心になりつつある。高松MONSTERは瓦町駅徒歩1分の好立地で、ロックやV系のイベントが多く組まれる。ジャンル色の強いハコを選んで出演することで、同じ音楽性の仲間と出会いやすくなる。

オリーブホールは着席200のキャパで、音楽だけでなく舞台公演や朗読イベントでも使われる複合的なホール。アコースティックのソロ公演や、弾き語りのライブを考えている人には最適なサイズだ。社会人バンドの始め方で紹介したような、大人のバンドの発表会にもよく使われている。

高松の練習スタジオ

スタジオ 住所 料金 特徴
高松ELEVEN STUDIO 高松市御厩町1662-1 要問合せ 駐車場30台完備。airrsv.net予約+TEL 080-6389-8938。公式HP
M-studio 高松市レインボーロード沿い 1,500円/時間 市街地からアクセス良好。公式HP

高松は車社会のため、駐車場完備のELEVEN STUDIOのような郊外型スタジオが重宝される。逆に瓦町界隈で練習したいバンドには、市街地のM-studioが便利だ。

高松のセッション

店名 住所 内容
Nomad Jazz Live & School 高松市瓦町1-11-17 毎週木曜オープンマイク + 第3土曜ジャムセッション。ジャズ系。公式HP

Nomad Jazz Live & Schoolは高松のジャズシーンの拠点で、毎週木曜のオープンマイクと第3土曜のジャムセッションが定期的に開かれている。ジャムセッションの始め方で解説した通り、定期開催のセッションは初対面のミュージシャンと合わせる練習として最適だ。毎週木曜という頻度は、継続的に顔を出すことで人間関係が積み重なりやすい。3〜4回通えば、常連さんから「今度一緒に何か組まない?」と声がかかることも少なくない。

瓦町界隈には他にも小さなジャズバーやライブスペースが点在していて、飛び入りセッション可の店もある。高松のジャズシーンを知りたいなら、Nomadを起点に瓦町エリアを夜歩きするのが一番早い。店の店主同士も繋がっていて、「あの店のセッションに出ているなら」と別の店の常連さんを紹介してくれることもある。これが四国の音楽シーンの濃さだ。

高松・香川出身のアーティスト

アーティスト 出身地 代表曲・特徴
マキシマム ザ ホルモン ダイスケはん 高松市 2004年加入。ラウドロックの代名詞的バンドのパフォーマンスを支える
GO!GO!7188 ターキー 三豊市 「こいのうた」。2000年メジャーデビューの3ピースロックバンド(ドラム担当)
笠置シヅ子 東かがわ市 「東京ブギウギ」(1939年)。朝ドラ『ブギウギ』モデル。日本のジャズ・ブギの母
小倉博和 高松市 1983年デビューのセッションギタリスト。押尾コータローとのユニット「山弦」

香川出身のアーティストはジャンルの幅が広い。マキシマム ザ ホルモンのダイスケはんのようなラウドロック、GO!GO!7188のパワフルな3ピースロック、そして朝ドラの主人公モデルにもなった笠置シヅ子。小倉博和さんは押尾コータローさんとの「山弦」でも知られる、日本屈指のセッションギタリストだ。

笠置シヅ子さんの「東京ブギウギ」(1947年)は、戦後日本のエンターテインメントの象徴とも言える楽曲。2023〜24年のNHK朝ドラ『ブギウギ』で笠置さんの人生が描かれたことで、香川県東かがわ市との縁があらためて多くの人に知られた。ジャズ・ブギを日本に広めた功労者であり、香川の誇りだ。

GO!GO!7188のターキー(細川央行)さんは三豊市出身で、ドラマーとして2000年にメジャーデビューした3ピースロックバンドの一員。「こいのうた」のストレートなロックンロールは今聴いても色褪せない。四国の田舎町からメジャーに飛び出した存在として、後進のバンドマンに大きな刺激を与えている。

香川には、マキシマム ザ ホルモンのダイスケはんのような「超個性派」と、笠置シヅ子さんや小倉博和さんのような「歴史を作った本物」が共存している。ジャンルに縛られない県民性が音楽的な多様性を生んでいるのかもしれない。

小倉博和さんは1983年デビューのセッションギタリストで、井上陽水さん・松田聖子さん・福山雅治さんら、数え切れないほどの大物アーティストの楽曲でレコーディング・ライブに参加してきた日本屈指のプロ。押尾コータローさんとの二人組ユニット「山弦」は、アコースティックギター2本だけで織りなす音楽世界の深さで熱狂的なファンを持つ。高松出身のプロギタリストとして、後進のミュージシャンへの影響力は計り知れない。

徳島でバンドメンバーを探す

ジャズバーのカウンターと楽器の雰囲気
徳島は米津玄師を生んだ街。阿波の土壌には独特の音楽的パワーがある

徳島は、米津玄師という世界的アーティストを生んだ街だ。それだけで、音楽シーンのポテンシャルを語るには十分だろう。中心部の秋田町・銀座・富田エリアに、小箱ながら個性の強いライブハウスが集まっている。

徳島の音楽シーンの特徴は、「小さくて濃い」ことに尽きる。徳島市の人口は約24万人と四国の県庁所在地の中では最も小さいが、その分、バンドマン同士の顔見知り率は驚くほど高い。ライブハウスに3回通えば、ほぼ全員の名前と顔が一致するような濃度だ。匿名性で関係を築く大都市とは真逆の世界で、「みんなが知り合い」であることが良くも悪くも徳島のバンドシーンを特徴づけている。

また、徳島の音楽文化の背景には阿波踊りがある。800万人以上の見物客が訪れる8月の阿波踊りは、地元の人々の生活の中にリズムと音楽を深く根付かせている。幼い頃から鉦(かね)と太鼓のビートを浴びて育つため、リズム感のベースラインが街全体に備わっているような土壌がある。米津玄師さんの楽曲に通底するリズム構造の独特さも、この土壌と無縁ではないかもしれない。

阿波踊りに使われる「二拍子のループ」「段階的な盛り上げ」「掛け合い」といった構造は、ロックやポップスの楽曲構成と通じる部分がある。徳島のバンドマンが「うちのリズム感は違う」と自信を持って語る背景には、こうしたルーツ的な音楽体験がある。もし徳島で活動するなら、一度は連(れん=踊りの集団)に参加して現場で阿波踊りのリズムを体感してみるのもおすすめだ。自分のバンド楽曲を作る時の感覚が変わるかもしれない。

徳島のバンドシーンは、「ロック/V系/パンクが強い」という特色がある。GRINDHOUSEの公式イベントカレンダーを見ると、V系バンドの来徳率が高く、地元のV系バンドも複数活動している。関西のV系シーンと親和性が高いのは、地理的に近い明石海峡大橋経由で神戸・大阪のシーンと頻繁に行き来があるためだ。徳島拠点のV系バンドにとって、大阪は一番の遠征先になる。

徳島のライブハウス

会場 住所 キャパ 特徴
徳島club GRINDHOUSE(グラインドハウス) 徳島市秋田町2-23 ジョイフルビル 250 徳島駅徒歩圏。徳島最大のロック拠点。老舗JITTERBUGが2010年改名リニューアル。ロック・V系・パンク・メタル・HipHop。公式HP
徳島CROWBAR(クロウバー) 徳島市銀座16-1 東山ビル1F 徳島駅徒歩圏。ライブ・DJ・パーティー兼用。公式HP
徳島Swing(スイング) 徳島市秋田町2-36 40 阿波富田駅徒歩10分。ジャズ専門。徳島ジャズストリート参加店。公式HP

徳島club GRINDHOUSEは、元は「JITTERBUG」という名前で長年徳島のロックシーンを支えてきた老舗だ。2010年にGRINDHOUSEと改名リニューアルし、現在は徳島最大のロック拠点として機能している。キャパ250というサイズは、地元バンドがメジャーアーティストの前座を務めるにもちょうどよく、ホームの対バンにも使いやすい。

徳島Swingはキャパ40の小さなジャズバーだが、1988年から続く徳島ジャズストリート(年2回開催)の参加店でもあり、徳島のジャズシーンの重要な拠点だ。小さな店だからこそ、ミュージシャンとの距離が近い。

徳島CROWBARは銀座エリアにあるライブとDJが融合したスペースで、夜遅い時間帯にパーティー形式のイベントが頻繁に組まれている。バンド単体のライブだけでなく、DJと生楽器のセッション、VJ(ビジュアルジョッキー)との合作公演など、ジャンルの境界をあえて曖昧にするイベントが特色だ。「ロックもクラブもどっちも好き」というタイプの音楽ファンには嬉しい場所だ。

徳島のライブハウスは数こそ多くないが、それぞれが明確なカラーを持っている。「ロック/V系ならGRINDHOUSE」「ライブもDJもならCROWBAR」「ジャズならSwing」という住み分けが機能していて、自分の音楽性に合ったハコを選びやすいのが徳島のいいところだ。ライブハウスに出演する方法で解説した「自分のバンドに合うハコを選ぶ」という基本が、徳島では特に大事になる。

徳島の練習スタジオ

スタジオ 住所 料金 特徴
スタジオトリゴロ 徳島市大松町榎原外77 個人800円〜/バンド1,900〜2,300円 徳島のバンドマン定番。個人Cスタは1名800円から。公式HP

スタジオトリゴロは徳島のバンドマンの定番中の定番。個人練習向けの「Cスタ(1名800円)」と、バンド練習向けの部屋が使い分けられており、1人で詰めたい時と4人で合わせたい時の両方に対応できる。

徳島のセッション

店名 住所 内容
GOTO'S BAR 徳島市秋田町1-23 プラザパート2 5F 毎週水曜20:00〜。ジャズ。ドラム/ウッドベース/ピアノ/ギター完備。2,000円(2ドリンク+おつまみ、学割あり)。公式HP

GOTO'S BARの毎週水曜セッションは、楽器の完備・明朗会計・学割ありと、初心者が参加するハードルが下がる仕組みが整っている。「ジャムセッションに行ってみたいけど、何を持っていけばいいかわからない」という人でも、まず手ぶらで一回顔を出してみるといい。ドラム・ウッドベース・ピアノ・ギターが全て店に置かれているので、極端な話、譜面だけ持っていけば参加できる。2,000円で2ドリンクとおつまみが付くのは良心的な設定で、学生はさらに割引がある。

徳島のセッション文化は、ジャズ・ブルース系が中心だ。ロック系の飛び入りセッションは定期開催されているものが限られるが、GRINDHOUSEで定期的に企画される対バンイベントの打ち上げで、バンド同士がその場で組み合わせを変えて即興セッションをすることがある。こうした「公式イベントの隙間に生まれるセッション」こそが、徳島らしい音楽の広がり方だ。

徳島出身のアーティスト

アーティスト 出身地 代表曲・特徴
米津玄師 徳島市津田地区 「Lemon」「パプリカ」「KICK BACK」。2012年ハチ名義ボカロP、2013年本名で本格始動。徳島商業高校卒
チャットモンチー 徳島市 「シャングリラ」。2000年結成、2005年メジャー、2018年完結
アンジェラ・アキ 板野郡板野町 「手紙 〜拝啓 十五の君へ〜」。2005年メジャー。徳島生まれ、小学校を徳島市で過ごす
四星球(スーシンチュー) 徳島 「クラーク博士と僕」。鳴門教育大学軽音出身、2002年結成。コミックバンドの奇才

徳島からは、米津玄師という日本音楽史に残るアーティストが出た。2010年代にはじまり、「Lemon」「パプリカ」「KICK BACK」と、世代を超えたヒットを連発してきた。高校時代を徳島商業高校で過ごし、東京でハチとしてボカロPを始め、本名で世界に届く楽曲を放ち続けている。

そして忘れてはいけないのがチャットモンチー。2000年に徳島で結成された彼女たちは、「シャングリラ」で2005年にメジャーデビューし、2018年に惜しまれつつ完結した。徳島のガールズロックを全国に届けた功労者だ。

さらに、アンジェラ・アキは板野町出身で、徳島市の小学校に通った後、世界各地での生活を経て「手紙 〜拝啓 十五の君へ〜」で2008年NHK紅白歌合戦に出場。四星球は鳴門教育大学の軽音からスタートし、全力のエンターテインメントでフェスの定番となった。

アンジェラ・アキさんの「手紙 〜拝啓 十五の君へ〜」は、2008年のNHK「全国学校音楽コンクール」中学校の部の課題曲として書かれた楽曲。父が日本人、母がアメリカ人という国際的なルーツを持つ彼女が、徳島での幼少期を経て、岡山、アメリカ、東京で経験を積み、日本語で放った楽曲の力強さは世代を超えて愛されている。

四星球は鳴門教育大学軽音サークルから始まった、エンターテインメント性に特化したパンクロックバンド。学生バンド→全国区という道筋を、独自のキャラ立ちで実現した。「クラーク博士と僕」や「黒色すみれ」など、コミカルな世界観と本物のバンドサウンドを両立させた稀有なバンドで、四国のバンドシーンに「面白さで勝負する」という新しい選択肢を示した。

米津玄師・チャットモンチー・アンジェラ・アキ・四星球 — この多彩な顔ぶれが、徳島という街の音楽的パワーを物語っている。

興味深いのは、徳島出身のアーティストに「作詞作曲を自分で手がけるシンガーソングライタータイプ」が多いことだ。米津玄師、チャットモンチーの橋本絵莉子(作曲担当)、アンジェラ・アキ、四星球 — いずれもオリジナル楽曲で勝負している。街の規模が小さい分、「人の真似ではなく自分の表現を作らないと飽きられる」というプレッシャーが若い頃からあるのかもしれない。徳島で音楽をやるなら、バンドでオリジナル曲を作る方法は早い段階で意識しておく価値がある。

米津玄師さんについてもう少し詳しく語りたい。彼は徳島市津田地区で育ち、徳島商業高校卒業後、東京の美術大学へ進学。在学中にハチ名義でVOCALOIDプロデューサーとして活動を始め、2013年から本名名義で本格的にシンガーソングライターとして活動を展開した。「Lemon」(2018年)のヒットは日本音楽史に残る大きな出来事で、Apple MusicやSpotifyでの累計再生回数は世界の音楽市場においても屈指。さらに「パプリカ」「感電」「KICK BACK」「Pale Blue」と、ヒットを量産している。徳島という地方都市出身のアーティストが、世界規模で聴かれる楽曲を生み出している事実は、地方在住の若いミュージシャンにとって大きな希望になる。

チャットモンチーは2000年に徳島市で結成され、2005年のメジャーデビュー以降、ガールズバンドシーンに大きな影響を与えた。女性3人(後期は2人)のバンドでありながら、ロックのエネルギーとポップのメロディセンスを兼ね備え、「シャングリラ」「恋の煙」「風吹けば恋」など数々の楽曲を残した。2018年の完結後、メンバーはそれぞれソロや別プロジェクトで活動している。徳島から全国区のガールズロックが生まれたことは、地方のバンドシーンに希望を与え続けている。

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高知でバンドメンバーを探す

ライブハウスの観客とステージの熱気
高知のライブシーンははりまや橋周辺に凝縮している

高知は太平洋に開けた街だ。四国の他3県とは気候も気質も少し違う、南国の開放感がある。ライブハウスははりまや橋周辺の狭いエリアに凝縮していて、徒歩でハコ巡りができる規模感が魅力だ。

高知の県民気質は「いごっそう」という言葉で表現されることがある。頑固で人情に厚く、一度信頼した相手とはとことん付き合う。この気質はバンドシーンにも反映されていて、地元のバンドが一緒に活動する期間が長い傾向にある。仲間と組んだら長続きしやすい土地柄と言えるかもしれない。

気候面では、夏は蒸し暑く湿度が高いが、冬は比較的穏やか。太平洋に面しているため海の幸が豊富で、ライブ終わりの打ち上げで「カツオの藁焼き」を食べながら音楽の話をする — そんな高知らしい時間が、バンドメンバー同士の絆を深めることも多い。

高知の音楽シーンを象徴するのが「よさこい祭り」だ。8月9〜12日に開催されるよさこい祭りは、阿波踊りと並ぶ四国の夏祭りの双璧。参加チームはアレンジされた楽曲と振付で独自性を競い合う。このよさこいの音楽アレンジに関わるミュージシャンは高知に多く、打ち込みとバンド演奏の両方を操れる技術を持つプレイヤーが育っている。「アレンジ仕事ができる人材」が地元に多いのは、高知のバンド活動にとって大きな強みになる。

よさこいの前後、8月はじめから下旬にかけて、高知市内の飲食店やライブハウスで音楽イベントが増える。観光客とミュージシャンが混ざり合う夏の夜、はりまや橋周辺はライブの音と歌声で賑わう。この時期に高知のライブハウスを訪れると、年間で最もエネルギッシュな高知の音楽シーンに触れられる。

高知のライブハウス

会場 住所 キャパ 特徴
高知X-pt.(クロスポイント) 高知市はりまや町1-5-1 デンテツターミナルビルBF 350 はりまや橋駅徒歩1分。2006年12月オープン、高知最大のライブハウス。公式HP
高知ri:ver(リバー) 高知市はりまや町 70 はりまや橋駅徒歩圏。2018年3月オープン、X-pt.姉妹小箱
高知BeeSTATion(ビーステーション) 高知市はりまや町1-5-18 スタンディング約250 はりまや橋駅徒歩圏。1F=イベントホール&カフェ、2F=リハーサル&レコスタ。公式HP
高知CHAOTIC NOISE(カオティック・ノイズ) 高知市帯屋町1-2-1 ASTER BLD BF 約50 蓮池町通駅徒歩1分。昼=レコード店、夜=ライブハウス。帯屋町商店街地下。Facebook

高知X-pt.は2006年12月オープンの高知最大のライブハウスで、はりまや橋駅徒歩1分という立地抜群のロケーション。キャパ350は四国の県庁所在地クラスとしては標準的なサイズで、大型バンドのツアーにも対応できる。姉妹店のri:ver(キャパ70)と組み合わせれば、同じ夜に大箱と小箱をハシゴすることもできる。

BeeSTATionは1Fをライブハウス、2Fをリハーサル&レコーディングスタジオとする複合施設で、高知のバンドがワンストップで活動できる環境を提供している。「練習→ライブ→レコーディング」を全部同じビル内で完結できる仕組みは、地方都市としては珍しい。

CHAOTIC NOISEは昼はレコードショップ、夜はライブハウスという二面性のある店。帯屋町商店街の地下にあり、レコード好きが集まるインディー文化の拠点になっている。昼に店でレコードを漁っていたら、夜そのステージに立つバンドの人と知り合う — そんな偶然の出会いが生まれやすい空間だ。

高知のライブハウスのもう一つの特徴は、「はりまや橋駅徒歩1〜5分圏内にすべて収まる」ことだ。X-pt.、ri:ver、BeeSTATionは全てはりまや橋駅から徒歩圏で、さらにCHAOTIC NOISEは隣の蓮池町通駅徒歩1分。つまり、徒歩でハコ巡りが可能な凝縮エリアが高知のライブシーンなのだ。1日に2〜3ハコを回る「ハコ巡り」は、仲間探しの効率がとても良い。

高知の練習スタジオ

スタジオ 住所 料金 特徴
プレイヤーズラボ 高知市新本町2-6-20 700円(1名)〜2,000円(5名) 初回会員登録制。公式HP
BeeSTATion 2F 高知市はりまや町1-5-18 要問合せ リハーサル&レコスタ。1Fライブハウスと直結。公式HP

プレイヤーズラボの1名700円・5名2,000円という料金体系は、四国の中でも随一の良心価格だ。5人で入っても1人400円で済む。練習頻度を上げたいバンドには願ってもない環境だろう。初回は会員登録制で、公式サイト(players-lab.amebaownd.com)から申し込める。個人練習にも使えるので、ギタリストが家ではできないアンプの音作りをしたい時や、ドラマーが生ドラムを叩きたい時にも重宝する。

BeeSTATionの2Fはリハーサル&レコーディングスタジオで、1Fのライブハウスと直結しているのが最大の特徴。本番前にそのまま2Fでリハ、1Fで本番、打ち上げも同じビル内 — という動線が組める。機材の搬入搬出の手間が一気に減るため、特に遠方から来るメンバーにとっては助かる仕組みだ。

高知のセッション

店名 内容
ジャムセッションin高知 月1回不定期開催。SNSで告知。会場はCARAVANSARY/Bar Salvador/八囃藏のローテーション。公式HP
ジャズ喫茶木馬 1963年創業。通常営業14:00-21:00。高知のジャズ文化の語り部的存在。公式HP

ジャムセッションin高知は月1回不定期で、会場はCARAVANSARY・Bar Salvador・八囃藏を順にローテーションしている。SNSで告知されるので、フォローしておくと情報を逃さない。

ジャズ喫茶木馬は1963年創業 — 60年以上続く高知の音楽文化の語り部だ。セッションの場ではないが、高知のジャズファンなら一度は立ち寄る店。ここで「バンド組みたいんですよね」という会話から仲間が繋がる、というのが高知らしい。

ジャムセッションin高知の会場ローテーション(CARAVANSARY/Bar Salvador/八囃藏)は、それぞれ違う雰囲気を持っている。CARAVANSARYはエスニックな内装の多国籍空間、Bar Salvadorは大人のバー、八囃藏は蔵をリノベした土佐らしい空間。同じセッションでも会場によって集まる客層が微妙に違うので、3回通えば3種類の高知の夜を味わえる。この回遊性が、高知のセッションシーンの面白さだ。

高知出身のアーティスト

アーティスト 出身地 代表曲・特徴
岡本真夜 中村市(現・四万十市) 「TOMORROW」。1995年、累計177万枚の大ヒット。高知が生んだシンガーソングライター
七尾旅人 高知市 「Rollin' Rollin'」「兵士A」。1998年18歳でデビュー、日本のインディーミュージックを牽引
さかいゆう 土佐清水市 「ストーリー」。2009年メジャー。R&B/ソウル/ピアノヴォーカル
sympathy(シンパシー) 高知市 2017年メジャーデビュー。高知小津高校フォークソング部出身、ガールズロック

岡本真夜さんの「TOMORROW」(1995年)は、いまだにカラオケの定番曲だ。累計177万枚という数字の重さは、地方都市から生まれたシンガーソングライターとしては驚異的だ。七尾旅人さんは1998年に18歳でデビュー、日本のインディーミュージックを独自の感性で牽引してきた存在。さかいゆうさんはR&B/ソウル/ピアノヴォーカルという、高知の南国気質を感じさせる音楽性が魅力。

sympathyは高知小津高校フォークソング部出身の3ピースガールズバンドで、2017年にメジャーデビュー。地元の部活動から全国に出ていくという、高知的なサクセスストーリーだ。

岡本真夜さんの「TOMORROW」は1995年のリリースながら、今もCMやテレビ番組で耳にする機会が絶えない普遍的な楽曲。中村市(現・四万十市)出身というバックグラウンドを持ちながらも、その歌詞は都会も地方も関係ない普遍的な希望を歌っている。「地方出身でも全国区の楽曲は書ける」という事実を、岡本さんは証明している。

七尾旅人さんは1998年にデビューした高知市出身のシンガーソングライター。商業的ヒットよりも、音楽的な探究と表現の誠実さで評価されているタイプのアーティストだ。「Rollin' Rollin'」「兵士A」など、社会的な視点を持ちながらも詩的に昇華した楽曲を世に出し続けている。インディーミュージックの世界で高知の名を世界に届けた存在だ。さかいゆうさんは土佐清水市出身のR&B/ソウル系シンガー。ピアノの弾き語りを軸にしたステージングは、高知の太平洋の開放感をそのまま音楽にしたような、伸びやかさを感じさせる。

4県の比較 — どこで活動するべきか

四国4県のバンド環境を、主要7項目で比較した。地元以外での活動を検討している人の参考にしてほしい。

項目 愛媛・松山 香川・高松 徳島 高知
中心都市の人口 約50万人 約41万人 約24万人 約32万人
ライブハウス数(紹介した主要会場) 4会場 5会場 3会場 4会場
最大キャパ 450人(WstudioRED) 950人(festhalle) 250人(GRINDHOUSE) 350人(X-pt.)
スタジオ料金相場(1時間) 600〜1,600円 1,500円前後 800〜2,300円 700〜2,000円
セッション定期開催 不定期(週末) 週1+月1 週1(水) 月1
特色 老舗文化+ジャズ濃度高 四国最大級ハコあり+モンバス地元 米津玄師の街+V系/パンク強 はりまや橋集中+レコスタ直結型
本州への近さ 広島フェリーで松山〜呉 2.5時間 岡山・瀬戸大橋40分 神戸・明石海峡橋2.5時間 岡山・瀬戸大橋2時間(高速)

大型ハコで比べれば高松festhalle(950人)が突出しており、四国で大型ツアーを呼びたいバンドにとっては高松が最優先エリアだ。一方、スタジオ料金の安さでは松山のオオガスタジオ(600円)が全国でも屈指の水準で、練習頻度を上げたいバンドは松山が有利になる。

本州へのアクセスでは、高松から瀬戸大橋で岡山に出られるのが最短(約40分)。高松拠点なら岡山・広島・大阪への遠征が現実的な射程に入る。広島とバンド活動を組み合わせたい人は、広島でバンドメンバーを探す方法も参考にしてほしい。

4県別・こんな人にオススメ

タイプ オススメの県 理由
とにかくスタジオ代を抑えて練習頻度を上げたい 愛媛・松山 オオガスタジオ600円/時間は全国屈指の安さ
大型ツアーアーティストの前座を目指したい 香川・高松 festhalle 950人キャパ、本州からのアクセス最良
個性的なオリジナル楽曲で勝負したい 徳島 米津玄師を生んだ街の土壌、小さくて濃いシーン
仲間との結束を大事にしてじっくり続けたい 高知 「いごっそう」気質で、一度組めば長く続きやすい
ジャズの濃度が高い環境で活動したい 愛媛・松山 / 高松 Monk(松山)やNomad(高松)など定期セッション店
本州とのダブル拠点で活動したい 香川・高松 瀬戸大橋で岡山40分、関西圏も日帰り可能

もちろん、これは一般的な傾向であって絶対ではない。実際に住んでいる県、通勤・通学圏、家族の事情などを踏まえて、自分にとって一番動きやすいベースキャンプを選ぶのが正解だ。四国内での県またぎ移動も、高速道路網が整備されているので決して不可能ではない。松山〜高松間は約2時間、松山〜高知間は約2時間30分、高松〜徳島間は約1時間。地元県+隣接県で活動するというスタイルも十分ありえる。

四国の音楽シーンの歴史的背景

ここで少し、四国の音楽シーンがどうやって今の形になったかを振り返っておきたい。歴史を知ると、今ある街の音楽文化の厚みがよく見えてくる。

四国の音楽文化の歴史は、1970年代のフォークブームから本格化した。吉田拓郎や井上陽水(隣県福岡出身)の影響で、松山・高松・徳島・高知の各県にフォーク酒場やライブハウスが誕生。この時期に開業した店の多くは閉店しているが、松山Monk(1985年)・松山のカフェ・ブリュの前身店・高知ジャズ喫茶木馬(1963年)など、一部は今も残っている。

1980年代にはロックバンドブームが到来。BOØWYや尾崎豊に憧れた四国の若者たちが、地元でバンドを結成し始める。この世代が四国の現在のバンドシーンの基盤を作った。松山のSALONKITTYのような老舗ライブハウスは、この時代の熱気を今も受け継いでいる。

1990年代から2000年代初頭にかけては、四国出身アーティストのメジャー進出が相次ぐ。GO!GO!7188(2000年)、チャットモンチー(2005年)、Superfly(2007年)、マキシマム ザ ホルモンのダイスケはん加入(2004年)。「地方出身でも全国区になれる」という証明が、四国中のバンドマンを奮い立たせた時期だ。

2010年代以降は、米津玄師に象徴されるインターネット時代の到来。動画投稿サイトと音楽配信サービスの普及で、「地方にいながら世界に届ける」という選択肢が現実のものとなった。四国の音楽シーンは、今、新しい世代の才能を育てる土壌として再評価されている段階にある。

この50年の歴史を考えると、四国でバンドを組む若者が「自分にもチャンスがある」と信じられる根拠は十分にある。先人たちが切り開いた道の上を、次世代のバンドが歩いていく。あなたもその一員になれる可能性は、確実にある。

メンバー募集サービス5社比較 — 四国で使うならどれ

四国のように人口密度が低いエリアでは、単一のサービスだけに頼ると候補者が集まらない。複数同時掲載が鉄則だ。主要5社を四国での使い勝手で比較した。

サービス 四国対応 多言語 特徴 料金
Membo ◎ 4県+エリア絞込 8言語 リアルタイム翻訳チャット。四国在住の外国人ミュージシャンとも繋がれる 無料
OURSOUNDS ○ 4県対応 日本語のみ 老舗、掲示板形式。募集数が多い 無料
with9 ○ 4県対応 日本語のみ ジャンル検索が充実、プロフィール詳細 無料
さかなの会(BBS) ○ 4県対応 日本語のみ シンプルな掲示板。気軽に投稿できる 無料
ジモティー ○ 主要市対応 日本語のみ 地元密着、音楽以外の募集も多い 無料

四国4県の合計人口は約370万人。東京都の1/4にも満たないため、1つのサービスだけに載せても候補が来ないことが多い。Memboで第一に出す + OURSOUNDS/with9で補完 + 地元ライブハウスの掲示板 という3層構えが、四国では現実的な戦略だ。

特に松山・高知・徳島には外国人留学生や技能実習生も住んでいる。バンドメンバーが見つからない人の共通点5つと解決策で触れたように、候補者の母数を増やすための工夫の一つとして、多言語対応のMemboを使えば、日本語が苦手でも音楽スキルの高い在住外国人と繋がれる可能性が広がる。

サービス使い分けのコツ

5社を同時掲載するといっても、書く内容は全て同じでいい。ただし、掲載後のフォローが大事になる。

  • Membo: プロフィール欄を充実させる。自分の音楽性や活動歴を写真付きで伝えられる
  • OURSOUNDS: 返信率が高いのが特徴。連絡が来たらその日のうちに返す
  • with9: ジャンル・楽器のタグを正確に設定する。検索でヒットするかが勝負
  • さかなの会(BBS): 投稿が流れやすいので、1〜2週間ごとに再投稿する
  • ジモティー: 地元密着なので「◯◯市」「◯◯駅周辺」のローカル情報を明記

複数掲載していると、同じ内容の問い合わせが別のサービスから同時に来ることがある。その場合は、どのサービス経由でも同じトーンで返信することが基本。音楽的な相性を見極める会話は、使うサービスに関係なく同じ順序で進めたほうがお互いに判断しやすい。

四国向け募集文の書き方 — フェリー・橋・車社会を活かす

四国でメンバー募集文を書くときは、本州や都市部と違う事情を踏まえる必要がある。鉄道の本数が少なく、車社会であること。県をまたぐ移動に橋やフェリーが絡むこと。これらを前提にした書き方に直すと、候補者からの反応率が変わる。

項目 良い例(四国の事情を踏まえた書き方) 悪い例
活動エリア 「松山市駅周辺のオオガスタジオで月2回、土曜午後に練習。駐車場あり、郊外からも通いやすい」 「松山市内で活動」(駐車場の有無が書かれていない)
アクセス 「高松駅・瓦町駅どちらからも徒歩圏。車通勤の方は駅周辺のコインパーキング利用可」 「アクセス良好」(四国では「アクセスのよさ」の基準が人により違う)
対象エリア 「徳島市内+鳴門・阿南からの通いも歓迎。神戸・淡路島方面からの方も可(明石海峡橋ルート)」 「徳島の方」(通勤可能圏が不明確)
頻度 「月2回、土曜午後。交通費・駐車代は割り勘。遠距離の方のためにオンライン打合せも併用」 「週末に練習」(何時から何時か、遠距離可能か不明)
ジャンル 「米津玄師・チャットモンチーが好きな方歓迎。オルタナ/ギターポップ系のオリジナル中心」 「ロック系」(伝わらない)

四国最大のポイントは「駐車場情報」を明記することだ。大都市なら駅前集合で済むが、四国では車で来る人の方が多い。スタジオの駐車場の有無、周辺コインパーキングの相場(時間200〜400円が相場)、機材の搬入動線 — これらの情報が募集文に入っているかどうかで、連絡率が大きく変わる。

また、高松からは瀬戸大橋を渡れば岡山。松山からはフェリーで広島。徳島からは明石海峡橋で神戸・淡路島。四国は本州とのつながりが太い。「県外からの通いも歓迎」の一文を入れるだけで、候補の範囲が一気に広がる。

募集文の基本はバンドメンバーが見つからない人の共通点5つと解決策に詳しくまとめている。合わせて、バンドの音楽性の違いで揉めない方法も事前に読んでおくと、募集段階でミスマッチを防げる。

四国で反応が来る募集文のテンプレート

実際に使える募集文の雛形を県別に用意した。そのままコピーして、自分のバンドに合わせてアレンジしてほしい。

松山での募集文(例)

【松山】オリジナル志向ロックバンド、ベース募集

・活動エリア: 松山市大街道周辺(オオガスタジオで月2〜3回練習)
・練習曜日: 土曜午後(相談可)
・ジャンル: オルタナティブロック、米津玄師・KEYTALK系のオリジナル中心
・年齢: 20代後半〜30代。
・楽器経験: 中級以上
・目標: 半年以内にSALONKITTYかWstudioREDに出演
・駐車場あり。松山郊外・今治・新居浜方面からの通いも可
・興味ある方はMemboでメッセージをください

高松での募集文(例)

【高松】瓦町エリア活動、ドラマー募集

・活動エリア: 瓦町駅徒歩圏(ELEVEN STUDIOで月2回練習)
・練習曜日: 日曜14:00〜18:00
・ジャンル: ロック/パンク。GO!GO!7188・銀杏BOYZが好きな方
・年齢: 20代
・目標: 来年の夏、festhalleかMONSTERでライブ
・駐車場あり。岡山方面からの方も瀬戸大橋経由で通勤可能な方歓迎
・対バン多めで活動中。週末土日どちらか空いている方が理想

このように「具体的な会場名」「目標時期」「活動エリアの通勤情報」を入れると、反応率が明らかに変わる。「四国の中心都市で活動したい」という漠然とした書き方より、「このハコに出るためにやる」と書いた方が、同じ目標を持つ人から連絡が来やすい。募集文を書いたら、公開前に一度、バンドの音楽性の違いで揉めない方法のチェック項目で確認することをおすすめする。

コスト全体像 — 四国でのバンド活動月額

四国4県それぞれで、月額のバンド活動コストを試算した。3段階の活動レベルで比較している。

月額コスト(4人バンド想定、1人あたり負担)

項目 最低限 標準 しっかり活動
スタジオ代(月4回×2時間、1人分) 1,200円(松山/高知)〜2,500円 2,500〜4,000円 4,000〜6,000円
ライブ出演(ノルマ、月0〜2回) 0円 3,000〜5,000円 10,000〜15,000円
交通費(車ガソリン代+駐車場) 2,000円 5,000円 8,000円
交際費(打ち上げ等) 2,000円 4,000円 6,000円
合計 約5,200〜6,500円 約14,500〜18,000円 約28,000〜35,000円

四国の最大のメリットは、「最低限」の活動なら月5,000円台で続けられることだ。特に松山のオオガスタジオ(600円/時間)や高知のプレイヤーズラボ(1名700円)は、東京のスタジオ相場の1/4程度。スタジオ代だけで月1万円浮く計算になる。

その分、ライブハウスのノルマ相場は東京より10〜20%安い傾向にある。「しっかり活動」で月3万円台なら、東京の半額程度で同じ内容のバンド活動ができる。4人バンドなら年間50万円以上の差だ。

コストの詳しい考え方はバンド活動にかかるお金のリアルを参考にしてほしい。仕事とバンドの両立で悩んでいる人は、バンド活動と仕事の両立もあわせて読んでみてほしい。

東京・大阪・四国の月額コスト比較

活動レベル 東京 大阪 四国(松山/高知) 四国(高松/徳島)
最低限 約12,000〜15,000円 約10,000〜12,000円 約5,200円 約6,500円
標準 約25,000〜30,000円 約20,000〜25,000円 約14,500円 約18,000円
しっかり活動 約50,000〜60,000円 約40,000〜50,000円 約28,000円 約35,000円

四国でバンドを続ける大きなメリットは、この「年間コスト差」だ。標準レベルで東京と比較すると、月あたり10,000円〜15,000円、年間で12万円〜18万円の差になる。この差額を楽器への投資、ライブ遠征費、レコーディング費用に回せば、バンド活動の幅が大きく広がる。

「四国でやっていても本州のバンドに負けないクオリティを目指せるか?」という問いに対する答えは、イエスだ。スタジオ代の差額で浮いた予算で、良いマイク、良いインターフェース、良いモニターヘッドフォンを揃える。そして家でじっくりデモを作り込む。ライブはクオリティ重視で月1〜2回に絞る。こうした「地方ならでは」の戦略で、近年の地方バンドは確実に全国クオリティに届いている。

メンバーが集まったら — 最初のスタジオ練習

バンド練習の風景、ギターとベース
最初の合わせは「合う・合わない」を見る大事な瞬間。選曲次第で手応えが変わる

メンバーが集まったら、まずはスタジオで一緒に音を出すことが第一歩になる。最初の1曲の選曲は、バンドの方向性を決める重要な判断だ。バンドで最初に合わせる曲の選び方で、定番の20曲をTier別に紹介している。

バンド練習の進め方についてはジャムセッションの始め方も参考になる。2時間のスタジオ時間の黄金配分、セッティング短縮のコツ、通し練習とセクション練習の使い分け — これらを知っているかどうかで、練習の密度が大きく変わる。

コピーバンドから始めたい人はコピーバンドの始め方を、ゼロからの初心者は初心者バンドの始め方 完全ガイドを読んでほしい。

もしドラマーが見つからない場合は、ドラム人口が少ない理由 — ドラマー不足の実態と見つけ方で四国に応用できる探し方のコツを紹介している。

四国でのバンド活動の流れ

四国でバンドを始めるとして、最初の3か月の具体的な流れを示すと以下のようになる。

時期 やること ゴール
1か月目 メンバー募集投稿(Membo+OURSOUNDS+ライブハウスの掲示板)、スタジオ下見、コピー曲候補3〜5曲を共有 メンバーと1回目のスタジオ合わせを実施
2か月目 月2〜3回のスタジオ練習。各自の役割分担を決める。簡単な録音を回して課題を可視化 コピー曲2曲を通しで演奏できる状態
3か月目 地元ライブハウスの対バン企画に応募。オリジナル曲の制作スタート。打ち上げで対バン仲間と交流 初ライブ出演 or ブッキング確定

大切なのは、3か月目に「ライブ出演」という明確な目標を置くことだ。締切がないと練習が甘くなる。初ライブの準備を通してバンドの結束が生まれ、次の段階のビジョンが見えてくる。この流れをつかめば、四国でもしっかり活動しているバンドとして地元に名前が広がっていく。

四国でバンドメンバー募集を成功させる一週間アクションプラン

記事をここまで読んでくれた人のために、具体的な「一週間アクションプラン」を用意した。明日から実行できる行動リストだ。

曜日 やること 所要時間
月曜 Memboに詳細なプロフィールを作成する(写真・音源・活動歴・目標) 約1時間
火曜 募集文を書き、Membo・OURSOUNDS・with9の3サービスに掲載 約1時間
水曜 地元ライブハウスの対バンスケジュールを確認し、週末のライブに行く予定を決める 約30分
木曜 練習スタジオに電話して、スタジオの掲示板に貼り紙させてもらう 約30分
金曜 SNS(X/Instagram)でバンド活動の様子を発信。ハッシュタグに県名+バンドメンバー募集を入れる 約30分
土曜 地元ライブハウスの対バンを観に行く。対バンの打ち上げに顔を出す 4〜5時間
日曜 ジャムセッションに参加。楽器を持って飛び入りする 3〜4時間

一週間続ければ、少なくとも5〜10人の地元ミュージシャンと顔見知りになれる。これは大都市では何週間もかかるステップだ。四国の狭さを逆手に取れば、こんなにも早くネットワークが築ける。

もちろん、全ての日をこなす必要はない。仕事や家庭の都合もあるだろう。それでも、週に2〜3日だけでも継続すれば、3か月後にはバンド仲間の候補がかなり増えているはずだ。焦らず、諦めず、続けることが四国のバンド活動を成功させる最大のコツだ。バンド活動と仕事の両立で、忙しい中でもバンドを続けるためのヒントを紹介している。

よくある質問

四国でバンドメンバーは見つかる?

見つかる。ただし東京や大阪と比べて候補者の母数は少ないので、Membo・OURSOUNDS・with9など複数の募集サービスに同時掲載するのが基本戦略だ。さらに地元のライブハウス(松山SALONKITTY/高松festhalle/徳島GRINDHOUSE/高知X-pt.)やスタジオの掲示板にも貼り紙をしておくと、ネット掲載では届かない層にも情報が回る。四国はコミュニティが狭いので、顔を売っておくことが連絡率を大きく上げる。

四国4県のうち、バンド活動が一番盛んなのはどこ?

ライブハウスの規模とツアーアーティストの来襲頻度では香川・高松が頭一つ抜けている。特にfesthalle(キャパ950)は四国最大級で、MONSTER baSHの地元でもあり、ロックシーンの中心地だ。一方、レコード文化の深さや老舗ジャズ店の数では愛媛・松山が魅力的。徳島は米津玄師を生んだ独特のパワーがあり、高知ははりまや橋周辺に凝縮した濃度が特徴。目的によって最適な県が変わる。

四国に住んでいるけど、本州のバンドに参加するのは現実的?

遠距離通いは無理ではないが、負担が大きい。ただし高松から岡山(瀬戸大橋40分)、松山から広島(フェリー約2.5時間)なら、月1〜2回の集中練習+オンライン連絡という形で成立することがある。実際、高松-岡山間を新幹線と組み合わせて2拠点で活動しているミュージシャンもいる。遠距離前提なら、録音データを共有しながらリモートでアレンジを詰めていく形がおすすめだ。

地方から米津玄師のように全国に出るには?

米津玄師さん自身は、徳島商業高校時代から東京に出て、ハチ名義でニコニコ動画に楽曲を投稿することから本格的なキャリアが始まった。つまり、作品をインターネットで発信することが出発点だった。四国にいても、YouTube/TikTok/Spotifyで楽曲を出せば世界中に届く時代だ。ライブ経験を積みながら並行してオリジナル曲を世界に向けて発信する — これが現代の地方発信の基本スタイルだ。コピーバンドの始め方から始め、経験を積んでオリジナルに移行するのが王道だ。

四国で録音したデモ音源を東京のレーベルに送るのは効果がある?

現代ではデモ音源を郵送する文化は少なくなっていて、代わりに「ネットで見つけてもらう」のが主流になった。YouTubeに楽曲をアップして再生数を積み上げる、SpotifyとApple MusicにDistroKidやTuneCoreなどの配信サービス経由で楽曲を出す、InstagramやTikTokで演奏動画を発信する — このような「自分の音源を公開された場に置いておく」活動が、レーベルからのスカウトにつながる。四国にいるという地理的ハンデは、インターネットの時代にはほぼ消えている。

四国のバンドが本州でライブをする時、スケジュールはどう組めばいい?

四国から本州への遠征は、移動時間の計算が大事になる。高松→岡山(瀬戸大橋40分)・広島(新幹線1時間10分)・大阪(高速バス約3時間)なら日帰り可能。松山→広島(フェリー2.5時間+呉駅)は日帰り可能だが朝早い。東京遠征は飛行機(松山・高松空港)を使うと約1時間30分で到着する。「土曜夜に遠征先でライブ、日曜に地元でライブ」という2連戦スケジュールも、高松発なら意外と現実的だ。

四国で社会人バンドを始めるには、何から始めればいい?

まずは月1〜2回、土日のスタジオ練習から始めるのが現実的だ。四国のスタジオは料金が安いため、4人で2時間練習しても1人2,000円前後。居酒屋の飲み会1回分で、バンド活動ができてしまう計算だ。仕事が忙しいから続かないという不安は当然あるが、社会人バンドの始め方で紹介している「完璧を求めず、集まれる時に集まる」スタイルなら無理なく続けられる。仕事とバンドの両立の具体的なコツはバンド活動と仕事の両立にまとめている。

四国のスタジオは初心者でも使える?

問題なく使える。特にオオガスタジオ(松山)や島村楽器系列は、スタッフの対応が丁寧で、初めての人にも機材の使い方を教えてくれる。「アンプの電源どこですか?」と聞いても嫌な顔はされない。むしろ地方のスタジオは東京ほど客層が専門化していないので、初心者にとっては優しい空気感があることが多い。初めてスタジオに入る日は、予約時間より10分早く着いて、スタッフにひと通り説明を受けることをおすすめする。バンド練習スタジオの選び方も参考にしてほしい。

四国のライブハウス出演料(ノルマ)はいくら?

四国のライブハウスのノルマは、おおむね10〜20枚(1枚1,500〜2,000円)の範囲に収まる。つまり1回のライブで15,000〜40,000円の出演料を用意する必要がある(集客が少ない場合)。しかし、集客に成功すれば実質のコストはかなり下がる。15人来てくれれば、ノルマ相当が回収できる計算だ。最初のライブでいきなり15人集めるのは難しいが、2〜3回ライブをやれば徐々に固定客がついてくる。ライブハウスに出演する方法でノルマの仕組みを詳しく解説している。

四国でのバンド活動を成功させる5つのコツ

4県それぞれに特色はあるが、四国でバンド活動を長く続けるための普遍的なコツがある。私が松山で20代を過ごした実感と、今回この記事を書くために改めて各県の現状を調べた結果から、5つにまとめた。

コツ1: 1つの県に閉じず、県境を越える

四国の中だけで完結する活動は、どうしても候補者の母数が足りなくなる。松山拠点なら「今治・新居浜・西条」や「高松の対バン」も視野に入れる。高松拠点なら「徳島・高知との交流」「岡山との瀬戸大橋越し対バン」も考える。四国4県をネットワークとして捉えると、音楽的な刺激の質が大きく変わる。高速道路と橋梁インフラが整っているので、移動そのものは決して不可能ではない。

コツ2: 地元のライブハウス店長と顔見知りになる

四国ではライブハウスの店長やブッキング担当者が、地元バンドの「マッチング役」を果たすことが多い。「ドラマー探してるバンドない?」と店長に一言聞くだけで、候補が出てくる世界だ。ただ観客として通うだけでなく、カウンターでお酒を飲みながら音楽の話をする習慣を持つと、情報が自然に集まってくる。

コツ3: 小さな対バンイベントから始める

最初から大きなライブを狙わない。まずはキャパ50〜100の小箱(TOONICE・CHAOTIC NOISE・Swingなど)で、地元バンドとの対バンイベントに出る。小さな会場の方が対バン同士の距離が近く、終演後に自然に話せる。この「打ち上げ文化」こそが、四国のバンドシーンの強みだ。ライブハウスに出演する方法で、初めての出演の進め方を具体的に解説している。

コツ4: 大学軽音サークルの演奏会に顔を出す

愛媛大学・松山大学・香川大学・徳島大学・高知大学 — 各県の大学には軽音楽サークルがあり、年に数回の大型ライブを開催している。社会人バンドがここに顔を出すと、「一緒にやりませんか」という話が生まれることがある。学生側にとっても、社会人プレイヤーから学べる場として歓迎される。世代を超えた繋がりは、バンドに新しい視点をもたらす。

コツ5: オリジナル曲でアイデンティティを作る

徳島の米津玄師、愛媛のSuperfly、高知の岡本真夜、香川のGO!GO!7188 — 四国から全国に出たアーティストの共通点は「オリジナル楽曲」を持っていたことだ。コピーバンドから始めるのは全く問題ないが、ある程度経験を積んだら、自分たちの音を作る方向にシフトしていきたい。バンドでオリジナル曲を作る方法で、最初の1曲の作り方を解説している。

四国で長く続けるための心構え

技術的な話をここまで長く書いてきたが、最後にメンタル面の話もしておきたい。四国でバンドを続けるうえで、何度か壁にぶつかる瞬間がある。その時にどう乗り越えるかが、バンドの寿命を大きく左右する。

メンバーが地元を離れる問題

四国では就職・転職の機会を求めて本州(特に大阪・東京)に出る若者が少なくない。バンドメンバーの誰かが就職で県外に出ると、バンドの継続が難しくなる局面がやってくる。この問題への対処法は以下の通りだ。

  • 週末バンドに切り替える: 月1回の集中練習+本番ライブという形なら、県外在住メンバーとも続けられる
  • オンラインレコーディング: 各自が家で録音したパートをデジタルでやり取りし、リモートで楽曲を作る。Jamulus等のリアルタイム演奏アプリも活用できる
  • 新しいメンバーを加える: 思い切って新メンバーを迎え、バンドの形を更新する

「昔のまま固定しよう」とするより、「形を変えても続ける」という柔軟さが、四国のバンドには特に求められる。

候補者不足で妥協してしまう問題

四国では候補者の絶対数が少ないため、「この人しか見つからないから妥協する」という判断をしてしまいがちだ。だが、音楽性の方向性や人柄がどうしても合わない相手と無理に組むと、数か月後にバンドが自然消滅する確率が高い。バンドの音楽性の違いで揉めない方法で解説した通り、「合わない人とは最初から組まない」方が、結局は長持ちする。

候補者が見つからない場合は、無理に組まずに個人練習の期間にあてる、あるいは別の県(隣県)にも募集範囲を広げる、という選択の方が良いことが多い。焦って組んだバンドより、時間をかけて気が合う仲間と組んだバンドの方が長続きする。

地方だから諦める必要はない

「四国にいるから大きなバンドになれない」という考えは、もう古い。米津玄師のようにインターネットを通して世界に音楽を届けている四国出身アーティストが現実に存在する。SpotifyやYouTubeの時代は、地方という場所的ハンデをほぼ無効化している。「どこで音楽をやるか」より「どんな音楽を作るか」の方が、圧倒的に重要な時代になった。

私は松山出身で東京に出て40年以上、音楽を続けてきた。60代になった今も、まだ新しい仲間と音を出したいと思っている。四国で出会った音楽の基礎と仲間たちが、その後の人生を支えてくれた。あなたも四国で、そんな原点になる時間を過ごしてほしい。

まとめ — 瀬戸内の風の中に、仲間はいる

4県を一気に書いてきたが、四国の音楽シーンは決して東京の劣化版ではない。むしろ、顔の見える距離感でコミュニティが密につながっていて、一度仲間になればそのつながりは長く続く。米津玄師、チャットモンチー、Superfly、水樹奈々、岡本真夜、笠置シヅ子 — 四国の空気が、日本の音楽史に深く刻まれてきた。

私のふるさと松山の話は、今回は触れきれなかった。カフェ・ブリュの池川さんのこと、バイト先のスタジオで夜通し弾いた時間、大街道のアーケードで出会った音楽仲間たちのこと — 書きたいエピソードは山ほどある。それらはまた別の記事で、じっくり書き残したい。

考えてみれば、私のバンドキャリアの原点は松山にある。20代の頃、大街道のスタジオでバイトをしながら深夜まで仲間と音を出していた日々。あの時間がなかったら、60代になった今もバンドを続けているかどうかわからない。「音楽は仲間がいれば一生続けられる」という実感は、松山の街で生まれ育ったものだ。

四国という場所は、街の規模と音楽シーンの密度が絶妙に釣り合っていて、一度根を張れば長く続けられる土壌がある。東京のようにライブハウスの数で溢れかえっていないからこそ、一つひとつの出会いに重みが出る。高松festhalleのステージに立った記憶、松山Monkのカウンターで交わした会話、徳島GRINDHOUSEの対バンで仲良くなった人、高知X-pt.で隣合わせた客 — そうした一つひとつが、将来のバンド活動の礎になっていく。

この記事を読んでいるあなたが、四国のどこかの街で「バンドメンバーを探している」なら、今すぐ動いてほしい。近所のライブハウスに顔を出す。スタジオの掲示板を見る。ジャムセッションに飛び入りする。そして、Memboに募集を出す。四国は狭い。動けば必ず、誰かと出会える。

私自身、松山の大街道を離れて東京に出てから40年以上が経つ。でも、今でも松山に帰るたびに、20代の頃に通ったスタジオやライブハウスのことを思い出す。あの時間が、今の自分の音楽的な原点になっている。四国で音を出した経験は、東京に出てからも、60代になった今も、私の中で生き続けている。

音楽は、場所ではなく人でつくるものだ。東京に住んでいても仲間がいなければバンドはできないし、松山や徳島に住んでいても仲間がいれば一生バンドは続けられる。四国4県には、それぞれの街に、それぞれの素敵なミュージシャンがいる。あなたが動けば、必ずその中の誰かと出会える。

瀬戸内の風の中にも、太平洋の波の音の中にも、阿波の空気の中にも、仲間がいる。60代の私がまだ現役で音楽を続けているのは、20代の松山で出会った人たちのおかげだ。あなたもきっと、そういう仲間にこれから出会う。

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四国でバンドメンバーを探すなら、Memboのメンバー募集ページをチェックしてみてください。8言語対応で、四国在住の日本人にも外国人にもリーチできます。

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